作品一覧

  • 現代中国の精神史的考察:繁栄のなかの危機
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    1巻2,970円 (税込)
    新全体主義の時代経験 世の中が地滑り的に変化していくなかでは、何が起きているのか正確につかむことは難しい。この20年間の中国がまさにそうだった。 社会主義市場経済による輝かしい経済成長と習近平を頂点とする党=国家体制の再建、そして中国の再興――。過ぎ去ってみると、自明にみえる展開は一齣一齣つぶさにみていくと、まったく違ってみえてくる。 本書で触れる重慶での政治騒乱はその最たるものだろう。腐敗一掃を叫ぶカリスマ的指導者のもとに革命歌をうたう民衆が寄り添い、全国からも「重慶詣」と称して学者たちが馳せ参じた。 ところが、突然の舞台転換ですべてはなかったことになってしまう。カリスマだと思っていた人物は犯罪者となり、民衆は手のひらをかえし、学者は何事もなかったかのように日常に回帰していく。こうした光景が2010年代には繰り返された。 本書は、この20年の「特異な時代」を記述する試みである。その際の拠り所になっているのは、ハイデガーであり、またハンナ・アーレントである。全体主義のもとで最低限度の道徳を保つことは可能なのか? いまや「新全体主義」とも言われる現代中国社会の精神的考察。
  • ロシアの暴挙 揺らぐ秩序
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    1巻220円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 (目次より) ●〔対談〕トランプは再臨するのか? ウクライナ侵攻で揺れるアメリカ社会の行く末 渡辺 靖×横田増生 ●ウクライナ情勢以上のリスクとして 円高待望論が招く危機 飯田泰之 ●戦争から得られる教訓 中国との情報戦に打ち勝つべし 阿古智子 ●中央アジアの苦悩 国連決議と国民感情の狭間で ダダバエフ・ティムール/園田茂人
  • コロナ直撃 世界激変
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    1巻550円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 中国から欧米へ、感染拡大を続ける新型コロナウイルス。トップダウンで対応した中国を評価する向きがある一方、西側諸国も私権制限を辞さず、非常時・緊急事態の政治が続く。 リーマンショックを超える世界不況の予測がなされ、世界中で既存の価値観と経済が揺さぶられている今、日本の政治・外交は何をどのようにすべきなのか? (『中央公論』2020年5月号特集の電子化) (目次より) 《感染症と闘う》 ●コロナ対策の核心 〔聞き手:武田 徹〕 ①専門家会議メンバーが緊急提言 ゼロリスクの感染症対策はありえない 岡部信彦 ②緊急事態の政治学 公衆衛生と医療データの後れが命取りに 森田 朗 ●「コロナ恐慌」を回避せよ 日本経済の救命提言 小林慶一郎 ●新型肺炎とともに広まったうわさ、買いだめ騒動 「インフォデミック」と対峙する 松田美佐 ●パンデミックの背景にある根本的問題 人獣共通感染症との闘いに終わりはない 五箇公一×聞き手:河野博子 《中国の命運》 ●「中国夢」と「太平洋同盟」の狭間で 米中対立時代、日本の生存戦略 白石 隆 ●【鼎談】中国モデルが世界を席巻? どうなる? コロナ後の習近平体制 宮本雄二×川島 真×阿古智子 ●【対談】アメリカ軍vs.人民解放軍 米中安保最前線日本に求められる外交とは 阿南友亮×森 聡 ●武漢発のグローバル危機 新型肺炎がもたらした中国経済のジレンマ 伊藤亜聖 ●アジアのエリート学生への調査から読み解く 2040年、中国は覇権を握っているか 園田茂人 ●【対談】累計2000万部超『三体』だけじゃない! 中国SF文学がなぜいま人気なのか 飯塚 容×立原透耶
  • 貧者を喰らう国―中国格差社会からの警告【増補新版】―
    4.5
    1巻1,430円 (税込)
    中国建国65周年、共産主義の理想は、なぜ歪んだ弱肉強食の社会を生み出したのか。エイズ村、農民工、学歴競争、役人汚職、ネット世論、反日運動……中国社会の暗部に深く踏み込んだ女性研究者による衝撃の書。習近平政権発足後、ますます緊迫の度合いを深める階級闘争の最新レポート2章を加筆し、選書版で登場。 ※新潮選書に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
  • 中国大減速
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    1巻220円 (税込)
    世界経済の牽引役だった中国経済の減速が顕著だ。設備過剰、遅々として進まない国有企業改革、労働力人口の減少、貧富の格差、環境汚染など、課題を挙げたらきりがない。今後中国経済はどうなるか、またそれが世界経済にどのような影響を与えるか――を分析した。  本書は週刊エコノミスト2014年11月4日号の特集「中国大減速」を電子書籍化したものです。 主な内容 ・GDP7%割れ容認の衝撃 ・待ったなしの構造改革 山積する深刻なリスク ・習近平の実像 改革の実行が不可避な経済状態 繰り返せない「失われた10年」 ・金融バブル 民間と地方の債務圧縮に着手 景気急落はらむ綱渡りの運営 ・不動産バブル 下がり始めた不動産価格 地方政府債務と連鎖リスク ・所得格差 戸籍統一、都市化では解決不能 既得権益層に手を付けられぬ政権 ・アリババ上場 外資を引き込む中国の魔法「VIE」 株主権を弱める複雑怪奇な仕組み ・上海─香港相互取引 個人投資家の上海A株購入を解禁 企業統治の向上につながるか ・割安感目立つ香港株 値上がり期待高い有名企業銘柄」 ・続く社会運動弾圧 習近平が強化する言論規制 西側の価値観を拒否 ・香港デモと中国政府 「断固譲歩しない」姿勢が表面化 中国版カラー革命を警戒する政府 ・歴史から学ぶ 日中は常に「政冷経熱」だった ・日中首脳会談 大国意識強める指導部 早期の関係修復は困難

ユーザーレビュー

  • 貧者を喰らう国―中国格差社会からの警告【増補新版】―

    Posted by ブクログ

    中国における農民を出生地に縛り付ける戸籍問題、土地所有問題。一方で都市に出稼ぎに出る農民工の問題と貧困化し疲弊する大半の農村部の実情。腐敗する行政官庁の役人の実態や教育水準の地域格差や大学などの進学問題など、著者自身による長年のフィールドワークに基づいた現状分析が特徴的な著書。

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    2019年07月28日
  • 貧者を喰らう国―中国格差社会からの警告【増補新版】―

    Posted by ブクログ

    良書。
    いわゆる「反中」「嫌中」本ではなく、筆者のフィールドワークに基づき、中国が抱える問題について、丁寧に書かれた本。
    中でもやはり、中国独特の戸籍制度の問題がある(「農民工」、「土地制度」など)。

    選書版あとがきにあるように、お互い冷静になって外交をしなければ、共有圏をうまく活かせないのではないかと思う。

    個人的には、副題にあるように「中国格差社会からの警告」とあるように、制度は違えど、抱えている問題は日本も同じであり、社会的な大きな歪みを抱えている。「農民工」、つまり農業を捨て(地方の疲弊)、都市に出て、低賃金で労働し(格差問題)、…というのは、日本が直面する「地方消滅」の問題と重な

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    2015年03月24日
  • 貧者を喰らう国―中国格差社会からの警告【増補新版】―

    Posted by ブクログ

    現代中国の格差社会の闇、深いなぁ…。
    おいおいそりゃちょっと、と言いたくなるような腐敗っぷりの事例が本書の中には満載です。

    中国の格差問題研究としては草分け的な研究者さん(本書をおすすめしてくれた友人談)による、非常にわかりやすく、丁寧に書かれた現代中国の暗い側面。
    東京でもしばしば見かけるような、日本に観光に来る中国の方は13億人のごく一部。中国の特に農村部では、日々辛い暮らしに耐えている人々の姿があることを本書で知ることができます。

    読み進んでいくと、仮に完全フィクションのマンガだったとしても「そんな悪役キャラ実際には絶対いない!」と突っ込むレベルの予想の斜め上な感じのお役人やお金持ち

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    2017年04月05日
  • 貧者を喰らう国―中国格差社会からの警告【増補新版】―

    Posted by ブクログ

    もう、タイトル通りだ。
    上も下もしたたかといえばしたたかなところはあるが、基本的に力が正義な文明圏。
    目先のことしか考えないこの文明が、更に力を持ってきたらどうなるのだろう。
    だが一方で、世界中に「貧者」がいるからこそ、我々が生きていける現実があるように思う。
    すべての人間が、例えば、みんな先進国的な生活をするとすれば、地球のキャパは完全に破綻するんじゃないか。

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    2015年01月31日

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