ダンカン・ワッツの作品一覧

「ダンカン・ワッツ」の「偶然の科学」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 偶然の科学

    偶然の科学

    ビジネス・実用

    3.8
    1巻946円 (税込)
    〈数理を愉しむ〉シリーズ ネットワーク科学の革命児が解き明かす「偶然」で動く社会と経済のメカニズム。 小飼弾氏絶賛! 「『社会科学を本物の科学に!』 この社会学党宣言こそ本書のコアだ」 ダン・アリエリー(イグ・ノーベル賞受賞者、『予想どおりに不合理』) 「世界認識を変える本が現れた。耳が痛くても、“間違う理由”は知る価値あり」 世界は直感や常識が意味づけした偽りの物語に満ちている。ビジネスでも政治でもエンターテインメントでも、専門家の予測は当てにできず、歴史は教訓にならず、個人や作品の偉大さから成功は測れない。だが社会と経済の「偶然」のメカニズムを知れば、予測可能な未来が広がる……。より賢い意思決定のために、スモールワールド理論の提唱者が最新の科学研究から世界史的事件までを例に解き明かす、複雑系社会学の話題の書。

ユーザーレビュー

  • 偶然の科学

    Posted by ブクログ

    著者は1971年生まれだから私より2歳下だ。最初物理学を学んだようだが、複雑系の系譜を継ぐ「スモールワールド」だかいう学説を提唱し、ネットワーク理論に基づいた社会学者といった立場にあるようだ。
    この本は一般読者向けに非常に易しく書かれており、何も難しい話ではないが、新たな視角をもたらしてくれる、実に面白い読み物だった。
    「まえがき」で「アメリカ人のおよそ90%は自分が平均より車の運転が上手いとおもっている」という統計を明らかにする。日本人も、おそらく男性では似たような結果になるのではないだろうか。
    この例のような自己に関する「錯覚された優秀性」、そして「常識」全般が、人々の認識・判断を絶えず誤らせている。「思い込み」の間違いを、著者ワッツは執拗に指摘してくる。こちらも身に覚えのあることが多く、反省を迫られる。
    複雑系で有名な「バタフライ効果」の話、人々のあいだの相互影響作用、インターネットを活用した大規模なリサーチと「実験」。結局だれもただしく結果を「推測」することはできないこと。偶然の条件が重なってできごとが起こり、そのもろもろの影響からさかのぼって、もっぱら論議されること。
    かなり刺激的な内容で、読んでいてとても楽しい。
    著者はYahooリサーチに携わっていたので、マーケティングの話も後半出てくる。
    複雑系に基づくネットワーク社会学、もう少し本格的な本も読んでみたいと思った。

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    2015年08月16日
  • 偶然の科学

    Posted by ブクログ

    偶然の科学
    著:ダンカン・ワッツ
    訳:青木 創
    ハヤカワ文庫 NF400

    ネットワーク科学の世界的権威が放つ、複雑系社会学の決定版とある

    題は「偶然の科学」であるが、意味するところは、違う

    原題 Everything is Obvious. "Once you know the Answer"
    「すべては明白だ、いったん、答えがわかれば」 でいいでしょうか

    偶然とは、いきあたりばったりで、対応をしてしまう人間の行動を科学しようということであって、確率論に支配される偶然を解明するための科学ではない。あくまでも、社会科学的、社会学的な偶然を扱うことが目的である。

    社会科学の歴史の大半にわたって、社会現象の要素を測定するのは不可能であり、物理現象や生物現象の要素を測定するのとはわけがちがったからである。
    最近では、長きにわたる社会科学のこの制約が解かれるかもしれない方向へと世界は変化しはじめている。
    Eメールや携帯電話、インスタントメッセージなどの通信技術は、数十億人の個人の社会的ネットワークと情報の流れを暗黙のうちに追跡している

    高度な情報システムが、社会科学を自然科学に近づける日は近いのかもしれない。それは予測であり、全数測定である

    気になったのは以下です

    ・常識とは何か
     しょっちゅう引き合いに出されるわりには、常識とは何かを明確にすることは驚くほど難しい

    ・けっして「常」識ではない
     常識をうんぬんする際に忘れてはならないことのひとつは、それが時代や文化によって大きく変わってくることである

    ・常識への濫用
     常識は統一性と一貫性に欠けるし、自己矛盾する面さえあるが、これは、われわれの日常生活ではまず問題にならない
     なぜなら、日常生活はいくつもの小さな問題に分かれていて、それぞれ個別に対処できる非常に具体的な場面が基盤となっているからだ

    ・常識への過信
     悪いことが起こるのはわれわれが常識の用い方を忘れたときではなく、常識が日常生活の問題を解決するのに恐ろしく有効だからといって、それに過大な信頼を置いてしまうときである

    ・人々は自分のすでに知っていることを補強しやすい形で新しい情報を消化する
     つまり、自分の信念に一致する情報ばかりに注目し、一致しない情報には疑いの目を向ける

    ・一般に人々は、損失が予想されるときはそれによってこうむる痛みを大げさに見積もり、利益が予想されるときにはそれによって得られる喜びも大げさに見積もるがつねである

    ・バタフライ効果
     ちいさいランダムな変動が次第に大きくなり、長い目でみると極めて大きな相違をもたらしうるという傾向がある

    ・誰かが何かをダウンロードしたかについての情報があると、人々はたしかにそれから影響を受ける

    ・世界での人と人とのつながり
     世界中のだれもが、アメリカ大統領から握手6つ分しか離れていない

    ・過去を思い出せない者は、それを繰り返す運命にある

    ・予測ができる対象とは
     複雑な社会システムで起こる出来事には、なんらかの安定した過去のパターンに一致するものと、そうでないものの2種類があり、信頼性のある予測を立てられるのは前者だけである

    ・なにも信じてはいけない、とくに自分は
     専門家も素人と同じくらい具体的な予測を立てるのが下手だし、素人に劣るときさえある

    ・未来の衝撃
     予測法には例外なく深刻な限界がある。それは、過去に起こったのと同種のできごとが平均頻度以上で未来に起こる場合には信頼できない。ということである

    ・戦略のパラドックス
     戦略計画の最優良事例を体現しているように見える組織、たとえば、非常に明確な展望を持ち、果断な行動をとる組織が最も計画の誤りを犯しやすい組織になる場合がる

    ・戦略的柔軟性
     戦略のパラドックスを解決するためには、予測に限界があることを素直に認め、この限界を念頭に置いた計画法を開発しなければならない

    ・予測と尺度
     ZARAは客の次のシーズンに買うものを予測しようとせず、むしろそんなものは検討もつかないと認めているに近い。そのかわり、いわば「測定―対応」戦略を用いている

    ・測定で終わらせるな、実験せよ
     測定能力を向上するだけでは、必要な情報が得られない状況も多い

    ・計画の失敗
     計画者が直感と経験のみに基づいて計画を練り上げるといううぬぼれを捨てなければならない
     計画が失敗するのは計画者が常識を無視したときではなく、みずからの常識に頼って自分と異なる人々の行動を推論した時である

    ・ハロー効果
     相手のある特徴についての評価が高い場合、その特徴とは必ずしも関係のないほかの特徴まで優れていると思い込むことである

    ・才能対運
     憤慨の原因は銀行員に大金が支払われていたことではなく、その仕事ぶりがとてつもなくひどかったにもかかわらず、大金が支払われていたことである

    ・マタイ効果:持っている人はさらに与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる

    ・同類志向原理:類は友を呼ぶ
     友人や配偶者、同僚や知人は、あらゆる特質、つまり人種、年齢、性別、収入、教育などの点から見て、他人同士よりも互いに似ており、考え方も似ていることを発見していた

    ・実社会は、物理世界よりずっと扱いにくく、学べば学ぶほどなおさらに扱いにくく思える

    目次
    まえがき ある社会学者の謝罪
    第1部 常識
     1 常識という神話
     2 考えるということを考える
     3 群衆の知恵(と狂気)
     4 特別な人々
     5 気まぐれな教師としての歴史
     6 予測という夢
    第2部 反常識
     7 よく練られた計画
     8 万物の尺度
     9 公正と正義
    10 人間の正しい研究課題
    謝辞
    原注
    参考文献

    ISBN:9784150504007
    出版社:早川書房
    判型:文庫
    ページ数:406ページ
    定価:860円(本体)
    2014年01月15日発行

    0
    2024年06月28日
  • 偶然の科学

    Posted by ブクログ

    面白かった。
    もちろん訳者の方の力もあるだろうが、とても読みやすい。

    著者ダンカン・ワッツが説く「スモールワールド」という概念は知っている人も多いと思うが(世界中の人と人の間には平均6人存在する)、この本はそれにも言及しつつ、もっと広く社会学を語っている。
    物事には明確な理由がなく、複雑な要因が絡まって結果がある。
    常識の脆さ、因果の複雑さ、予測の困難さ、それを一つ一つ説いていく。
    自分が認識している世界に対し懐疑的な視点を持ちたいならこの本を読むべきだ。

    しかしながら人が常識に頼ったり予測をしたり因果を単純に理解したがるのは、自己防衛でありリスクヘッジだ。
    それらが不可能になれば、社会は人にとってもっと耐え難いものになるだろう。
    私は常日頃常識を鵜呑みにしないことを心掛けているが、それでも多くの常識に振り回されているし、様々な「当たり前」を何の疑問もなく受け入れている。
    そして比較的直感を信じるタイプである。
    中でも言及されているが、「悪い計画でも無策よりはまし」だし、何か事があればそれを理解することで自分を落ち着かせる。
    これらは生きる知恵なのだ。

    ダンカン・ワッツは予測困難な偶然の世界の中で、どうすればよりよく未来を予測ができるのかも説く。
    私には結局の所、情報が大切なんだと説いているように見える。
    広い世界を知り、統計を元にし、理解すること。盲目にならず、前提を排除し、想像の介入を許さないこと。

    本序盤では、ダン・アリエリーが「予想通りに不合理」という著書で述べられた実験のいくかがいくつか見受けられ、その焼き直しなのかな? と正直思った。
    しかしながらダンカン・ワッツはただ広範囲に論文を読み、多くの知識があるだけのようだ。読みすすめると参照している研究が他にも多数出てくる。
    巻末の脚注も読み応えがあり、仕事が丁寧、あるいは厳密に事実もしくは根拠を提示し論を進めている印象。
    不用意な断言はしていないところも、慎重な印象を与える。

    バックグランドがかなりユニーク。理論応用力学の博士号を持っており、その後海軍、社会学者。
    優秀なんだろうな。

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    2020年10月04日
  • 偶然の科学

    Posted by ブクログ

    世の中は予測可能な事象と不可能な事象がある。

    物理学や数学は誰からみても同じ普遍的な法則があって、予測可能な事象ですが実社会は予測不可能な事象で、常識と思っていることでも偶然の結果が殆ど。

    したがって現実社会を扱う社会科学系の学問は、普遍的法則を追っかけるのではなく、中範囲の法則や測定と迅速な対応による戦略によって法則を導き出すべきと提言した著作。

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    2020年08月29日
  • 偶然の科学

    Posted by ブクログ

    "人間の社会的行動を科学の目で分析する。そんな一見出来そうもないことに挑んでいるのが本書。
    社会科学をアカデミックに学びたくなる。"

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    2018年10月28日

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