加山竜司の作品一覧
「加山竜司」の「「推し」という病」「三國志12 マニアックス」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「加山竜司」の「「推し」という病」「三國志12 マニアックス」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
10年ほど前からだろうか、「推し」や「推し活」という言葉をよく聞くようになった。むかしから考えれば、ツウ、ファン、支持、オタク・ヲタ、萌え、などと文化や時代背景に伴って、「推し」に変化してきたように思う。マスメディアの印象操作なのか「推し」と聞くと、趣味として応援しているイメージであるが、著者が丹念に取材した当事者の声を聞くと、様相が一転する。
アイドル、ホスト、2次元・2.5次元アニメなどの「推し」の沼にはまり、毎月10万円の費用を惜しまず投資、または消費し、全ステージ遠征や聖地巡礼、気がつけば数十年の月日が経過し、トータルで1千万円以上を費やした男女のインタビューから見えて来たものとはなにか。承認欲求、見栄っ張り、スタッフ以上に最前列で会場を整理し、参加者のコミュニティを作り上げる。しかも、後悔さえもない。普通に働く男性の中にはマンションを手放し、女性は風俗で鬼出勤と出稼ぎをしてまで、「推し」に入れ込む。見方を変えれば、消費者の時間と金を吸い上げるビジネスモデルが確立した搾取の構図であり、焼畑農業的でもある。行き着く先に待ち構えるのは、身を滅ぼすほどの依存である。「『推し』という病」を克服するためにも、「無自覚な浪費」から脱却した時こそ、本来の「推し」のかたちに取り戻すことができるかもしれない。自己責任論による、「今だけ、金だけ、自分だけ」が蔓延る利己的な社会において、利他的な面も有する「推し」はベクトルの向きが変われば社会を良き方向に向かわせる力になるかもしれない。身の程をわきまえた、「推し活」を楽しむ冷静さを身につけたい。
Posted by ブクログ
最近、といっても結構前からだが、「~推し」という表現をやたらと目にするようになった。近頃は「ファン」ではなく「推し」というのだな、くらいに考えていたのだが、そんな単純なことではないと、この本を読んでよくわかった。やはり、新しい言葉が流行するのは、既存の言葉では表せない何かが生まれ、進行しているからなのだろう。
本書は有名なアイドル、地下アイドル、AVアイドル、ホスト、架空のキャラクター、声優を、ほとんど身を持ち崩してまで「推す」人たちへのインタビューとそれに対しての著者の考察で構成されている。「推す」人々は高校生から還暦が近い人まで様々だが、彼ら、彼女らは、膨大な時間と何千万円という金を消費しながら、自分の行動を後悔していない。傍から見れば非常識極まりないこうした行動に耽溺する人々を著者は特別視せず、常に敬意をもって冷静に接している。だからこそ、彼ら、彼女ら特別ではなく、誰にでもそうなる素地、可能性があることが伝わってくる。
「推し」という現象についての著者の考えは、本のタイトル「病」、終章の「処方箋」という言葉からうかがえるだろう。まさに、「はまる」よりも、「沼る」がふさわしい。本書を読んでほしいので詳しい考察には触れないが、人間とはつくづく淋しい生き物だと、あらためて思う。岸田秀の「人間は本能の壊れた動物」という言葉が何度も頭をよぎった。
本書に登場する地下アイドルの歌と踊りをyoutubeで見てみた。率直に言う。申しわけないが笑いそうになった。稚拙だったからだ。どうしてこの人たちに、自らが生活苦に陥るほどの金を投じるのか、この本を読むまでは全く理解できなかっただろう。でも今はわかる気がする。彼女たちを「推す」のは、おそらく、彼女たちがまさに稚拙だからだ。この本のおかげで、その後に読んだ「推し、燃ゆ」(宇佐美りん)」、「渇愛 頂き女子りりちゃん(「宇都宮直子」)がより深く理解できた気がする。こちらも一読を勧める。