東京と沖縄にルーツを持ち,普段は意識することもなく「東京アイデンティティ」で生活しているのに,何かのきっかけで強烈に「ルキオススピリット」が呼び覚まされる事を子供の頃から自覚していて,それは年々強くなるのだ.
そんな現在の自分にとってこの本は嬉しくもあり,半分ルーツの自分にもとても出来ない丁寧な仕事
...続きを読むで,しかもそれを書いたのがあの「島唄」の宮沢和史だったりして,中々に複雑な気持ちなのだ.
確かに「島唄」は発表当時,沖縄にルーツを持つ人の心をいろんな意味でいろんな方向から激しく揺さぶった.半分しかルーツのない僕は,何となくこそばゆい感じと,良くわからない違和感と,嫉妬にも似た羨望を感じ,100%沖縄ルーツの父がむしろ無批判に大歓迎で毎日のように口ずさんでいた逆転現象を今でも思い出してしまう.
「沖縄の人は良くも悪くも何でも受け入れ,自分のものとして消化していく.良くも悪くも,それが沖縄を作って来た.沖縄ではナイチャー文化もアメリカー文化も,全部スタイルになっていく.怒りや怨みも全部,全て含めて飲み込んでいくのが沖縄の文化」と言う父の言葉を,今改めて噛み締めながら読んだ一冊は,ずーっとジワリと涙腺が潤いっぱなしの幸せな時間だった.
この本をまとめてくれてありがとう,今は感謝の気持ちでいっぱいです.