セクシュアリティに悩んでいるティーンの方は読んでみたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。そういった方々に老婆心ながらこの本をさらに効果的に読む方法を私なりに考えてみました。
第二章、第三章は鈴掛さん個人の体験に大きく依存している部分ですので、あくまで人を大切にする「プロセス」を真似してほしい、と
...続きを読むいうこと。また、いわゆるヘテロセクシュアリティ(今まではストレートと言ってましたが)のかたも鈴掛さんの体験が全てとは思わないで「なるほどね」くらいで読んでいただくのがよいと個人的には思いました。
第四章、第五章は最近のLGBTQに関する社会問題について言及されており、鈴掛さんなりの考えがつづられています。
単なる趣味嗜好とセクシュアルマイノリティをとらえることがどれだけ残酷なことか、一人の当事者の率直な思いは必読です。
また、これは本書の唯一の欠点と言えるところで、どうしても男性目線、男性ホモソーシャルからの視点になってしまっていることです。テレビを見ていてもわかると思いますがセクシュアルマイノリティで、オネエのようにキャラを全面に押し出して成功している芸能人で女性ってあまりいらっしゃらないですよね。少しだけ頭の隅ん置いて読むといいかもしれないな、と女性としては思いました。
文中に「女嫌いのゲイ」という単語が出てきます。ということは「男嫌いのレズビアン」もいるのです。ここに限ったことではないですが鈴掛さんのおっしゃっていることを様々な立場の人に置き換えて考えてみることが、月並みですがより良い社会に変わっていく一歩になると思いました。