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  • 時雨の記〈新装版〉
    4.1
    1巻559円 (税込)
    夫と死別して一人けなげに生きる多江と、実業家の壬生。四十代の女性と五十代の男の恋は、知人の子息の結婚式で二十年ぶりに再会したことから始まった。はじめて自分の本音を話せる相手を見つけた男と、それを受け止めてなお甘えられる男に惹かれて行く女。人生の秋のさなかで生涯に一度の至純の愛にめぐり逢った二人を描き、人の幸せとは、人を愛するよろこびとは、を問う香り高い長篇小説。雅びな恋愛小説を数多く遺した中里恒子の作家案内と自筆年譜付き。
  • 時雨の記〈新装版〉

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    ネタバレ

    目次
    ・時雨の記
    『時雨の記』によせて
    ・見事な捨身 河上徹太郎
    ・或る高度の愉しさ 宇野千代
    ・恋を描き得た小説 江藤淳
    中里恒子 案内
    ・中里恒子・人と作品 阿部昭
    ・中里恒子年譜

    二十年ぶりに再会した熟年の二人。
    実業家の男性と夫と死別して一人で生きる女性。
    なんか渡辺淳一臭がプンプンしていそうじゃないですか?

    しかし全然違います。
    二十年ぶりに再会したといっても、男・壬生の方は覚えていても、女・多江の方は「以前会ったことがありましたか?」とにべもない。
    めげずに多江に接近する壬生。

    あのね、この二人最後までプラトニックなのよ。
    純情ぶっているわけではない。
    互いを大切に思うから、

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    2022年06月28日
  • 時雨の記〈新装版〉

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    「凛として個」
    知らなかった、40年ちかくも前にベストセラーになっていたこの本!

    でもね、そのころ読んでいたとしても今ほど共感したかどうかね?
    つまり中里さんが、今のわたしの年齢でお書きになったからなのではないのかな。

    おいらくの恋、とひとくちに言ってもさまざま。
    なまなましいのやら、枯淡のやら。

    でもこの小説の年齢設定は40代女性と50代の男性。
    そこにわたしはうーむと思う。

    プラトニックなのだ。
    なのだけれども、しかるべくしてプラトニックなのではないところにいろけがある。

    なぜ60代も後半に書いた作者が作品の年齢を若くしたか?
    いまでは実年齢が年より若くなったという、うがったこと

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    2021年08月07日
  • 時雨の記〈新装版〉

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    「じゃ、帰る、」
    「帰るとき、いやだわ、」
    「居据わろうか、どうする、」
    多江は、笑っているような、愁い顔で、車のところまで送って来た。
    2015/02/12-02/21

    2023/11/01-11/07

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    2015年08月09日
  • 時雨の記〈新装版〉

    Posted by ブクログ

    書体が古いので、物語に入り込むまではちょっと読みにくかった。
    武者小路実篤の「愛と死」を彷彿とするなと思いながら読み進んだ。
    二人の想いがとても美しく、生き生きと描かれている。
    読後感は哀しいような、なにかひたひたと迫ってくるものがあるような。
    そして何よりも豊かな情感。

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    2013年06月08日
  • 時雨の記〈新装版〉

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    熟年の、しっとりとした恋のお話。
    けぶる時雨の匂いが感じられて、静かな静かな気持ちになります。
    書簡のやりとりも大好き。
    本当に、大好きなお話です。

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    2009年10月04日

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