早川孝太郎の作品一覧

「早川孝太郎」の「猪・鹿・狸」「花祭」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 猪・鹿・狸
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    僕は実際近頃にこのくらい愉快に読んだ本はなかった――芥川龍之介(東京日日新聞) 九十貫を超える巨猪を撃った狩人の話。仕留めた親鹿をかつぐ後から子鹿がついてきた話。村で起きる怪しい出来事はいつも狸の仕業とされた話……。奥三河・横山で見聞、古老から聴き溜めた猪・鹿・狸の逸話が縦横に語られる。芥川龍之介・島崎藤村も絶賛した文学性の高い文章は、伝説や昔話も織り交ぜて独自の伝承世界を形づくっている。暮らしの表情を鮮やかにすくい取る感性と直観力から生まれた、民俗学の古典的名著。
  • 花祭
    -
    「花(花祭)に入らずば、日本の伝統芸能は語れない」といわれる奥三河の神事芸能・花祭。悪霊を払い、神人和合や五穀豊穣・無病息災のため鎌倉時代末に始まったとされる、太陽の力の復活を願い、冬至の前後に行われる霜月神楽である。花宿の清めに始まり、稚児の舞・鬼の舞、翁などの神々の祝福、湯ばやし、神返し……滋味深い挿絵と平易な文章で花祭のすべてを伝える、柳田国男・折口信夫にも衝撃を与えた民俗芸能の代表的古典。
  • 花祭
    3.0
    修験者たちによって天龍川水系に伝えられ、中世に始まるとされる民俗芸能「花祭」。湯を沸かし神々に献じ、すべてを祓い清める冬の神事に、人々は夜を徹して舞い続け、神と人と鬼とが一体となる。信仰・芸能・生活・自然に根ざした祈りを今に伝える奥三河地方の神事を昭和初頭、精緻に調査し、柳田や折口にも影響を与えた、日本民俗学の古典的名著。(講談社学術文庫)

ユーザーレビュー

  • 猪・鹿・狸

    Posted by ブクログ

    (01)
    山里で接する大型の哺乳類であるイノシシ,シカ,タヌキが取り上げられ,こうした動物という媒介者によって攪乱され,混じり合ってきた人間と自然の様子が,詩情も添えられながら描かれている.鶏を含む鳥についてのトピックも付録として収録されており,このような小さな動物を捕獲しながらも観察を続けてきた山里の人々が残した記録も読む者にとっては愛おしい.
    イノシシもシカも害獣ではあるが,動物は何も語らないため,神秘が付与され,敬愛も受けている.動物にも繁殖があり,それは人々の収穫にただ害をもたらすものであれば,繁殖を断つべく動物たちを絶滅に追い込まなければならないはずである(*02).しかしながら,被

    0
    2019年01月10日
  • 花祭

    Posted by ブクログ

     民俗学者早川孝太郎による、長野県天龍川沿いの村々に行われている奇祭「花祭り」に関する研究書。ただし、本書は1930年に岡書院から刊行された上下二巻になる同名書籍の抄録である。しかし抄録とはいえ読み応えのあるもので、素人が囓るにはこれで十分だろう。
     「花祭り」とはいえ別名霜月神楽といい、11月から12月の夕刻から翌朝にかけて、夜を徹して行われるのである。祭りの構成は複雑で、種々の神事と舞とが連続して執り行われ、しかも各所に相違があって概要を述べるだけでもかなりな労力を要する。
     しかし、本書の特徴はこうした複雑な祭祀のあれこれを叙事的に記述するだけでなく、ところどころ叙情的で文学的で、格調高

    0
    2011年04月03日

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