質屋兼カフェに持ち込まれる質草にまつわる「サイン」のお話
通りの奥まったところにあって看板がなければ見つけにくいにもかかわらず、看板の表記も目立たない質屋の「六文屋」
片倉十士は質入れ品に隠された微かなメッセージ「サイン」を発見するのが趣味な変わった店主
併設のカフェ店員ミカちゃんに振り回されなが
...続きを読むらもお客の謎を探る変わった質屋のエピソード
・前向き駐車の必要がなさそうなのに「前向きに駐車してください」の張り紙がある駐車場
・彼氏からのズレたプレゼント
・亡き妻が好んで着ていた黄色い浴衣
・一圓銀貨
謎がちょっと強引かな
意図したメッセージだとしたら本人だけで解けるようなものじゃないと意味がないし
意図せずに謎になったものに関しても関係者に聞けばすぐにわかるようなものだったし
なにより推理のヒントの伏線がないので読者も参加できなそうな微妙なライン
キャラクターにしても、占いを気にする割に、その対象が朝の情報番組の占いだとかしょぼいし
サインへのこだわりのきっかけも後に説明されているけど、それすらも強引な解釈だし
各種ネーミングも戦国ものに関係があるようなないような感じで明かされず
ミカちゃんとの関係にしても「その設定いるか?」と疑問を抱かずにはいられない
カバーにが思わせぶりに作品の中にサインが隠されているように書かれてあるが、何がサインなのかはわからなかった
僕が気づいていないだけなのか、それとも普通に思ったけどそれをサインだと気づいていないだけなのか判断がつかない
キャラクター設定で明かされていない特徴がまだあるし、二人の掛け合いやお店の今後など続編がありそうな雰囲気で終わっている
個人的には続編があったとしてもそこまで読もうとは思わないかな
キャラクター設定や、謎の強引さや、最後の話の非現実的な設定や展開は小説よりも深夜ドラマ向きなんじゃなかろうか?とも思う
あと、クラーク像、藻岩山みたいに札幌の観光スポットが出てくるので、そっち系に面白さを感じる人にとっては良いかもしれない