池田久輝の作品一覧
「池田久輝」の「枯野光」「警官は吠えない」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「池田久輝」の「枯野光」「警官は吠えない」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
池田久輝『虹の向こう』双葉文庫。
ミステリー短編集。『虹』『影』『空』『スターティング・オーバー』の4編を収録。
小さな事件を通じて、事件に関係する人びとの背後にある思いも寄らぬ事情を炙り出すというようなストーリーの短編が並ぶ。メインとして描かれる事件には実はミステリー性は無く、事件を調査する側にミステリー性があるという読者を煙に巻くような仕掛けの短編である。さして驚くような結末ではないが、気持ちよく騙されたという感じがする。そして、この感じは『傍聞き』に代表される長岡弘樹の短編にも似ている。
『虹』。友人の会社社長に頼まれて、社長の元彼女の行動を調べる主人公。意外な展開を見せるハードボ
Posted by ブクログ
池田久輝『警官は吠えない』小学館文庫。
元刑事の村瀬を主人公にしたハードボイルド。
まずは主人公の村瀬が警察を辞めた理由に興味が湧き、どんなトラブルに巻き込まれるのかというのが2つ目の興味となる。と、ここまでなら★★★★なのだが……
途中から話が拗れ、暴力団が京都の老舗菓子店と葬儀会社、寺と手を組んで悪事を行っていたという思わず失笑してしまうような展開が描かれる。そして、終盤のやたらと事件の真相の説明に終始する展開に少しうんざりしてしまう。池田久輝の作品は何作か読んでいるが、いつもこんな感じで、またかと思った。
2年前に警察を辞め、ラブラドール・レトリバーのナインと山小屋で暮らす村瀬
Posted by ブクログ
池田久輝『晩夏光』ハルキ文庫。
第5回角川春樹小説賞受賞作。しかも全選考委員満場一致と鳴り物入りの受賞作で、香港を舞台にしたハードボイルド。雰囲気はそれなりにあるのだが、香港の闇社会を箱庭程度にしか見せてくれないスケールの小ささと思い切りの無いストーリー、描写に於ける強弱の甘さが作品全体を駄目にしているように思う。
香港で観光客の盗品を回収し、持ち主から手数料を得るグループで『足』の役割を勤める新田悟は仲間の殺害事件をきっかけに香港闇社会の深淵に足を踏み入れていく。
大体、観光客を標的にしたスリと盗品を扱う露店、盗品回収が香港闇社会というのが何ともみみっちい。事件の根幹も驚くほどでもない