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夫と死別して一人けなげに生きる多江と、実業家の壬生。四十代の女性と五十代の男の恋は、知人の子息の結婚式で二十年ぶりに再会したことから始まった。はじめて自分の本音を話せる相手を見つけた男と、それを受け止めてなお甘えられる男に惹かれて行く女。人生の秋のさなかで生涯に一度の至純の愛にめぐり逢った二人を描き、人の幸せとは、人を愛するよろこびとは、を問う香り高い長篇小説。雅びな恋愛小説を数多く遺した中里恒子の作家案内と自筆年譜付き。
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Posted by ブクログ
「凛として個」 知らなかった、40年ちかくも前にベストセラーになっていたこの本! でもね、そのころ読んでいたとしても今ほど共感したかどうかね? つまり中里さんが、今のわたしの年齢でお書きになったからなのではないのかな。 おいらくの恋、とひとくちに言ってもさまざま。 なまなましいのやら、枯淡のやら...続きを読む。 でもこの小説の年齢設定は40代女性と50代の男性。 そこにわたしはうーむと思う。 プラトニックなのだ。 なのだけれども、しかるべくしてプラトニックなのではないところにいろけがある。 なぜ60代も後半に書いた作者が作品の年齢を若くしたか? いまでは実年齢が年より若くなったという、うがったことではないと思う。 (少々ややこしい言いかただが) いろけがあるけれどもこの小説の神髄はちがうところにある。 そこがシンクロする。 精神の奥底で恋愛するには、「個」の魅力を輝き出しあっていなければならない。 個の魅力には年齢がない。 でも、いろけがなければ恋愛はなりたたない。 この小説の魅力は中里恒子の凛とした個性のたまものだ。
「じゃ、帰る、」 「帰るとき、いやだわ、」 「居据わろうか、どうする、」 多江は、笑っているような、愁い顔で、車のところまで送って来た。 2015/02/12-02/21 2023/11/01-11/07
書体が古いので、物語に入り込むまではちょっと読みにくかった。 武者小路実篤の「愛と死」を彷彿とするなと思いながら読み進んだ。 二人の想いがとても美しく、生き生きと描かれている。 読後感は哀しいような、なにかひたひたと迫ってくるものがあるような。 そして何よりも豊かな情感。
熟年の、しっとりとした恋のお話。 けぶる時雨の匂いが感じられて、静かな静かな気持ちになります。 書簡のやりとりも大好き。 本当に、大好きなお話です。
中年期の恋のお話。あくまでプラトニックな関係を貫いていて、女も毅然としているので、いやらしさがなくて、さらっと読める。感情移入をするようなお話じゃなかったけど、面白くてスラスラ読めた。 「瑠璃無地のずん銅の口の締まった瓶は古伊万里であったから、わたしは、それに小さな花一輪を短く入れたその強い美に首を...続きを読むかしげてしまった。教えてできることではない。金で買える美ではない。こりゃあ、ただの女じゃないな、気に入った···」 こんな風に自分のセンスを分かってくれる感性があり、なおかつ、超強引で、頼もしい男。いますか?!五郎丸歩が、茶道にも精通している、みたいなことでしょう。
中年を迎えた男女の恋愛小説。 年を重ねているなりの知識と生き方は爽やか。 引き算という言葉が合うような。 でも、社長という役柄はちとズルい。そこも引き算してみておくか。
夫亡きあと、華道を教えながらひっそりと暮らす妻。 未亡人に惹かれる中年の会社社長。 独り身でも質素に端然と暮らす女性のたたずまいに憧れました。
吉永小百合さんと渡哲也さんの映画を見て、原作も読んで見たくなり手を取りました。二人の逢瀬は純粋に楽しそうでしたし、最期の場面は切なかったです。
今まで読んだことのない作風だったけど、わりと好き。 50過ぎの会社社長(壬生)と未亡人の女性(多江)との恋愛、壬生にとっては不倫になるのかもしれないけど、二人の気持ちが純粋でプラトニックなのでいやらしさもなく、なんとも微笑ましい関係。壬生が少年のように自分の気持ちに正直にぐいぐいいき、多江が最初はと...続きを読むまどいつつ徐々に暖かく受け止めていく。二人の関係が粋で、このまま二人で静かに楽しく暮らさせてあげたいなぁと思う。 結末はハッピーエンドというわけにはいかないけど、多江には暖かいものが残ったのではないかと。
いい歳して恋に狂う二人。その距離感がオトナというか、禁欲的。私小説として読むと壮大なノロケ話に感じてしまったけど、人生の残り時間を感じながらの恋の深みなんて…もっと歳とって読めってことでしょう、きっと。
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