早川孝太郎の作品一覧
「早川孝太郎」の「猪・鹿・狸」「花祭」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「早川孝太郎」の「猪・鹿・狸」「花祭」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
(01)
山里で接する大型の哺乳類であるイノシシ,シカ,タヌキが取り上げられ,こうした動物という媒介者によって攪乱され,混じり合ってきた人間と自然の様子が,詩情も添えられながら描かれている.鶏を含む鳥についてのトピックも付録として収録されており,このような小さな動物を捕獲しながらも観察を続けてきた山里の人々が残した記録も読む者にとっては愛おしい.
イノシシもシカも害獣ではあるが,動物は何も語らないため,神秘が付与され,敬愛も受けている.動物にも繁殖があり,それは人々の収穫にただ害をもたらすものであれば,繁殖を断つべく動物たちを絶滅に追い込まなければならないはずである(*02).しかしながら,被
Posted by ブクログ
民俗学者早川孝太郎による、長野県天龍川沿いの村々に行われている奇祭「花祭り」に関する研究書。ただし、本書は1930年に岡書院から刊行された上下二巻になる同名書籍の抄録である。しかし抄録とはいえ読み応えのあるもので、素人が囓るにはこれで十分だろう。
「花祭り」とはいえ別名霜月神楽といい、11月から12月の夕刻から翌朝にかけて、夜を徹して行われるのである。祭りの構成は複雑で、種々の神事と舞とが連続して執り行われ、しかも各所に相違があって概要を述べるだけでもかなりな労力を要する。
しかし、本書の特徴はこうした複雑な祭祀のあれこれを叙事的に記述するだけでなく、ところどころ叙情的で文学的で、格調高