【サッカー監督がどう考え、どう判断しているのかを供述している本】
細かいミクロな世界の判断、瞬時の判断だけでなく、マクロな戦略を立てる必要もあるサッカー監督。肉弾戦を挑むのか、美しいパスサッカーを志向するのか、ファジーなスポーツの代表格サッカー。そのプロ監督が手の内を明かした、といっても過言ではない
...続きを読む本書は、成長をまだまだ遂げなければならない日本サッカー界にとって貴重な1冊だと思う。
・攻撃は広く、守備は狭く(拡散と集結)
・左サイドに右利きの選手を置くと、50cmは懐が深くなり、ボールが相手DFから奪われにくくなる
・プレッシングは相手をヘッドアップさせない状態を目指す
・選手へのアンケートと面談、ピッチでの叱責、コミュニケーションによる選手の意識改革(今野や長友の事例)
・選手補強は情報戦、時間との戦い
・チームのフレーム、共通理念作り(FC東京であれば、首都クラブとしての使命。V甲府であれば、プロヴィンチアの象徴)
文字化されるだけでも、共通理解が進み、サッカーの見方を一段引き上げてくれる。
日本のプロフェッショナルな監督が増えるためにも、選手層が厚くなるためにも、サポーターの見方がレベルアップするためにも、今後現役、辞めた人問わず、監督としての思考法の本が増えていくと良い。