あらすじ
ある村の神子であった椿(つばき)は、となり村の神社の巫女・稲(いな)と親しくなる。そしてその後も、同じ村の葵(あおい)、村の重鎮の息子の鋳太(いた)と運命的な出会いを果たす。ある日、椿や稲の住む村やその地域全体を流行病が襲い、椿は村人たちを救うために、自らの持つ能力で尽力をつくしていた。しかし、その力もすべてには行き渡らず、感染者は次第にふえる一方、そんななか見知らぬ旅人がやってきて、流行病でこれ以上死者を出したくないのなら……と、ある算段をもちかけるのだが。病気を切るために、カミサマにさせられた、包丁さんたちの悲しい過去の物語。「包丁さんのうわさ」の“包丁さん”にスポットをあてた続編「包丁さんへるぷみぃ」ノベライズ!
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Posted by ブクログ
包丁さんのひとり稲が語る包丁さんの誕生秘話。前作では主人公の中学生たちを襲う側だった包丁さんたちの過去が語られる。
元々は流行病で全滅寸前の村を救うために生贄となった少女たち。
村人の命を救うために病を切るカミサマとなる、そんな大義名分があればまだ救われるのに、いつの間にかただ人の命を切るための道具となってしまった椿たちが哀しすぎる。
それでも、最後に再会できた稲と藤の姿に少しだけほっとした。
結局鋳太の死と、加地の本当の狙いがよく分からないままで、何だかスッキリしない。
そして、媒体包丁が石包丁…。確かにそれも包丁だけど。名前、稲だけど。最後の最後でちょっと笑えた。
Posted by ブクログ
読み始めてから、はや10ヶ月以上経過してるという……。
色々あったなぁという近況報告はさておき。
前巻の包丁さんのうわさと比べると、ちょっと読みにくいかなぁという印象。
今回のは、一応包丁さんの1人稲が語ってる(書いてる本?)というものなのですが、そうなってるかと言われるとそうなってなさそうな感じですね。
まぁまぁ……稲主観であるならば、椿がどうなって、葵がどうして死んだのかがわからないですからね。だからまぁ、稲が語る物語と考えると読みづらいです。
とはいえ、妹から聞いたことのあらすじを語るような口調で物語がずっと書かれても読みにくいですからね。なんとも言えない読みづらさではありました。
内容としては、そうですね。
包丁さんの誕生物語は、一般的によくある悲しい生まれ方でした。
しなければ、誰も助からない。
椿が最後に壊れた感情で、『どうして力を持って生まれたのか』
そう嘆いている場面が、とても悲しい。
人を癒す力なのに、どうして人を殺す力になってしまったのか。
それは、包丁さんになってもかわらない。
それは包丁さんのうわさもそうでしたが、結局人の業。
憎しみや、妬み、復讐、人であるからこその悲しみなのかな。
生まれることも、使うことも、人のつながりや、場所で変わってしまう。
優しい世界というのは、ほんとうにただ一瞬でもあれば、幸せなんだなって、稲姉妹が再会した時に思いました。
稲の椿への感情は複雑ですね。
しなければよかったのか。
でも、そうするとやはりはやり病で全滅してた可能性もある。
「もしも」は「もしも」。
一番のもしもは、おそらくはやり病なんてこなければということになるのでしょう。
結局、殺されてしまった彼はなんのために死んだのか。
あの人は何の儀式を完成させたのか。
次回作とかがあるなら、そこらへんも知りたいですね。
包丁さんたちは救いはないけれど、救われた生命も彼女たちのおかげである。
また呼ばれなければ、彼女たちはあの世界で人として生き続けられる。
あの時、殺されてしまった彼だけは……。