相川俊英の作品一覧
「相川俊英」の「奇跡の村 地方は「人」で再生する」「生活保護 3.7兆円が日本を蝕む(週刊ダイヤモンド特集BOOKS Vol.323)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
自治体消滅という衝撃的な本が出た後、そうではないですよ、きちんと自立している奇跡の村がありますよ、という本である。
著者は、地方自治の取材で全国各地を歩くようになって20年のベテランだ。
今回、三つの事例を紹介してくれている。
あとがきで書いているが、地方創生を導くキーワードは「ひと」「地域」「つながり」「循環」「自給」「共存」「多様性」「楽しむ」といったところではないかとおっしゃる。
都会からの上から目線、特に、ひも付きのお金をいくら霞が関が示しても、今回紹介された下條村のカリスマ村長伊藤喜平氏のような方にかかったら、国も赤っ恥を掻くだけだ(笑)。
ましてや、この村長さんは、国政選挙前に国がばらまく、ひも付きでないお金をうまく利用してしまっている(最高)。
そんな、うまい話をうまくゲットできる事務処理能力、スピード感。
結局、合理的な考え方を持ったリーダーが、組織の意識改革、スキルアップをきちんとしておれば、いいのである。
そして、地域の人も、自立する村づくりのすばらしいパートナーとなってしまっているのである。
他の二つの事例も感動いたしました(笑)。
Posted by ブクログ
少子高齢化と人口減少により「地方消滅」が叫ばれて久しい。
そんな中、長野県下條村は、全国の自治体関係者から「奇跡の村」と呼ばれている。
少子化対策に目覚ましい成果をあげてきたからだ。
その秘密はどこにあるのか?
この下條村を中心に、独自の移住促進策で、「消滅論」に抗う各地の山村を取材。
この先の社会に光を点す、希望のルポルタージュ。(2015年刊)
・はじめに
・第一章 奇跡の村「下條村」
・第二章 消滅可能性ナンバーワン?「南牧村」を訪ねて
・第三章 人をつなげる役場職員「旧・藤野町」
・おわりに
全体的に、さほど深い分析があるわけでもなく、ありがちなルポルタージュと言っては失礼だろうか。それでも、手に取ったのは、次の記述が面白かったからである。
下条村の例であるが、公務員が民間で研修(職場体験)するというのは、ある種の流行であるが、村長目線の「外の世界を体験したことで、意識は大きく変わり、やる気になった」という言葉と、職員の「そもそも役場の仕事ではないので、研修で意識改革がされたという感じではありません」という感想の対比が面白かった。
国の補助制度をうまく活用することを、したたかと評価しているが、これは、
地方公務員としては至極当然のことであろう。問題は、自治体によって、主体的計画的に利用している場合と、行き当たりばったりの場合があるということなのだろう。
地方が再生するために必要なことは、
人を得ることが出来るかどうかなのだろう。本書の、下條村は、村長に人を得られ、南牧村は、協議会に人を得られ、藤野町は、役場職員に人を得られた。
創業は易く守成は難しと言われるが、当初と変わらぬ情熱を持って、取り組むことの難しさを感じる。人材を絶えず供給できるのか、継続して取り組むことができるのかは、小さい組織の課題であろう。
読むのにさほど時間はかからないので、全国の中には、このような自治体があるのかと知り、刺激を受けるには、お手軽な本と言える。
Posted by ブクログ
まず、まえがきで、国の役人による失敗だらけの過疎対策の焼き直しであるアベノミクスでは地方再生はできないと著者は言い切っている。
そして、第1章 お任せ民主主義「タリキノミクス」が日本をダメにした で、そのメカニズムをきちんと説明している。
自治体は「分譲マンション」の統治しステてムと比較して、論じるところが解りやすくて面白い説得の仕方だ。
第2章 納税者が知るべき「自律度」ランキング ということで、独自に全市町村をランキングしている。「財政自律度」「住民1人当たりの借金残高」「税の納付立」「自治体選挙における投票率」
第3章は後悔先に立たず「タリキノミクス」の落とし穴である。
そのなかのひとつで、「橋下ポピュリズム論」の誤解【「放蕩型」タリキノミクス】大阪市 ということで、・大阪市民の厚遇とハコモノ充実度、・教育環境の劣悪化で学力・体力低迷、・溜まった既得権の洗い直し、という項目をたて、ステレオタイプ化した橋下批判の誤解を解く説明をいていた。
そして第4章で実録「ジリキノミクス」で実現した豊かな暮らし ということで、著者の真骨頂、四半世紀に亘って地方を歩き回った実績が、地元目線で、きちんと分析された事柄が紹介されている。
続いて、第5章「ローカル・アベノミクス」に騙されるな、第6章地方再生の特効薬とは何か で、すばらしい地道な実践が紹介されている。
最後にあとがきで「地域主権」と「住民自治への道 ということで、大量生産大量消費型の資本主義から、小ロットで多品種な自律的な社会経済システムへの地道な移行の重要性を示し筆をおいておられます。
本のなかで紹介のあった「島根県中山間地域研究センター」が出版した「地域づくり虎の巻」を読みたいのと、「地元の作り直し」がもっともっと普及することを祈っております。