静かで、優しい話だったと思います。
高校時代憧れていた人が、同僚として異動してきた……
でも、その同僚は当時が別人のようにサボり魔になってしまっていて。
理由を尋ねると、「俺には俺の役目があるから」と。
どうやら、石動にはそうせざるを得ない理由があるようで……
というような話。
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<ここから先、ややネタバレ含みます>
石動がサボっていたのは「他人に望まれる通りに動く」という、彼の信念……じゃないや、考えがあったから、で。
そういう風に考えるのは、彼なりに理由があったから、なんですが(この辺りは省略)。
当初は、そう考えて動いてるんだ、と弓川は気付かなくて。
一度は付き合い始めるんですが、彼の行動原理がそれだと気づいて、自分が望むから付き合ってくれてるんだ、と思って、別れちゃうんですよね。
なんていうか、そのくだりがとても胸が痛くて、よかったと思いました。
そこで「しょうがないや」って思っちゃうのは簡単だし、傍にいてあげればいいかって思うのも簡単だけど、そうしなかった弓川がすごい、と思いました。
そこで自分が傍にいて! って思ってしまうのは簡単だけど、そうしなかった弓川の決断が好きだったなー……って。
まぁ、それで現実が、全部うまくいくとは、思ってないんですけど……
物語としては、とてもよかったです。個人的には好きです。
この胸の中にある気持ちを、うまく言葉にできませんが……。