作品一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ目次
・時雨の記
『時雨の記』によせて
・見事な捨身 河上徹太郎
・或る高度の愉しさ 宇野千代
・恋を描き得た小説 江藤淳
中里恒子 案内
・中里恒子・人と作品 阿部昭
・中里恒子年譜
二十年ぶりに再会した熟年の二人。
実業家の男性と夫と死別して一人で生きる女性。
なんか渡辺淳一臭がプンプンしていそうじゃないですか?
しかし全然違います。
二十年ぶりに再会したといっても、男・壬生の方は覚えていても、女・多江の方は「以前会ったことがありましたか?」とにべもない。
めげずに多江に接近する壬生。
あのね、この二人最後までプラトニックなのよ。
純情ぶっているわけではない。
互いを大切に思うから、 -
Posted by ブクログ
「凛として個」
知らなかった、40年ちかくも前にベストセラーになっていたこの本!
でもね、そのころ読んでいたとしても今ほど共感したかどうかね?
つまり中里さんが、今のわたしの年齢でお書きになったからなのではないのかな。
おいらくの恋、とひとくちに言ってもさまざま。
なまなましいのやら、枯淡のやら。
でもこの小説の年齢設定は40代女性と50代の男性。
そこにわたしはうーむと思う。
プラトニックなのだ。
なのだけれども、しかるべくしてプラトニックなのではないところにいろけがある。
なぜ60代も後半に書いた作者が作品の年齢を若くしたか?
いまでは実年齢が年より若くなったという、うがったこと