恵三朗の作品一覧
「恵三朗」の「フラジャイル」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「恵三朗」の「フラジャイル」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
勢いの加速点
長瀬智也主演のドラマ化から9年、もう随分経つ。
2016年の放送が懐かしく感じる中、月刊アフタヌーンの連載は30巻超えと健在で、岸京一郎の毒舌診断が今も医療界の闇を抉る。
第3巻は、そんな勢いの加速点です。
変人病理医岸京一郎
岸京一郎のキャラクター設定は『フラジャイル』の大きな魅力ですね。
変人病理医としての彼は、毒舌で協調性ゼロ、なのに患者の命を救うためならルールを破るアウトローな一面が最高に映えます。
冷徹な診断眼と、どこか人間臭い信念のギャップが、単なる「天才」じゃない深みを与えてる。
特に第2巻では、彼の不在が宮崎や森井を引き立てつつ、岸自身の「不在の存在感」が際立つのが秀逸。
倫理のグレーゾーンを突く姿勢も、読者に「正しさとは何か」を考えさせるスパイスになっていますね。
読み応え十分
病理医を主人公に据えた医療漫画の傑作だ。
岸は天才的な診断能力を持つが、患者と直接関わらず「影の診断者」として振る舞い、病院内で孤立する姿が描かれる。
日本に約2,000人しかいない病理医の過酷な労働環境や、診断の裏に隠された命の重さをリアルに描写。
緻密な医療描写と岸の独特なキャラクターが織りなす緊張感は、病理医の「脆弱な立場」と「見過ごされがちな重要性」を浮き彫りにしている。
タイトル「フラジャイル」は、命や人間関係の脆さを象徴し、読者に深い余韻を残す。
医療漫画に新しい風を吹き込む本作は、専門職の葛藤と人間ドラマを巧みに融合させ、読み応え十分だ。