体調が悪いとき、「こんなプレッシャーになる仕事など辞めてしまえばラクになる」とずっと思ってきた。辞められればどんなに快適なんだろう。そうすれば完全に治るはず。と。でも、この本では、「仕事を完全に辞めてしまうと、もうがんばる必要がない。すると、どんどん悪い方へ向かってしまう」と書く。やれる範囲で仕事を
...続きを読むこなすと、それがまた自信となって、次につながるというのは、考えたことがなかったので新鮮だった。
あえて不安に駆られる状況に身を置いてみる、そして、不安になるという自己暗示を解く。
また、「いやいやながらもやってみる」というのにも、はっとした。いやいやながらなら、いっそやらなければいいと思っていたから。愚痴を言いながらでも、少しずつ前進していけばいいと言っていて、心に落ちた。
著者がお医者さんに「生きている限り不安は続く」と言われて絶望する場面がある。自分が言われたら、奈落の底の気分になると思う。著者も一度はそう思ったようだが、最後にこう書く。
「生きている限り、どんな人も不安を抱えて生きているんだよ」と言いたかったのではないかと。
つらいとき、自分だけがつらい、苦しいと思ってしまいがち。だけど、桜の木の下で陽気にお花見している人も、電車で静かに外を見つめるひとにも、それぞれ不安はある。「生きてるんだから、あたりまえ」と思って生きる。