作品一覧

  • アジールと国家 ──中世日本の政治と宗教
    5.0
    1巻1,705円 (税込)
    世俗の権力の及ばない避難所、聖なる別天地としてのアジールは、人々を魅了し歴史の中で大きな役割を果たしてきた。比叡山、高野山、東大寺などは、個人支配者を持たないまま、国家権力と鋭く対峙する存在であった。また、天皇を超える権威を仏神に認めた彼らは、時には内裏にまで押し入って自らの要求を押し通した。寺社勢力を中心に無名の大衆の実力を探る。日本中世を舞台に、アジールの在り方と意義、盛衰を跡付ける一冊。
  • 無縁所の中世
    3.0
    中世において、朝廷・幕府以上の存在感を持っていた寺社=境内都市=無縁所。そこには、「世を仕損なった」人たちが、移民となって流れ込んできた。なぜ人は、有縁の世から逃れ、無縁世界で一時の命を繋ぎ再起を賭けようとしたのか。また、無縁世界が有縁世界に対抗しえたのは、どんな思想、どんな実力によるものなのか。網野善彦や民俗学の知見を批判的に乗り越えつつ、たしかな史料で日本中世を描く。

ユーザーレビュー

  • アジールと国家 ──中世日本の政治と宗教

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    久しぶりに没頭して読んだ。そうだよね。中世の人の認識は私が今想像するものとはとてもとても違っていたはずだ。うっかりすると忘れる。ゲームとかドラマとか。
    アジールにも種類がいろいろ。歴史の概念が更新されていたりより精密になっていたり。
    祭礼の中断を起こすのがその祭礼の当事者たちだというのが不思議だという指摘。たしかに。そこには、中断したことの恐ろしさと、またやればなんとかなるという絶対的な信頼感とがあるようにも思う。

    0
    2020年04月15日
  • 無縁所の中世

    Posted by ブクログ

    [ 内容 ]
    中世において、朝廷・幕府以上の存在感を持っていた寺社=境内都市=無縁所。
    そこには、「世を仕損なった」人たちが、移民となって流れ込んできた。
    なぜ人は、有縁の世から逃れ、無縁世界で一時の命を繋ぎ再起を賭けようとしたのか。
    また、無縁世界が有縁世界に対抗しえたのは、どんな思想、どんな実力によるものなのか。
    網野善彦や民俗学の知見を批判的に乗り越えつつ、たしかな史料で日本中世を描く。

    [ 目次 ]
    序章 秀吉のバイプレーヤー―木食応其と無償の善意
    第1章 山門摩滅か武家滅亡か
    第2章 無縁所の魅力
    第3章 なぜ人々は駆込むのか―未開国家と無縁所
    第4章 これが無縁所だ!
    終章 無縁

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    2014年10月30日
  • 無縁所の中世

    Posted by ブクログ

    武士のイエに駆込んだ人間は好む好まざるとを問わず、絶対的な保護の下にはいると同時に、絶対的な束縛の元にはいり、殺生与奪の権を握られる。一方寺社への駆込みは自由の身。いつでも斬られる状況に有るか否か。有縁と無縁の世界の違い。

    0
    2010年07月09日

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