読み始めてから、はや10ヶ月以上経過してるという……。
色々あったなぁという近況報告はさておき。
前巻の包丁さんのうわさと比べると、ちょっと読みにくいかなぁという印象。
今回のは、一応包丁さんの1人稲が語ってる(書いてる本?)というものなのですが、そうなってるかと言われるとそうなってなさそうな感じ
...続きを読むですね。
まぁまぁ……稲主観であるならば、椿がどうなって、葵がどうして死んだのかがわからないですからね。だからまぁ、稲が語る物語と考えると読みづらいです。
とはいえ、妹から聞いたことのあらすじを語るような口調で物語がずっと書かれても読みにくいですからね。なんとも言えない読みづらさではありました。
内容としては、そうですね。
包丁さんの誕生物語は、一般的によくある悲しい生まれ方でした。
しなければ、誰も助からない。
椿が最後に壊れた感情で、『どうして力を持って生まれたのか』
そう嘆いている場面が、とても悲しい。
人を癒す力なのに、どうして人を殺す力になってしまったのか。
それは、包丁さんになってもかわらない。
それは包丁さんのうわさもそうでしたが、結局人の業。
憎しみや、妬み、復讐、人であるからこその悲しみなのかな。
生まれることも、使うことも、人のつながりや、場所で変わってしまう。
優しい世界というのは、ほんとうにただ一瞬でもあれば、幸せなんだなって、稲姉妹が再会した時に思いました。
稲の椿への感情は複雑ですね。
しなければよかったのか。
でも、そうするとやはりはやり病で全滅してた可能性もある。
「もしも」は「もしも」。
一番のもしもは、おそらくはやり病なんてこなければということになるのでしょう。
結局、殺されてしまった彼はなんのために死んだのか。
あの人は何の儀式を完成させたのか。
次回作とかがあるなら、そこらへんも知りたいですね。
包丁さんたちは救いはないけれど、救われた生命も彼女たちのおかげである。
また呼ばれなければ、彼女たちはあの世界で人として生き続けられる。
あの時、殺されてしまった彼だけは……。