作品一覧

  • ロシア・インテリゲンツィヤの誕生 他五篇
    4.0
    バーリンは,伝統主義を拒否し個人の自由を擁護したインテリゲンツィヤたちの言説を丁寧に読み解く作品を残している.それは,十九世紀のロシアがはらんでいた複数の可能性,そこに潜む普遍性を探りあてる試みでもあった.こよなく愛したゲルツェンをはじめ,ベリンスキーやトゥルゲーネフらの人物像を,深い共感をこめて描きだした論集.

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  • バフチン
    4.0
    文学研究者として知られるバフチンだが、実は美学、哲学から言語学、記号論等々をまたぐ、領域横断的な知のありかたが本領。その根幹を貫く「対話原理」に透けて見えるのは、全体主義へと向かう窮屈なイデオロギー状況に対峙し、境界線上を行き来しながら格闘した思想家の姿である。
  • 増補 バフチン
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    文学論で著名なバフチンだが、じつは哲学、言語学、記号論等々をまたぐ領域横断的な知のあり方が本領。その巨大な知の全体像をあますところなく描く最良の入門書。平凡社新書『バフチン――カーニヴァル・対話・笑い』(2011年刊)の増補版。

ユーザーレビュー

  • ロシア・インテリゲンツィヤの誕生 他五篇

    Posted by ブクログ

    『知的な信念と感情的な〈中略〉要求との深い内的葛藤はロシア特有の病である』

    本著はまず、19世紀のヨーロッパ革命、或いはドイツ哲学やドイツロマン主義がロシアに与えた影響について解説、その後ベリンスキー、ゲルツェン、バクーニン(についてはバーリンは否定的)という3人を軸に、19世紀の所謂インテリゲンツィアと呼ばれるロシアの思想家や作家について解説する。

    冒頭の引用は西ヨーロッパに対するロシア特有の感情を説明したものであり、それは文明的先行への羨望と計算高さへの嫌悪を同時に抱えている。
    (但し、「ロシア」を「(第二次大戦までの)ドイツ」と置き換えてもほぼ意味が成り立つところは面白い)

    191

    0
    2023年11月01日
  • バフチン

    Posted by ブクログ

    バフチンの半生とその間の思索の流れについて書いている。

    対話性や笑い、カーニヴァルやグロテスクなどの語句については、小説以外の場面にも応用可能なものであり、それらへの導入的説明が書かれているため、初心者にも分かりやすいものになっているし、とても参考になる。

    バフチン年表や文献目録もついていて便利である。

    0
    2012年02月18日
  • バフチン

    Posted by ブクログ

    尊敬する方にバフチンを読みなさいと言われ、読んでみた一冊。とってもおもしろかった。原典にもできれば触れたいところ。
    ドストエフスキーを読んだことがあったので、ポリフォニーは思ったよりもなんとなくつかめたような気がする。

    声の多層性は人間誰にでもあると感じた。

    ステキな友人に小島信夫の『残光』をオススメされて、その登場人物が「私を使って下さい」と言ってくる言葉とシンパシーを感じた。例えば、マンガ家や小説家は登場人物といかに出会うのか、声の多層性の観点から考えると面白いんじゃないかなと感じた。おもしろかった!!バフチンおもろい。

    0
    2013年03月07日
  • バフチン

    Posted by ブクログ

    ロシアの文学評論家であるミハイル・バフチンの生涯を追いながら、
    彼の主要な概念・用語・理論枠組みなどを解説していく書籍。
    新書というメディアでバフチンの書籍が出版されるとは思っていなかったので、とても驚いた。

    バフチンは文学評論家ではあるが、おそらく、広くコミュニケーションについての考察を残した人、と捉えたほうが良いかと思われる。
    現在でも、質的(定性的)な視点から研究を行おうとしている、
    心理学・社会学・言語学等の諸学問の人々の論考において、
    ときどきバフチンの引用が散見される。

    おそらく、単なる相対主義でもなく、融合と言うほどの一体化でもなく、
    それぞれの「声」がそれぞれのポジションを

    0
    2012年02月20日
  • バフチン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    著者である桑野さんご自身もおっしゃられている通り「バフチンの全体像をできるかぎり簡潔した」本となっている。新書というジャンル(?)のイメージに違わずかなり読みやすく、その割に、けっこうディープな(公刊されていない)ノートやメモなどのテキストも引用されたりしていて面白い。新書で読んで「このテキストいい!原典たどってみよう!」と思ったときに、それがない、というのが多々起こるのではないかと思われる。

    私が特に参考になったのは、本書の前半から中盤部分にかけて、何回か繰り返される、<対話><対話原理>と<間テクスト性(インターテクスチュアリティ)>との違いに関する説明の部分。私のように、フランス系の言

    0
    2012年01月28日

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