小林正啓のレビュー一覧

  • こんな日弁連に誰がした?

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    戦後の法曹界の内幕物。特に2000年前後の司法改革をめぐる弁護士たちの世界の状況や動向がよくわかる。著者自身が弁護士でありながら司法改革を傍観者的に眺めていたことから、業界の内部事情に分け入りつつも冷めた感覚で物事の成り行きを綴ることができたのだろう。正義はそれぞれの立場の数だけあり、大事なのは自身の立場を相手に受け入れさせていく権力闘争のスキル。そのぶつかり合いの中で形成されているバランスこそが社会正義である。それが著者の考えである。このスタンスからすると、日弁連は己の立場を政府・裁判所・検察に尊重させることのできなかった落第生ということなのだろう。著者は、人権派弁護士がこれまで社会の弱い部

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    2020年05月09日
  • こんな日弁連に誰がした?

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     ともすれば陰謀論に陥りがちなテーマをバランス良くまとめられているという印象。中立性を保って歴史記録にとどめようとする姿勢は,世代は違えども同じ一会員として色々と思うところもあると容易に想像できる分,尊敬の念を禁じ得ない。
     内容的にはさもありなんという感じで,驚きはない。もちろん,会務に携わる個々の弁護士の労力は相当なもので,そのエネルギーは素晴らしいと思うが,残念ながら組織として有効に機能していないという状況は今でも変わらない。給費制にせよ法曹人口論にせよ,過去から真摯に学ばなければ,失敗は繰り返されるだろうし,組織としての求心力はもちろん,制度の存続も危うい。
     しかし,内容はともかく,

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    2012年01月13日
  • こんな日弁連に誰がした?

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    近年の司法にまつわる制度変遷の過程を分かりやすく説明。それにしても、登場する方々みな非常に人間くさい。読み物として純粋におもしろかった。

    五十年史に記載されなかった日弁連最大の失敗がつぶさに語られている。失敗から学ばない組織は滅びる、との作者の言は重い。

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    2011年04月12日
  • こんな日弁連に誰がした?

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    あまり知られていないようですが、この本は少なくとも若手の弁護士、ロースクール生には必読書だと思います。

    日本の司法界の歴史が、非常にわかりやすく書かれています。しかも面白い。

    私が受験生のころに、急に出てきた(ように感じた)「丙案」。
    今となっては懐かしい響きですが、受験当時は、翻弄されたものでした。

    現在の法科大学院制度が出てきた経緯や弁護士の増員、法曹一元の問題と関わりながら、どのような変遷をたどってきたのか、よく理解できます。

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    2010年10月09日
  • こんな日弁連に誰がした?

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    企業法務マンとして、司法試験合格=2000~3000人時代になったら、弁護士資格者が企業の中に入ってきて、資格のない自分なんて、淘汰されるだけではないか。。。。。という6-7年前くらいからの不安はあり、それは自分なりに心の中で解決してきたつもりであった。

    しかし、何故司法試験合格者が2000~3000人になるのか?については「どうせアメリカの圧力だろう」程度で、深く考えては来なかった。

    この本は、「司法試験合格者大増員」・「法科大学院構想」といった制度改変が、日本弁護士連合会(日弁連)が「法曹一元論」の達成という勝ち目のない戦いを行う際に、バーター的に進められたものであったが、日弁連の政治

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    2010年05月09日
  • こんな日弁連に誰がした?

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    はっきり言って面白すぎ。弁護士ではないが似たような士業に関わっている者として極めて興味深い。今年読んだ新書の中では今のところ一番だ。

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    2010年04月22日
  • こんな日弁連に誰がした?

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    司法試験合格者が想定外に増えていないことはニュースで知っていたが、そもそも何千人も合格させる必要があるのかが不思議ではあった。
    そんなに弁護士いるのかぁ?と。
    その疑問に対しては本書を読んで理解した。
    そう、いらないんである。

    日弁連は、弁護士が増えれば職にあぶれることは十分わかっていた。そもそもは司法試験合格者を増やそうというのは、検事と裁判官を増やしたいお上の意向が働いているのである。

    一方で、日弁連は法曹一元を実現したかった思惑がある。法曹一元とは、司法試験合格後はまず皆が弁護士となり、その中で適性あるものが検事、裁判官となることである。
    弁護士から選ぶことで真の人権意識にあふれた検

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    2013年02月01日
  • こんな日弁連に誰がした?

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    [ 内容 ]
    弁護士の大増員を決めたのに、仕事はまったく増えず、法科大学院を出ても、司法試験に受かるのは一部のみ。
    なぜ、こんな“ちぐはぐ”なことになってしまったのか?
    東西冷戦、バブル崩壊、司法改革―骨肉の闘いだった法曹の戦後史をひもとくことで、「日弁連の姿」をはじめて明らかにする。
    弁護士たちの追い求めた夢と挫折、そして、これからの弁護士の姿とは。

    [ 目次 ]
    第1章 なぜ日弁連と裁判所は仲が悪いのか?
    第2章 日弁連が分裂する中、司法改革が始まる
    第3章 日弁連、最大の失敗
    第4章 迷走と抵抗
    第5章 法科大学院構想
    第6章 法曹一元と日弁連の熱狂
    第7章 決戦、そして敗北
    第8章 

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    2011年05月29日
  • こんな日弁連に誰がした?

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    ネタバレ

    司法試験年間3000人。司法試験合格率80%。それは目標設定当初から無理と分かっていた。日弁連の迷走が分かる一冊。弁護士を目指す人なら見るべきだと思いました。

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    2011年05月10日
  • こんな日弁連に誰がした?

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    日弁連という組織がかかえている内的な問題・課題について、初めてしりました。

    同じ、司法試験を通過しながらも、裁判官・検事、そして弁護士と別れ、法曹界におけるそれぞれの置かれる立場上の違いで、思いが食い違ってしまう。

    それと、国家権力側と、それと闘わなければならないという宿命。

    今回、司法試験合格者の増加、法曹一元化、法科大学院問題に関して時系列を追いながら整理されている。

    日本の法制度が根源的にかかえる諸問題にもさらっと触れた著作でした。

    自身のブログを整理しながら書かれたという点に興味を持ちました(笑)。

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    2010年05月10日
  • こんな日弁連に誰がした?

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    法曹一元を突っ張りすぎて、2000人時代を迎えたために、優秀うな人材が流出し始めており、もう組織としては回復不能、没落確定だそうです。
    でも、PもJも同じ人材源から採用なので、法律家業界全部の人材劣化がそのまま放置されることはありえないでしょうね。

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    2019年05月21日
  • こんな日弁連に誰がした?

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    日弁連のアンオフィシャル史。基本的に会員である著者が体験した話がもとだが、事実認定にやや乱暴な推論が散見される。

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    2015年06月28日
  • こんな日弁連に誰がした?

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    結局、当時の弁護士は何を思っていたんだろう? というのが感想。
    それを紐解くキーワードが「法曹一元」という熱病、に収斂されてしまっていて、そこはなんだか消化不良。

    読み物としては悪くない。
    ロースクール制度が緩やかに崩壊しつつある現状を反映した改訂版が読みたい。

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    2011年09月19日
  • こんな日弁連に誰がした?

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    法曹人口増員したのに仕事は全く増えず、ロースクール出ても合格するのはほんのわずか。そんな凸凹な法曹界の戦後史を追ったもの。
    日弁連は悲願だった法曹一元と引き換えに司法試験合格者3000人増と法科大学院設立案を飲んだ。しかし、その実は法曹一元など実現されず、日弁連の敗北に終わった・・・という骨子。
    読んでいると、司法改革の中で当事者意識の低さと意思決定の遅さが目に付く。今弁護士を目指されている方は日弁連という組織の中身を知っているのだろうか?知らないならこの本を先に読んでいた方が良い。多分失望する。だがこの組織、司法の歴史は知っておいた方がいいのではないか。
    日ごろ、立法行政だけでなく司法にも目

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    2011年02月18日
  • こんな日弁連に誰がした?

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    批判はあるんだろうけど,私には読み応えあったし考えさせられた。難しいけど,日々の仕事にかまけてるだけじゃあかんと思わされ。

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    2010年11月10日