これまでは呂布や反董卓連合軍などの目に見える敵が明確に存在した。だからそれに立ち向かっていけば良かった
それらを撃退できた事で内政に専念できるかと思えば、そうは上手く行かないようで
この巻では内政に苦しむのは勿論のこと、歴史の流れから外れ始めた事で史実と異なる問題や見えない敵に立ち向かう董白の活躍が
...続きを読む描かれているね
また、この巻では董白の悪癖に絡む事項も幾つか詰められているね
現世ではささねを追い詰めた悪癖。しかし、三国志の世界では逆境を切り開くスキルとなっていたが、前巻では劉協相手に悪癖は意外な方向へ進化を遂げていた
いわば董白にとって新たな悩みの種になりつつ有ったのだから、その悪癖を忌むのはある意味当然だったのかもしれない
というか、劉協との関係を更に拗れさせているし
だからってその悪癖を手放すとは思わなかったけど
董白にとっては忌避の力であっても、特色あるスキルなのだから封じるのは惜しい気もするけどな……
それもあってか、この巻の前半において董白の活躍は控えめ。あの悪癖が無い董白なんて暴虐の魔王の孫娘とは思えない程に大人しい存在
そして追い詰められれば悪癖を欲してしまうのは、結局の所、董白は無力な存在でしか無いからだね
人の上に立つなら無力のままで居て良い訳がない
相手を捻じ伏せる力を欲するならこの悪癖は使いこなさいと勿体ない
というか董白の場合はあの悪癖が発動しないと董白じゃない、と思えるくらい既に馴染み深い言動になってますよね?正直、あの罵倒シーンを待ち望んでいる自分が居るよ?
まあ、董白の中身おっさんなんだけども
そしてこの巻では董白だけでなく趙雲の活躍も目立っていたね
董白に魅せられつつも控えめな理由で董白軍に加わった趙雲。キャラが濃い馬超に比べて、活躍も控えめなものになるかと思いきや、強敵が現れた事で彼の凡才なりの異才が見えるようになっているね
董白から部下を任せられても、そもそも人の上に立ったことがない趙雲は人を上手く使えない。結局は単独行動になり、甘寧に隙を突かれるきっかけとなってしまう
甘寧も単独行動タイプなのだけれど、その類稀な才能によって人を魅了し部下を手懐けるタイプ
それに対峙する趙雲も他者を魅了する何かしらによって人の上に立つべきだったのだろうけど、彼が見出したのは意外な信条
三国志の武将としてアレは有りなのか?と疑問に思うものの、本作における趙雲の性格を考えればその方が有っているのかもね
そもそも主の董白が武力によって天下統一を狙っているわけでもなし
自分の信条を確かなものとした彼はこれから董白軍の中で頼りになる存在になるんじゃなかろうか
2巻に続き今巻も出現した名前を偽る者達。彼の方は名前を偽っているのは何となく想像していたけど、その正体は予想外なものだったな
どちらかというと最大の驚きは馬超の方ですよ!
本作では序盤から登場し董白の味方となった馬超だけど、史実と異なり女性の姿。これはライトノベルとしてよくある展開の一つだろうと単純に受け取っていたのだけど、まさかの偽りが存在する……!?
董白が攫われ、馬超は閻行に大敗
中心人物の二人がこの状態だと普通に董白軍って瓦解してしまうのでは……?