石川和幸の作品一覧
「石川和幸」の「製造業の仕事の基本」「SCM経営を「見える化」で成功させる実務」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
エンジニアが学ぶ生産管理システムの「知識」と「技術」
著:石川 和幸
出版社:翔泳社
良書、実務書としてよくまとまっていると思います。図表も豊富で、流れも良いと思います
21世紀に入って、生産管理システムの再構築をテーマとした技術書です
IoT技術、クラウド、ERP等ITシステムの飛躍的な高度化により、
これまで採算性のためにシステム化が難しい領域にも生産管理システムが
実装されるようになってきました
一方で、昭和37年に制定された、原価計算基準を中心とする工業簿記の流れは今なおその中心に位置し、ABCや、原価企画などともに、工場の会計の原則として引き継がれています
本書で気になったのは、以下です
・複数のBOM、eBOMとか、mBOMとかの名前でよばれてきた、設計、製造、サービスの各段階で用いられている部品表の解説、一部であるが、プロセス製造のためのレシピ(配合表)の解説もあり、基本的には、同じ思想
・工程管理と生産管理の接点 MES,SOP,PLC,SCADA 等予実算管理や、製造指示、製造実績収集など、リアルタイムでの情報収集と実体の把握を可能とした工程管理と生産管理との関係、昔はPC1つも工程にいれることすらむずかしかった
・BI、KPIといった情報系、いくつもの生産性の指標を即時に表示し、リアルタイムに製造の実体を知る
・グローバルS&OP タイの洪水等から、複数の国々にまたがっての在庫管理、在庫の振り分けなどを実現する
1工場を越えたERPの実現、MDMをつかった、グローバルでの売れ行き分析などの実現
・レイヤ毎の機能を統合し、垂直統合された、生産管理業務の実現、システムの再統合の青写真
目次
はじめに
第1章 製造業に大きな変革の波が押し寄せている
1-1 作れば売れる時代の考えでは工場はマネジメントできない
1-2 人に依存したモノづくり志向では日本の工場はもたない
1-3 生産管理は生産マネジメントと製造・工程管理を峻別
1-4 生産マネジメント機能・システム構築が重要
1-5 QCD管理は当たり前、原価管理を含めたサイクルを高速・高度化する
1-6 生産管理におけるグローバルマネジメント視点の欠落は致命的
1-7 IoT・ロボットで工場のシステム化を進める
1-8 生産管理を重要スキルと認識して人材育成
1-9 生産管理とエンジニアリングチェーンとの連携課題
1-10 生産管理の業務を再定義する
COLUMN 生産管理の未来(1)生産管理システムの再構築の大波
第2章 生産管理とは何か?
2-1 生産管理の目的は工場の収益性を高めること
2-2 生産マネジメントと工程管理、購買管理を識別する
2-3 生産マネジメント業務は計画、資材所要量計算、原価計算
2-4 製造・工程管理で管理すべきは指示、実行、実績、進捗
2-5 購買・発注・納期管理とソーシングを識別する
2-6 生産活動の収支を管理する原価管理
2-7 生産管理に関わる周辺業務とその関連
2-8 生産マネジメントとしての工場横断・グローバルマネジメント
COLUMN 生産管理の未来(2)Production Controlは生産管理か?
第3章 生産管理業務と関連システム(1)生産マネジメント
3-1 業務の流れから見た生産管理
3-2 生産マネジメントの核は計画管理と原価管理、KPI管理
3-3 最初に押さえるサプライチェーンの計画連鎖とサイクル・バケット
3-4 生産管理機能(1)中長期生産計画・能力計画のプロセス
3-5 生産管理機能(2)中長期調達計画・ソーシングのプロセス
3-6 生産管理機能(3)短期生産計画・資材所要量計算プロセス
3-7 生産管理機能(4)所要量展開:資材所要量、製造・購買指図発行
3-8 生産管理機能(5)MRPと製番管理の違いとWBS所要量展開
3-9 周辺・特殊業務:BOM管理とレシピ管理
3-10 生産管理機能(6)製品データ管理とBOM管理、設計プロセス連携
3-11 生産管理機能(7)新製品計画・試作における業務連携プロセス
3-12 製品ライフサイクルに関わる周辺業務
3-13 グローバル需給管理、グローバル調達管理
COLUMN 生産管理の未来(3)個別部門の利害代表ではなく経営のプロへ
第4章 生産管理業務と関連システム(2)製造・工程管理
4-1 製造・工程管理:小日程計画、作業展開、製造指示
4-2 生産管理機能(8)工程管理:製造指示、出庫指示、計量指示、製造統制、実績収集
4-3 工程管理(1)指図受領、工程展開、製造指示作成、ロット管理
4-4 工程管理(2)MES、PLC、HT、制御盤、設備に製造指示を連携
4-5 工程管理(3)MES、PLC、HT、制御盤、設備、SCADAに実績データを連携
4-6 発注による入庫予定と入庫消込、在庫の引き落とし
4-7 完成品の入庫と調達品の入庫の連携
4-8 支給管理:有償支給と無償支給対応
COLUMN 生産管理の未来(4)経験主義からフレームワークへ
第5章 生産管理業務と関連システム(3)原価管理
5-1 総合原価計算と個別原価計算、全部原価計算と直接原価計算
5-2 5つの原価計算と製造原価報告書の作成
5-3 工程認識と指図構造、原価積算の流れと直接費、間接費配賦
5-4 生産管理機能(9)生産マネジメント:実績による製造指図消込、原価積算
5-5 損益分岐点分析とコストダウン
5-6 利益管理と相違するキャッシュフロー管理
5-7 特殊な原価管理:活動基準原価計算、スループット会計
COLUMN 生産管理の未来(5)生産戦略にファイナンス視点を持つ
第6章 KPI管理と可視化システム
6-1 製造実績管理と管理指標(KPI)管理
6-2 アンドンでの可視化、制御盤、PLCでの可視化
6-3 コンポーネント/デバイスレイヤーとデータ管理レイヤーを標準化する
6-4 業務へのフィードバックとしてのKPI
6-5 BIによる階層化したデータの可視化、DB、DWH、データマート、Viewer
6-6 工場のITインフラとKPI管理の課題
COLUMN 生産管理の未来(6)机上のKPI管理を改め戦略に合致したKPIへ
第7章 生産管理におけるビジネスとテクノロジーの潮流
7-1 生産管理を標準化し、世界中どこでも同じマネジメントを目指す
7-2 生産のグローバルマネジメントと工場統合マネジメントへの進化
7-3 弱体化するエンジニアリングチェーン、生産技術部門の強化
7-4 IoTとMES、SCADA、生産管理システム、BIが作る知的工場
COLUMN 生産管理の未来(7)DXと情報システム部門の戦略部門化
COLUMN 生産管理の未来(8)SCM/DCMとしての再構築と統合
第8章 生産管理システムを導入する成功のステップ
8-1 全体ステップと体制の構築
8-2 生産管理システム導入成功のステップ1 目的と目標の設定
8-3 生産管理システム導入成功のステップ2 現状調査
8-4 生産管理システム導入成功のステップ3 構想策定
8-5 生産管理システム導入成功のステップ4 業務設計とグランドデザイン
8-6 生産管理システム導入成功のステップ5 パッケージ選定
8-7 生産管理システム導入成功のステップ6 ITベンダー選定
8-8 生産管理システム導入成功のステップ7 要件定義
8-9 生産管理システム導入成功のステップ8 設計・開発・移行・テスト
8-10 生産管理システム導入成功のステップ9 カットオーバーと定着化
8-11 生産管理システム導入成功の視点(1)プロジェクトマネジメント
8-12 生産管理システム導入成功の視点(2)人材育成とコンサルタントの活用
8-13 生産管理システム導入成功の視点(3)パッケージか?手作りか?の選択
8-14 生産管理システム導入成功の視点(4)クラウドか?オンプレミスか?の選択
8-15 生産管理システム導入成功の視点(5)ユーザー重視と経営重視の選択
おわりに
生産管理システム 索引
ISBN:9784798162676
判型:A5
ページ数:280ページ
定価:2600円(本体)
2021年04月19日初版第1刷発行
Posted by ブクログ
エンジニアが学ぶSCMシステムの「知識」と「技術」
著:石川 和幸
出版社:翔泳社
分かりやすいテキストでした
SCMとは、物流システムであるとおもっていましたが、ちがっていました
サプライチェーン全体を管理するシステムであり、広大の領域を包含するシステムとして、本書はとらえています。
まず、なぜ、SCMなのか、1990年代に登場したSCMは今曲がり角にきていて再構築を余儀なくされていることからはじまります。
①サプライヤの供給力が変動していること
②調達のリードタイムが長期化していること
③トラックドライバー不足であること
④船舶輸送等、物流の取り合いが起きていること
から、サプライチェーン全体を鋭敏な連携と先読みできる高度なシステムが必要になっていること
優秀な人材で回してきた作業改善も限界に達していて、属人的な管理から、仕組みとしての管理を、導入しなければ、もはや、生き残ることが難しくなっていることを、背景として挙げています。
サプライチェーン全体を包含する業務パッケージは1つもありません
SCMを実現するには、業務機能を横断したシステム構築が必要となっているのです
SCMとは、需要予測、販売計画、商談管理、生産計画、資材所要量計算、調達管理、物流管理などの各業務を深く理解した上で、それぞれを適切に連携し、経営的な意思決定を行うシステムです
つまり、SCMを簡単に導入することはできないのです
本書は、SCMを3つの大別、計画系、実行系、管理系にわけて、解説を行っています
330頁程度ですが、中身はめちゃめちゃ濃いです。簿記をあらかじめ学んでおいた方がいいと思いました
以下概要です
■サプライチェーンネットワークデザイン
工場、倉庫、販社などの拠点配置
拠点間物流ネットワーク
工場での生産方式
倉庫への在庫配置、層別配置
これら、サプライチェーンの構造を決めるのが、サプライチェーンネットワークデザインです
■計画系:予算管理
予算
需要予測
需要計画
在庫計画
仕入計画
生産計画
調達計画
物流計画
■実行系;基幹業務
販売
生産
調達
販売物流、輸出
調達物流、輸入
■管理系;評価業務
■SCMとはなにか
①SFA Sales Force Automation
②需要予測 統計予測他
③SCP Supply Chain Planner 販売計画、仕販在計画、生販在計画の立案
④ERP/MRP Enterprise Resource Planning 基幹システム
⑤スケジュラー 製造のロットの生産割り付けをする
⑥MES Manufacturing Execution System 製造実行システム
⑦WMS Warehouse Management System 倉庫管理
⑧TMS Transport Management System 配車、運行管理システム
⑨BI Business Intelligence データの加工、可視化
補助システム
⑩CAD 設計図面
⑪PLM 製品情報のライフサイクル管理、バージョン、変更管理
⑫PDM 品目情報管理
⑬SRM 間接材購買
⑭LIMS 検査・検査指図
⑮コンフィグレータ 製品仕様管理・誘導
⑯EDI/WebEDI・FAX-OCR 受注フロント
他 AI、IoT等
生産方式については、以下が述べられています
在庫販売:STS
見込生産:MTS
受注組立生産:ATO
受注仕様組立:CTO(別注)
受注加工組立:SATO
受注生産:MTO
個別受注生産:ETO(特注)
層別配置倉庫
グローバルセンター倉庫
センター倉庫
地区倉庫
デポ倉庫
販売と、生産計画
BtoC,もしくは、BtoBtoC 需要予測+販売計画
(移動平均、統計的予測)
BtoB 商談管理+販売管理
(商談のパイプライン管理:企画・提案⇒引きあい⇒仕様検討⇒見積⇒内示⇒受注)
PSI計画とSCP
仕販在計画 仕入⇒販売⇒在庫
生販在計画 生産⇒販売⇒在庫 これを管理するシステムがSCP
生産
基準生産計画⇒資材所要量計算(MRP)
製造指図
出荷指図
転送指図
購買指図
製造外注
渡り外注
工場間転送
入庫予定
受入
ERP⇒(製造指図)⇒MES⇒PLC⇒入庫予定⇒倉庫管理⇒入庫実績
MES⇒(製造実績)⇒ERP
ハンディターミナル(HT)
製造実績等は、MES,PLC,HT以外にも、IoT,RFID,
部品表(もしくは配合表)
eBOM 設計BOM
mBOM 製造BOM
sBOM 保守部品BOM
planinngBOM 計画BOM
スケジューラー
ロット付き製造指図
ロット番号⇒MESで管理⇒会計情報をERPへ送る
倉庫管理(WMS)
入出庫
保管
入庫 入庫予定⇒予定表⇒検品⇒受け入れ⇒入庫⇒実績収集
出庫 出庫指示登録⇒出庫指示⇒引当⇒ピッキング指示⇒ピッキング⇒出荷ラベル納品書⇒出荷登録⇒出荷
他倉庫間移動、ロケーション移動、在庫補充、流通加工
配車計画・輸送計画(TMS)
出荷指示、配車所要量計算⇒トラック割り付け⇒積付計算⇒ルート計算⇒輸配送運賃計算⇒車両管理
トレーサビリティ
トレースバック 原因となったロット、現材料を特定する
トレースフォワード その原因のロット、原材料がつかわれている製品を特定する
管理系 データの可視化
BI
MDM:マスターデータの統合管理
他
受注フロントとしての、EDI,WebEDI,FAX-OCRなどの活用
WBSをつかった長期製造⇒工事進行基準による会計処理
目次
はじめに
第1章 SCMの基礎知識
1-1 SCMの黎明期
1-2 SCMの定義と目的
1-3 SCMを実現するためのフレームワーク
1-4 SCMの業務機能(1)サプライチェーンネットワーク設計
1-5 SCMの業務機能(2)計画業務
1-6 SCMの業務機能(3)実行業務
1-7 SCMの業務機能(4)管理指標の可視化と評価業務
1-8 サプライチェーン分断と不確実性の増大によるSCMの再編要求
1-9 SCMを実現するシステムの全体像
第2章 SCMの業務機能(1)計画業務:需要予測と需要予測システム
2-1 SCMの計画業務は需要計画から始まる
2-2 需要予測システムに実装される統計モデル
2-3 統計モデルフィッティングの方法と需要予測単位
2-4 過去実績の可視化、異常値除去の方法と統計モデル運用
2-5 人的予測・顧客内示を活用した予測
2-6 需要予測システム構築に関する留意点
第3章 SCMの業務機能(2)計画業務:B2C、B2B2Cの販売計画と販売計画システム
3-1 意思を持たない予測に意思を入れる販売計画
3-2 過去実績、販売計画を可視化し、複数ある販売計画を統合する
3-3 新製品開発段階と終売期の販売計画
3-4 販売計画を承認して責任を明確にする統制組織機能の設置
3-5 販売計画を担うシステムと構築に関する留意点
第4章 SCMの業務機能(3)計画業務:B2Bの販売計画と商談管理システム
4-1 B2Bビジネスにおける商談管理を再構築すべし
4-2 商談管理を担うSFAと導入の留意点
4-3 商談管理で進捗を可視化し、パイプライン管理を高度化する
4-4 商談管理と先行生産・先行調達の連携によるB2BのSCM構築
第5章 SCMの業務機能(4)計画業務:PSI計画ー調達計画とPSIシステム
5-1 仕販在計画と生販在計画に分かれるPSI計画
5-2 仕販在計画と部品PSI計画、部品・原材料フォーキャスト
5-3 PSI計画での在庫計画の手法とPSIと補充型在庫調達の手法
5-4 計画における制約の考慮とアロケーション
5-5 PSI計画を担うSCP
5-6 PSI計画時の自動最適化機能の限界と構築に関する留意点
第6章 SCMの業務機能(5)実行業務:生産計画、基準生産計画、資材所要量計算、能力計画とMRP/ERP
6-1 基準生産計画と資材所要量計算
6-2 製造外注と支給管理、工場間転送
6-3 入庫、製造実績収集と原価計算への連携
6-4 基準生産計画と所要量計算を担うMRPとパッケージシステム
6-5 品目構成を管理する製造BOM(M-BOM)
6-6 MRPの代わりに表計算ソフトを使う場合の留意点
第7章 SCMの業務機能(6)実行業務:小日程・順序計画とスケジューラー
7-1 製造現場の制約条件を考慮した最適計画を作る小日程・順序計画
7-2 小日程・順序計画の構築と運用で考慮すべきこと
7-3 製造指図から連携し、小日程・順序計画を製造指図に戻す可否
7-4 小日程・順序計画を担うスケジューラーとその機能
7-5 スケジューラー構築に関する留意点と表計算ソフト対応
第8章 SCMの業務機能(7)実行業務:製造指示・実績管理と製造実行管理システム
8-1 製造指示ー実績、入庫予定ー入庫消込を担うMES
8-2 工程品質保証と工程検査を受け持つMESと文書管理システム
8-3 指示と実績収集を担うPLC、HT、タブレット、RFID、IoT
8-4 MESAが唱えるMESの11の機能とアプリケーションの識別
第9章 SCMの業務機能(8)実行業務:受注出荷管理とERP、物流に関わるWMS、TSM
9-1 販売・物流管理は入念に設計するべき顧客接点での重要業務
9-2 納期回答の目的は受注獲得と顧客満足度の向上
9-3 受注・引当管理と受注仕様生産における仕様管理
9-4 倉庫管理を行うWMSで入出庫管理と在庫管理を行う
9-5 配車計画・輸送計画を担うTMS
9-6 出荷と生産を遡及・追跡探索するトレーサビリティ
9-7 物流トラッキングとは何か?
第10章 SCMの業務機能(9)可視化と指標管理:可視化(見える化)とBI
10-1 データの統合管理を担うBI
10-2 需要予測、商談管理、販売計画で見るべきデータとシステム
10-3 計画業務で見るべきデータとシステム
10-4 実行業務で見るべきデータとシステム
10-5 SCM管理指標のKPI
10-6 BI構築に関する留意点と表計算ソフトの活用
第11章 SCMを支え、DX化を推進するその他のシステム
11-1 設計プロセス連携とPLM/PDM、MDMの必要性
11-2 見積管理とSFAからSCMへの連携
11-3 受注フロントとしてのEDI、Web EDI、FAX-OCR
11-4 調達フロントとしてのEDI、Web EDI、FAX-OCR
11-5 仕様誘導するコンフィグレーター、プロジェクト管理と進行基準
11-6 可視化で要となるBIと表計算ソフトの競合・共存
11-7 間接材購買を実現するシステムまたはASPサービス
11-8 SCMに対するRPA、IoT、AIの貢献と限界
ISBN:9784798178943
出版社:翔泳社
判型:A5
ページ数:352ページ
定価:3000円(本体)
2025年06月18日初版第1刷発行
Posted by ブクログ
石川 和幸著『この1冊ですべてわかる 製造業の仕事の基本』のレビューです。
最初にパラパラめくったときは、広く浅い本かなと思いましたが、割とスルメ本かもしれません。
広範にわたる製造業の仕事全体をざっくり説明している感じなので、製造業にこれから関わる方には、少し難解というか消化不良に感じそうです。
ある程度、自分の部署のことは分かってきたけど、他部署は何をしてるんだ、みたいな状態の方にとくにオススメ。
製造業では、営業の作る販売計画がすべてのはじまりであることが強調されています。
ただの成り行きではなく、意思と責任を持った数字を作り、その通りに売り切る力のあるメーカーは強い、とのこと。その通りだとは思いますが、そこを具体的にどうやるのか、というところまで知りたいですね。
日頃の業務とは関係ないと思っている箇所にも、仕事の意味理解が深まる記載が見つかります。
そもそも販売計画はどのように立てられるのか。生産管理と製造管理の違いとは。購買と調達の違いとは。など。
生産スケジュールのシステムは、表計算ソフトでも十分、という記載に、なんだか安心しました。
六つの原価計算が出てきますが、そのうち総合原価計算か個別原価計算かは業務形態で決まり、あとは財務会計目的か管理会計目的かに応じてすべて実施する可能性があることがわかりました。
SCMについても書かれていますが、いったい何をするべきなのか、よくわかりません。ただの在庫管理じゃなく、全体を見て最適化をしなきゃいけないよ、経営陣も巻き込むんだよ、みたいなふんわりしたことが書いてあります。
じゃ具体的に何をするのか、と言ったら、結局、営業や生産、購買物流など、各部署の人たちが手を動かすことになるような。
「マーケティング」と同じニオイがします。
もうちょっと、この思想の目指すところへの理解を深めたいところです。