「推し」という病

「推し」という病

小説・文芸
1,300円 (税込)

6pt

地下アイドル、ホスト、アニメ…暴走する「推し活」

なぜ彼らは苦しくても「推し」続けるのか
AKB、ホスト、VTuber、アニメキャラ、ゲーム、地下アイドル、AV女優、ビジュアル系バンド…

当事者への取材を重ねた「推し活」の現在地

「推し」という言葉は、「好きなものを応援する」ポジティブな言葉として使われることが多い。
だが、アニメグッズを購入したり、アイドルのコンサートに参加したりすることだけでなく、たとえば地下アイドルライブでのチェキの大量購入、ホストクラブやメンズ・コンセプトカフェでの過激な売り掛けなどを表す際にもこの言葉は使われている。
少なくとも、言葉のうえでは、学生のささやかな「推し」と、身を滅ぼすほどの出費をともなう「推し」は地続きだ。

「高田馬場ライバー刺殺事件」をはじめ、「推し」を端緒とした刑事事件も発生している。その精神性の根が同じであるならば、私たちは「推し」とは何かを慎重に見極める必要がある。
実際に「推し」によって人生を大きく変える選択をした人々の言葉に耳を傾けることで、「推し」の何が人々を病的なまでにエスカレートさせていくのかを探る。

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「推し」という病 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ルポルタージュとして興味深いエピソードを渉猟しながら、社会学でいう質的調査に近い実践的な探求になっているように思う。それぞれの多様なナラティブから、終章における一つの着地点に至る流れは、こういったものの中でも読後感として優れていた。

    0
    2026年03月28日

    Posted by ブクログ

     10年ほど前からだろうか、「推し」や「推し活」という言葉をよく聞くようになった。むかしから考えれば、ツウ、ファン、支持、オタク・ヲタ、萌え、などと文化や時代背景に伴って、「推し」に変化してきたように思う。マスメディアの印象操作なのか「推し」と聞くと、趣味として応援しているイメージであるが、著者が丹念に取材した当事者の声を聞くと、様相が一転する。
     アイドル、ホスト、2次元・2.5次元アニメなどの「推し」の沼にはまり、毎月10万円の費用を惜しまず投資、または消費し、全ステージ遠征や聖地巡礼、気がつけば数十年の月日が経過し、トータルで1千万円以上を費やした男女のインタビューから見えて来たものとはなにか。承認欲求、見栄っ張り、スタッフ以上に最前列で会場を整理し、参加者のコミュニティを作り上げる。しかも、後悔さえもない。普通に働く男性の中にはマンションを手放し、女性は風俗で鬼出勤と出稼ぎをしてまで、「推し」に入れ込む。見方を変えれば、消費者の時間と金を吸い上げるビジネスモデルが確立した搾取の構図であり、焼畑農業的でもある。行き着く先に待ち構えるのは、身を滅ぼすほどの依存である。「『推し』という病」を克服するためにも、「無自覚な浪費」から脱却した時こそ、本来の「推し」のかたちに取り戻すことができるかもしれない。自己責任論による、「今だけ、金だけ、自分だけ」が蔓延る利己的な社会において、利他的な面も有する「推し」はベクトルの向きが変われば社会を良き方向に向かわせる力になるかもしれない。身の程をわきまえた、「推し活」を楽しむ冷静さを身につけたい。

    0
    2026年03月17日

    Posted by ブクログ

     最近、といっても結構前からだが、「~推し」という表現をやたらと目にするようになった。近頃は「ファン」ではなく「推し」というのだな、くらいに考えていたのだが、そんな単純なことではないと、この本を読んでよくわかった。やはり、新しい言葉が流行するのは、既存の言葉では表せない何かが生まれ、進行しているからなのだろう。
     本書は有名なアイドル、地下アイドル、AVアイドル、ホスト、架空のキャラクター、声優を、ほとんど身を持ち崩してまで「推す」人たちへのインタビューとそれに対しての著者の考察で構成されている。「推す」人々は高校生から還暦が近い人まで様々だが、彼ら、彼女らは、膨大な時間と何千万円という金を消費しながら、自分の行動を後悔していない。傍から見れば非常識極まりないこうした行動に耽溺する人々を著者は特別視せず、常に敬意をもって冷静に接している。だからこそ、彼ら、彼女ら特別ではなく、誰にでもそうなる素地、可能性があることが伝わってくる。
     「推し」という現象についての著者の考えは、本のタイトル「病」、終章の「処方箋」という言葉からうかがえるだろう。まさに、「はまる」よりも、「沼る」がふさわしい。本書を読んでほしいので詳しい考察には触れないが、人間とはつくづく淋しい生き物だと、あらためて思う。岸田秀の「人間は本能の壊れた動物」という言葉が何度も頭をよぎった。
    本書に登場する地下アイドルの歌と踊りをyoutubeで見てみた。率直に言う。申しわけないが笑いそうになった。稚拙だったからだ。どうしてこの人たちに、自らが生活苦に陥るほどの金を投じるのか、この本を読むまでは全く理解できなかっただろう。でも今はわかる気がする。彼女たちを「推す」のは、おそらく、彼女たちがまさに稚拙だからだ。この本のおかげで、その後に読んだ「推し、燃ゆ」(宇佐美りん)」、「渇愛 頂き女子りりちゃん(「宇都宮直子」)がより深く理解できた気がする。こちらも一読を勧める。

    0
    2026年03月01日

    Posted by ブクログ

    とてもおもしろかったです。

    様々な推し活、推し活の業態を知ることができました。

    推し活の光景を一般の友人に見せるとよく「宗教じゃん」と嘲笑されますが、推し活はまさしく宗教のようなものであることがよく理解できました。

    0
    2026年02月07日

    Posted by ブクログ

    アイドルの結婚でなんでこんなに炎上するのか理解ができず、その手がかりになるかと呼んでみた。アイドル、地下アイドル、2次元、声優、ホスト…いろいろな対象に対して、年齢、性別、職業も様々な人へのインタビューをまとめると言う形式。共通点もあるが、違う面もあり、想像よりかなり多額を使っている。これなら推しの結婚に対して怒りが湧くのも致し方なしか。
    しっかり分析もされていて、読みやすい、良い本だと思う。

    0
    2026年08月16日

    Posted by ブクログ

    地下アイドルからホスト、VTuberに至るまで、現代における様々な「推し活」を当事者のインタビューから掘り下げた1冊。ある意味でジャンル横断的であり、馴染みの薄い文化について、界隈の用語や慣習も交えつつ、「なぜ推すのか」を分析していく語り口は参考になる。現代文化の生声に触れる上で、手堅くまとまった入門書。

    0
    2026年06月15日

    Posted by ブクログ

    私自身「推し活」を楽しんでいるので読んでみた。
    内容は、世間一般でイメージされるライトな推し活よりもかなりディープな推し活を行っている方々へのインタビュー。(推しに1000万以上使う方など)
    もともと「密着モノ」などの番組が好きなので面白く読めた。

    0
    2026年06月01日

    Posted by ブクログ

    今年の本屋大賞のテーマとも共通していてタイムリーだと感じた。
    神なき世界の宗教ってのは本当にしっくりくる言葉。

    0
    2026年04月23日

    Posted by ブクログ

    なんとなく読み始めたが、推しと一言で言っても様々な形があるなと思った。作者の方が丁寧な取材で細かく分析をされている。
    確かに宗教と近い部分があるなとは途中から感じていたが、最後にその点について明快に整理をしてくれている。

    0
    2026年03月25日

    Posted by ブクログ

    推し=神。宗教との類似性の指摘は確かにそうかと思った。不変性はなくとも、自己肯定の拠り所として信者たちになくてはならないものになっている。筆者は客観視の言語化がとてもうまい。腹落ちしながらあっいうまに読めた

    0
    2026年03月15日

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