時雨の記〈新装版〉

時雨の記〈新装版〉

559円 (税込)

2pt

夫と死別して一人けなげに生きる多江と、実業家の壬生。四十代の女性と五十代の男の恋は、知人の子息の結婚式で二十年ぶりに再会したことから始まった。はじめて自分の本音を話せる相手を見つけた男と、それを受け止めてなお甘えられる男に惹かれて行く女。人生の秋のさなかで生涯に一度の至純の愛にめぐり逢った二人を描き、人の幸せとは、人を愛するよろこびとは、を問う香り高い長篇小説。雅びな恋愛小説を数多く遺した中里恒子の作家案内と自筆年譜付き。

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時雨の記〈新装版〉 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年08月07日

    「凛として個」
    知らなかった、40年ちかくも前にベストセラーになっていたこの本!

    でもね、そのころ読んでいたとしても今ほど共感したかどうかね?
    つまり中里さんが、今のわたしの年齢でお書きになったからなのではないのかな。

    おいらくの恋、とひとくちに言ってもさまざま。
    なまなましいのやら、枯淡のやら...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年08月09日

    「じゃ、帰る、」
    「帰るとき、いやだわ、」
    「居据わろうか、どうする、」
    多江は、笑っているような、愁い顔で、車のところまで送って来た。
    2015/02/12-02/21

    2023/11/01-11/07

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    Posted by ブクログ 2013年06月08日

    書体が古いので、物語に入り込むまではちょっと読みにくかった。
    武者小路実篤の「愛と死」を彷彿とするなと思いながら読み進んだ。
    二人の想いがとても美しく、生き生きと描かれている。
    読後感は哀しいような、なにかひたひたと迫ってくるものがあるような。
    そして何よりも豊かな情感。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    熟年の、しっとりとした恋のお話。
    けぶる時雨の匂いが感じられて、静かな静かな気持ちになります。
    書簡のやりとりも大好き。
    本当に、大好きなお話です。

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    Posted by ブクログ 2015年11月26日

    中年期の恋のお話。あくまでプラトニックな関係を貫いていて、女も毅然としているので、いやらしさがなくて、さらっと読める。感情移入をするようなお話じゃなかったけど、面白くてスラスラ読めた。
    「瑠璃無地のずん銅の口の締まった瓶は古伊万里であったから、わたしは、それに小さな花一輪を短く入れたその強い美に首を...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年01月28日

    中年を迎えた男女の恋愛小説。
    年を重ねているなりの知識と生き方は爽やか。
    引き算という言葉が合うような。
    でも、社長という役柄はちとズルい。そこも引き算してみておくか。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    夫亡きあと、華道を教えながらひっそりと暮らす妻。
    未亡人に惹かれる中年の会社社長。

    独り身でも質素に端然と暮らす女性のたたずまいに憧れました。

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    Posted by ブクログ 2022年01月16日

    吉永小百合さんと渡哲也さんの映画を見て、原作も読んで見たくなり手を取りました。二人の逢瀬は純粋に楽しそうでしたし、最期の場面は切なかったです。

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    Posted by ブクログ 2016年10月17日

    今まで読んだことのない作風だったけど、わりと好き。
    50過ぎの会社社長(壬生)と未亡人の女性(多江)との恋愛、壬生にとっては不倫になるのかもしれないけど、二人の気持ちが純粋でプラトニックなのでいやらしさもなく、なんとも微笑ましい関係。壬生が少年のように自分の気持ちに正直にぐいぐいいき、多江が最初はと...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年09月17日

    いい歳して恋に狂う二人。その距離感がオトナというか、禁欲的。私小説として読むと壮大なノロケ話に感じてしまったけど、人生の残り時間を感じながらの恋の深みなんて…もっと歳とって読めってことでしょう、きっと。

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