【感想・ネタバレ】虹の向こうのレビュー

あらすじ

刑事からある女性のあとを尾けるよういわれた俺。仕方なく引き受け、その女性の日常をたどることになったが、その女性が向かったのは警察署だった……。日本推理作家協会賞の候補作「影」を含む短編4編を収録。高い文章力と巧みな構成力で一気に読ませるミステリー作品集。事件の裏のまたその奥にある真相とは。

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Posted by ブクログ

池田久輝『虹の向こう』双葉文庫。

ミステリー短編集。『虹』『影』『空』『スターティング・オーバー』の4編を収録。

小さな事件を通じて、事件に関係する人びとの背後にある思いも寄らぬ事情を炙り出すというようなストーリーの短編が並ぶ。メインとして描かれる事件には実はミステリー性は無く、事件を調査する側にミステリー性があるという読者を煙に巻くような仕掛けの短編である。さして驚くような結末ではないが、気持ちよく騙されたという感じがする。そして、この感じは『傍聞き』に代表される長岡弘樹の短編にも似ている。

『虹』。友人の会社社長に頼まれて、社長の元彼女の行動を調べる主人公。意外な展開を見せるハードボイルド・タッチの小粋な短編。

『影』。日本推理作家協会賞候補作。主人公の情報屋が刑事から受けた依頼は、病院の受付の女性を尾行することだった。毎日変わらぬ行動を続ける女性に何があったのか。

『空』。高校球児の最後の夏。強豪ひしめく大阪府の大会でベスト16で散った公立高校。弱小の公立高校がベスト16まで勝ち上がれたのは……全てが終わってから気付いても後の祭なのだが、人生はまだまだ長い。

『スターティング・オーバー』。退職した元刑事の先輩から人探しを頼まれた現役刑事が主人公。色々と面倒な先輩だなぁ。

本体価格680円
★★★★

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2020年10月23日

Posted by ブクログ

人の真相は到底分からない。そういった印象を抱く小説だった。現実で起きていることと、物事を起こしている他人。そのすれ違いが面白かったり、悩みだったりする。
すれ違いの連鎖が人生で、人を生かしも殺しもしているのだろう。

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2025年04月13日

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