本書にいわく、「ソーシャルメディアによって人の集まり方が変わり、日本でも価値観と消費の在り方が、大きな変革期へと来ている」のだそうですが、個人的に『諸刃の剣』だと思っておりますので運用には注意を。
本書は献本にて御礼申し上げます。
AKB48、B-1グランプリ、初音ミク、ニコニコ超会議……。ここ
...続きを読むではさまざまな事例を取り上げながら、ソーシャルメディアが変えていった経済。ここでいうところの『ソーシャルエコノミー』というものについて論が展開されております。実を言うとソーシャルメディアというものを僕は『諸刃の剣』ではあるまいかと最近は考えていて、『正しい』使い方をすれば自分に限りない恩恵が帰ってくる一方で、ちょっとした悪意の投稿。たとえば、自分の勤めているお店やホテルなどに有名人が『お忍び』でやってきたところを『軽い気持ち』で投稿して大変な問題になったなど、負の部分もまた、何倍にも増幅する機能がもしかしたらあるのではあるまいかとそんなことを思っております。
それはさておき、ここでは『正』の部分、日本人ならではの『和』を用いた経済圏がAKB48の国民的な大ヒットやB-1グランプリなどの地域でよく消費されている食べ物が全国的なイベントとなって一大ムーブメントを巻き起こす過程。この本ではじめて知りましたが、ニコニコ超会議が億単位の赤字を出しつつも『大成功』だったという話が紹介さていて、面白く読むことができました。
普段の生活では何のつながりもない個人同士がたとえば、女子サッカーのワールドカップの様子をツイッターなどで『実況中継』することもまた『ソーシャル』による『つながり』が生み出したひとつの『お祭り』なんだな、と思い、個人的には参加はしませんでしたし、おなじくロンドンオリンピックのときもネットの世界ではそういうことが起こっていた、みたい(これも実際参加したわけではないので詳しいことはわからない)だということがわかり、同じ『意思』を持った人間同士がこうも簡単に『連帯』できるからこそ、生み出せるものがある。これからこの現象がどこへ向かっていくかはわかりませんが、時々参加をしつつ、冷静に見守っていこうと思っております。