作品一覧

  • 台湾のアイデンティティ 「中国」との相克の戦後史
    3.7
    1巻1,200円 (税込)
    台湾はいかにして台湾になったのか? 台湾海峡をめぐる緊張がにわかに高まっているが、台湾と中国の関係は、「敵か味方か」といった単純な構図で理解できるものではない。台湾から見た中国との「距離感」は歴史の中で時代によって大きく揺れてきた。 他方で、コロナ禍におけるデジタル担当のオードリー・タンの活躍や蔡英文大統領下での同性婚の合法化など、国際的にも存在感を発揮する台湾。こうした台湾の独自性、「台湾人」としてのアイデンティティはいかにして育まれたのか? そして複雑に錯綜した国内外の対立関係をいかに乗り越えようとしているのか? 第二次世界大戦後の国民党政権による一党支配体制、そのもとで繰り広げられた反体制運動と政府当局による弾圧――民主化以前の台湾をめぐる政治的争点を紐解きながら、冷戦期の国際情勢の変化を読み込みながら、「反中/親中」あるいは「反日/親日」という二項対立では理解できない台湾社会の複雑さに迫る。そして、台湾の成り立ちに欠かせない日本、アメリカ、中国との関係をも、「人」を起点にふんだんに描き出す。 数々の歴史的なねじれ目をほどきながら理解の深まる、スリリングな台湾現代史。 ――――――――― 以下、目次 第1章 多様性を尊重する台湾 第2章 一党支配化の政治的抑圧 第3章 人権問題の争点化 第4章 大陸中国との交流拡大と民主化 第5章 アイデンティティをめぐる摩擦
  • 中国パンダ外交史
    3.8
    1巻1,705円 (税込)
    ちょうど50年前の1972年10月、日中友好の証として、上野動物園に2頭のパンダがやってきた。しかし、中国がパンダの外交的価値に気づいたのは、1930年代にさかのぼる。戦争と革命、経済成長の激動の歴史のなかで、パンダはいかに世界を魅了し、政治利用されてきたか。パンダを主人公にこの100年あまりを読み直す、異色の中国近代外交史。 19世紀の半ば、パンダはあるフランス人宣教師によって「発見」され、世界に紹介された。欧米人探検家が初めてパンダを射止めたのは1929年。日中戦争下の1941年には、蒋介石の妻・宋美齢が懐柔策としてアメリカにパンダを贈る。1949年に成立した中国共産党政権も、この珍獣の価値を見逃さなかった。人民の愛国思想を育むために北京動物園で展示を始めたほか、モスクワや北朝鮮に贈呈され、ロンドンでも大歓迎される。 日本でのパンダブームは、1972年のランラン・カンカンの来日以前に始まっていた。1970年創刊の『anan』ですでにマスコットとなり、1971年10月にはロンドン動物園でパンダと対面した昭和天皇が満面の笑顔をみせるさまが報道された。 中国はその後も、国際政治、地球環境などさまざまな問題と絡ませながら、近代国家の自己像をパンダを通して国際社会にアピールし、近年では、一帯一路構想下でのパンダの送り先や、二度の北京五輪で採用されたパンダのキャラクターなど、その利用はますます巧みになっている。 2011年刊の『パンダ外交』(メディアファクトリー新書)を全面改訂し、新章を加筆。 目次 はじめに 第一章 パンダ、世界に発見される 第二章 パンダ、他国に贈られる 第三章 パンダ、冷戦に巻き込まれる 第四章 パンダ、日本にやってくる 第五章 パンダ、外貨を稼ぐ 第六章 パンダ、大国を代表する おわりに 主要参考資料 索引
  • 中国パンダ外交史

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    題材がが面白い。もちろん中身も面白かった。
    パンダはコピー(=繁殖)すら中国に所有権のあるバクリができない最強のソフトパワーということ。

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    2022年11月20日
  • 台湾のアイデンティティ 「中国」との相克の戦後史

    Posted by ブクログ

    中国との「距離感」によって時代ごとに大きく揺れ動いてきた「台湾のアイデンティティ」の来歴を解きほぐす。
    バランスの取れた筆致で、台湾の人々のアイデンティティの模索をめぐる複雑な歴史的背景について理解が深まった。特に、国民党一党支配下の政治的抑圧、人権侵害については、これまであまり知らなかったことであり、その苛烈さに驚愕した。また、入管行政における台湾出身者の強制送還といった形で、日本もその人権侵害に加担していた側面があったということも衝撃だった。
    個人的に、台湾には何度も訪れたことがあり、親近感を持っているが、単に台湾の人々は親日的と捉えるのではなく、このような複雑な台湾の歴史的背景も理解し、

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    2024年08月17日
  • 台湾のアイデンティティ 「中国」との相克の戦後史

    Posted by ブクログ

    台湾の政治史簡潔に記されてる。
    その歴史的な背景から生じる台湾の国民の複雑な思いが理解できる。中国の抑圧的施策が、却って台湾の拒否反応を起こしている事が皮肉だ。

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    2024年06月14日
  • 中国パンダ外交史

    Posted by ブクログ

    カワイイと人気のある動物にパンダがいる。




    中国はパンダを外交にうまく利用している。




    パンダを「発見」したのは19世紀半ばだった。




    1869年3月にフランスの宣教師、ダヴィッド神父が動物収集に訪れた際、見つけた。




    その後、パンダに対する欧米の関心が高まっていったが、肝心の中国は関心がなかったようだ。




    それが変わったのは、蔣介石率いる中国国民党政権がパンダの重要性に気づいてからだ。




    1939年1月にシカゴに渡ったパンダ「メイライ」を最後に、自由に外国に持ち出せなくなった。




    日本との戦争で、中国政府はパンダを最大限利用して、米国民の中国寄りにす

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    2023年01月06日
  • 台湾のアイデンティティ 「中国」との相克の戦後史

    Posted by ブクログ

    色んな国、政治に翻弄されて来た台湾。
    つか、自分たちも翻弄して来た方だと言う一面もあるが。
    いわゆる原住の人達の表情が全く見えて来んしな。
    先の大戦から、内戦がまだ落ち着き切っていない「国」。
    大日本帝国と直接戦った国民党が、そのまま残っとるんやから。
    世界で1、2を争う巨大ジャイアン国を目の前にしながら強かに生き延びているのも事実で、まさに自分たちは何かどこに向かうのかをギリギリ考えながら、切り開いていかなければいけない状況にある。

    常に最前線。

    その気概が透けて見える。

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    2024年06月04日

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