作品一覧

  • こんな日弁連に誰がした?
    4.1
    1巻836円 (税込)
    弁護士の大増員を決めたのに、仕事はまったく増えず、法科大学院を出ても、司法試験に受かるのは一部のみ。なぜ、こんな"ちぐはぐ"なことになってしまったのか?東西冷戦、バブル崩壊、司法改革-骨肉の闘いだった法曹の戦後史をひもとくことで、「日弁連の姿」をはじめて明らかにする。弁護士たちの追い求めた夢と挫折、そして、これからの弁護士の姿とは。

ユーザーレビュー

  • こんな日弁連に誰がした?

    Posted by ブクログ

    戦後の法曹界の内幕物。特に2000年前後の司法改革をめぐる弁護士たちの世界の状況や動向がよくわかる。著者自身が弁護士でありながら司法改革を傍観者的に眺めていたことから、業界の内部事情に分け入りつつも冷めた感覚で物事の成り行きを綴ることができたのだろう。正義はそれぞれの立場の数だけあり、大事なのは自身の立場を相手に受け入れさせていく権力闘争のスキル。そのぶつかり合いの中で形成されているバランスこそが社会正義である。それが著者の考えである。このスタンスからすると、日弁連は己の立場を政府・裁判所・検察に尊重させることのできなかった落第生ということなのだろう。著者は、人権派弁護士がこれまで社会の弱い部

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    2020年05月09日
  • こんな日弁連に誰がした?

    Posted by ブクログ

     ともすれば陰謀論に陥りがちなテーマをバランス良くまとめられているという印象。中立性を保って歴史記録にとどめようとする姿勢は,世代は違えども同じ一会員として色々と思うところもあると容易に想像できる分,尊敬の念を禁じ得ない。
     内容的にはさもありなんという感じで,驚きはない。もちろん,会務に携わる個々の弁護士の労力は相当なもので,そのエネルギーは素晴らしいと思うが,残念ながら組織として有効に機能していないという状況は今でも変わらない。給費制にせよ法曹人口論にせよ,過去から真摯に学ばなければ,失敗は繰り返されるだろうし,組織としての求心力はもちろん,制度の存続も危うい。
     しかし,内容はともかく,

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    2012年01月13日
  • こんな日弁連に誰がした?

    Posted by ブクログ

    近年の司法にまつわる制度変遷の過程を分かりやすく説明。それにしても、登場する方々みな非常に人間くさい。読み物として純粋におもしろかった。

    五十年史に記載されなかった日弁連最大の失敗がつぶさに語られている。失敗から学ばない組織は滅びる、との作者の言は重い。

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    2011年04月12日
  • こんな日弁連に誰がした?

    Posted by ブクログ

    あまり知られていないようですが、この本は少なくとも若手の弁護士、ロースクール生には必読書だと思います。

    日本の司法界の歴史が、非常にわかりやすく書かれています。しかも面白い。

    私が受験生のころに、急に出てきた(ように感じた)「丙案」。
    今となっては懐かしい響きですが、受験当時は、翻弄されたものでした。

    現在の法科大学院制度が出てきた経緯や弁護士の増員、法曹一元の問題と関わりながら、どのような変遷をたどってきたのか、よく理解できます。

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    2010年10月09日
  • こんな日弁連に誰がした?

    Posted by ブクログ

    企業法務マンとして、司法試験合格=2000~3000人時代になったら、弁護士資格者が企業の中に入ってきて、資格のない自分なんて、淘汰されるだけではないか。。。。。という6-7年前くらいからの不安はあり、それは自分なりに心の中で解決してきたつもりであった。

    しかし、何故司法試験合格者が2000~3000人になるのか?については「どうせアメリカの圧力だろう」程度で、深く考えては来なかった。

    この本は、「司法試験合格者大増員」・「法科大学院構想」といった制度改変が、日本弁護士連合会(日弁連)が「法曹一元論」の達成という勝ち目のない戦いを行う際に、バーター的に進められたものであったが、日弁連の政治

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    2010年05月09日

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