市井三郎の作品一覧
「市井三郎」の「歴史の進歩とはなにか」「ワイド版世界の大思想」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「市井三郎」の「歴史の進歩とはなにか」「ワイド版世界の大思想」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
本屋で目につき事前情報もないままに購入しましたが、思った以上に面白い本でした。初版は1971年ということですから、50年近く前の書籍になりますが、今読んでも示唆が多く含まれています。
本書ではまず、18世紀フランスの思想家(チュルゴ、コンドルセ)やマルクスの考え方をもとに、近代西欧には「非情的自然主義型」と「浪漫的理想主義型」の進歩思想が存在していることを指摘します。「非情的自然主義型」の特徴は、人間史を貫徹する法則が、まったく個々の人間の倫理的要請とは無関係に進歩が起こる、そして戦争など残虐な行為も、進歩の過程の一つだとみなす思想です(ゆえに非情的という形容詞がついている)。これには2つの
Posted by ブクログ
☆☆☆☆☆ やっと読み終えた。長い時間を費やしながらじっくりと読んだ。1971年10月20日第1刷発行のもの。
「進歩史観」から「進歩の基準」、「人間史のパラドックス」を経て、著者としての結論
『人間歴史の未来を創るのは、言うまでもなく人間である。多くの人間は過去、現在の惰性に押し流されたとしても…。その惰性に対して異なった方向へ未来を作ろうとするとき、人間は価値理念の導きを必要とする。しかも過去の試行錯誤から人間はより良い理念を、そして、よりよく実現可能な理念を探究することができる』と説く。
考えてみれば、人類の歴史は、時間の経過とともに、一方方向に進歩してきたわけではない
Posted by ブクログ
なにごとも二律背反(パラドクス)は避けられないのであれば、それを理解認識した上で行動をとるほかない。自らの幸せの裏に他人の不幸があるというのなら、自らが幸せに感じたときに、他人に対しその人の幸せに感じることをしてあげる、これでいいのではないか。
戦争や喧嘩で同胞を殺してしまうのは、穿った考えかもしれないが、これ以上数が増えると絶滅するというその種における絶対容量の、上限を超過しないようにするための、生物本能的仕組みなのではないか。絶対容量は環境によって勿論変化もするだろう。その時代時代、場所場所で、これ以上増えるとお互いにお互いの生存を脅かすかもしれないなどと本能で察知した場合に戦争や喧嘩が発
Posted by ブクログ
歴史の「進歩」という理念に対して厳しい批判がなされている現代において、あらためて歴史の「進歩」について考えなおし、その積極的な意義を救い出そうとする試みです。
著者はまず、西洋思想における「進歩」の概念史を整理し、進歩の理念の普遍性や、歴史のなかに生きる個人の実存としての意味との相克など、現代において進歩を論じる者が向きあわなければならない問題を明確にしています。
そのうえで著者は、日本の民衆史が明らかにした、彼らの抵抗運動のもつ思想的意義などを参照しながら、それぞれの時代のなかで典型的な「苦」を減らすことに、歴史の進歩の基準を求めるべきだという考えを提出しています。そして、現代のメタ倫理
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
人間の歴史にとって進歩とみえる現象が、他方では大きなマイナスをもたらしている事実が明らかになるとともに、素朴な人間進歩への信仰は崩れて、進歩をはかる価値観自体が混迷している。
人間にとっての進歩とは、価値とは、という問いに対して、著者自らの主張を提示しつつ、読者自身がその問題を考えることを促す哲学のすすめ。
[ 目次 ]
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