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  • 武士の絵日記 幕末の暮らしと住まいの風景

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    忍藩の下級武士尾崎石城が日記を書いた約二年間の記録である。家族や寺の和尚、町の人々と上下貴賎の別なく酒や食など楽しみ、また人に対して情けをかけ国を憂い、真剣に考えていた当時の人々の息吹きを感じられる一冊。石城は明治初年40代で没しており、日記に登場していた人々のその後もわかっていないが、当時の人々が決して貧しいだけの暮らしをしていた訳ではなく、そこには相互扶助の精神が底流に流れ行き渡っていた。現代人は個々の生活を大事にするあまり江戸時代の日本人が持っていた助け合いの精神が欠如してきている。今一度当時の人々に思いを馳せ学ぶ事があるのではないかと考えさせられた一冊である。

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    2016年04月16日
  • 武士の絵日記 幕末の暮らしと住まいの風景

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    心がほんわーとした。昔の日本人って、貧しくても、心は豊かだったんだなと。今の私たちもしっかりしなきゃ、大切な物を失わないようにしなきゃと思った。

    絵日記を書いた主人公の尾崎石城は、自分の身を省みずに藩に熱い思いを訴え、蟄居を申しつけられ、中級武士から大幅に家禄を減らされ、養子先からも離れ、妹夫婦の家に世話になっている。それでも、友情、義理、なさねばならぬことなど人として大事なことを守りぬく毎日を送る。

    彼の毎日は、友達との往来が盛んで、とても楽しそう。そして、閉門を言われても、それでもやってくる真の友達が多く、そんな自分を恵まれていると感じることのできる心の持ち主。義理の妹夫婦も、彼を厄介

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    2015年12月13日
  • 武士の絵日記 幕末の暮らしと住まいの風景

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    ・大岡敏昭「武士の絵日記 幕末の暮らしと住まいの風景」(角川文庫)は、 現在の埼玉県行田市にあつた忍(おし)藩の下級武士尾崎石城「石城日記」全7巻による。これは現代風に言へば絵日記で、本書はその絵と文章を取捨選択して まとめたものである。従つて挿絵豊富、見てゐるだけでもおもしろい。文章が読めれば筆者の説明不要なのだが、文章は省略されてゐることが多く、やはり最低限の語釈や説明、解説は必要である。日記は約半年分しか残されてゐない。それをいくつかのテーマに沿つて、いくつかの章にまとめてある。本書カバーに、 「封建的で厳格な武士社会のイメージを覆し、貧しくも心豊かな下級武士たちの、真の日常生活がわかる

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    2015年01月25日
  • 武士の絵日記 幕末の暮らしと住まいの風景

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    幕末に生きた忍藩(埼玉県行田市)の下級武士の絵日記についてまとめた一冊。
    彼は元々は中級武士であったが、藩政批判をしたために禄を減らされ、妹夫婦の家に居候し、毎日のように近所の友人の家や寺を訪れ、酒を飲んでいる。1日に数件の家で飲むこともしょっちゅう。二日酔いもしょっちゅう。たまに居酒屋(料亭?)で飲むこともあり、重陽の式典に着ていく服もないほど貧乏しているのに、よく金が続くな、という生活。ただ絵を描くのが上手かったらしく、知人んに屏風や扇に絵を書いて酒代にしていたようである。
    この本はテーマごと(自宅での飲み会、友人宅での飲み会、寺での飲み会、居酒屋での飲み会など)に分けて書いてあり時系列に

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    2021年09月17日

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