小林正啓のレビュー一覧
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戦後の法曹界の内幕物。特に2000年前後の司法改革をめぐる弁護士たちの世界の状況や動向がよくわかる。著者自身が弁護士でありながら司法改革を傍観者的に眺めていたことから、業界の内部事情に分け入りつつも冷めた感覚で物事の成り行きを綴ることができたのだろう。正義はそれぞれの立場の数だけあり、大事なのは自身...続きを読むPosted by ブクログ
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ともすれば陰謀論に陥りがちなテーマをバランス良くまとめられているという印象。中立性を保って歴史記録にとどめようとする姿勢は,世代は違えども同じ一会員として色々と思うところもあると容易に想像できる分,尊敬の念を禁じ得ない。
内容的にはさもありなんという感じで,驚きはない。もちろん,会務に携わる個々...続きを読むPosted by ブクログ -
近年の司法にまつわる制度変遷の過程を分かりやすく説明。それにしても、登場する方々みな非常に人間くさい。読み物として純粋におもしろかった。
五十年史に記載されなかった日弁連最大の失敗がつぶさに語られている。失敗から学ばない組織は滅びる、との作者の言は重い。Posted by ブクログ -
あまり知られていないようですが、この本は少なくとも若手の弁護士、ロースクール生には必読書だと思います。
日本の司法界の歴史が、非常にわかりやすく書かれています。しかも面白い。
私が受験生のころに、急に出てきた(ように感じた)「丙案」。
今となっては懐かしい響きですが、受験当時は、翻弄されたもので...続きを読むPosted by ブクログ -
企業法務マンとして、司法試験合格=2000~3000人時代になったら、弁護士資格者が企業の中に入ってきて、資格のない自分なんて、淘汰されるだけではないか。。。。。という6-7年前くらいからの不安はあり、それは自分なりに心の中で解決してきたつもりであった。
しかし、何故司法試験合格者が2000~30...続きを読むPosted by ブクログ -
司法試験合格者が想定外に増えていないことはニュースで知っていたが、そもそも何千人も合格させる必要があるのかが不思議ではあった。
そんなに弁護士いるのかぁ?と。
その疑問に対しては本書を読んで理解した。
そう、いらないんである。
日弁連は、弁護士が増えれば職にあぶれることは十分わかっていた。そもそも...続きを読むPosted by ブクログ -
[ 内容 ]
弁護士の大増員を決めたのに、仕事はまったく増えず、法科大学院を出ても、司法試験に受かるのは一部のみ。
なぜ、こんな“ちぐはぐ”なことになってしまったのか?
東西冷戦、バブル崩壊、司法改革―骨肉の闘いだった法曹の戦後史をひもとくことで、「日弁連の姿」をはじめて明らかにする。
弁護士たちの...続きを読むPosted by ブクログ -
司法試験年間3000人。司法試験合格率80%。それは目標設定当初から無理と分かっていた。日弁連の迷走が分かる一冊。弁護士を目指す人なら見るべきだと思いました。Posted by ブクログ
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日弁連という組織がかかえている内的な問題・課題について、初めてしりました。
同じ、司法試験を通過しながらも、裁判官・検事、そして弁護士と別れ、法曹界におけるそれぞれの置かれる立場上の違いで、思いが食い違ってしまう。
それと、国家権力側と、それと闘わなければならないという宿命。
今回、司法試験合...続きを読むPosted by ブクログ -
法曹一元を突っ張りすぎて、2000人時代を迎えたために、優秀うな人材が流出し始めており、もう組織としては回復不能、没落確定だそうです。
でも、PもJも同じ人材源から採用なので、法律家業界全部の人材劣化がそのまま放置されることはありえないでしょうね。Posted by ブクログ -
結局、当時の弁護士は何を思っていたんだろう? というのが感想。
それを紐解くキーワードが「法曹一元」という熱病、に収斂されてしまっていて、そこはなんだか消化不良。
読み物としては悪くない。
ロースクール制度が緩やかに崩壊しつつある現状を反映した改訂版が読みたい。Posted by ブクログ -
法曹人口増員したのに仕事は全く増えず、ロースクール出ても合格するのはほんのわずか。そんな凸凹な法曹界の戦後史を追ったもの。
日弁連は悲願だった法曹一元と引き換えに司法試験合格者3000人増と法科大学院設立案を飲んだ。しかし、その実は法曹一元など実現されず、日弁連の敗北に終わった・・・という骨子。
読...続きを読むPosted by ブクログ