富永晶子の作品一覧
「富永晶子」の「「エクソシスト」の遺産」「壊れゆく世界の標(しるべ)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
奇を衒ったレトリック、飛躍と逸脱、アイロニーに貫かれたアクロバティックな論理のひとだと思っていたジジェクが驚くほどまともなことを書いていることに驚かされる。それだけこの世界が常軌を逸しているということなのか。本書後半の「テクノ・ポピュリズム」にかんする言及は、まさに日本における「チームみらい」的な政治勢力が登場する的確な説明となっている。
表紙にスパナと麦とペンを握る3つの拳が書き込まれた赤いシャツを着て写るジジェクは、「グローバル資本主義」という真の敵を見誤ってはならない、そのためにはウクライナの嘘や間違いを果敢に批判しつつ、断固としてウクライナの側に立たなければならない、と繰り返し主張する。なんとか現在のライフスタイルを維持しながら「秩序」を回復させようという怠惰を乗りこえ、プーチンがヨーロッパに作り出そうとした困窮を逆手にとって、生態系壊滅の危機を防ぐ生のあり方と、旧植民地諸国に対する真摯な謝罪を通じたヨーロッパの道義の新たな水準を目指すべきである、そのための「戦時共産主義」なのだ、というのが本書の立場である。
ここは議論が分かれるところだろうが、ジジェクはポリティカリー・コレクトな自由主義左派はアイデンティティという副次的な矛盾にかかずらわって、実質的な社会関係を変えずに道徳的な権威を保持し続けようとしている点で、「ニセの目覚め」の中でまどろんでいると厳しく批判する。ジジェクからすれば、「ウォーク」左派は、主要な矛盾から目を背け、「ほんとうには変わらない」ために行動していることになる。
上記の分析の当否に加え、本書のスタンスを推せば、イスラエルのガザ侵攻はさらに厳しく批難せねばばならないと思われるが(原著は2023年刊行)、果たしてジジェクは現在のイスラエルの蛮行にどんな言葉を投げかけているのか。
劇場公開してほしい!
本来は5/22に公開予定だったはずの実写版映画のノベライズ版。
最初からストーリーがわかりきっているのに、それでも面白い。
男装した少女ムーランが戦争で活躍して出世していくというストーリーそのもののエンターテイメント性も魅力だし、ジェンダーの固定観念を覆していく爽快感は現代の社会問題とも相通ずるものがあり、昔話とは思えない実に先見性のある物語でもある。
魔女とかが出てきてしまうのは、いかにもディズニーって感じだけど、それを差し引いても面白いことこの上ない。
ムーラン関係、しばらくハマりそうです。
映画は、コロナ禍と女優さんの香港デモに対する中国政府擁護発言、テロップの新疆ウイグル自治区への謝辞問題など数々の問題のおかげで劇場公開がストップしてしまったのが残念。
Posted by ブクログ
ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのヨルダン川西岸に対する姿勢に対する、西側諸国の欺瞞。抗議しているように見せかけて、内心現状肯定、現状を存続させることを願っているというウォークネスの偽善的態度を喝破している。
アメリカやヨーロッパの新右派がウクライナ支持を躊躇、これがロシアの姿勢を反映しているように見えるのは不思議ではない、両者はグローバル文化戦争の同じ側、二つのバージョンだという説明も分かりやすい。だからこれを機に、軍事行動だけでなく、生態系破壊の危機を防ぐような暮らし方に切り替え、旧植民地諸国に借りがあることを認めるべきだ、と。
アサンジは、自由を脅かす最も危険な脅威は公の公権力からもたらされるのではなく、我々が自由を束縛されている状態を自由と認識した時に生じることを明らかにした、という分析も、現代の”利便性”にどっぶり浸かって生きている人間としては耳が痛いけれど、でもその通りだと思う。