山本健太郎の作品一覧
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Posted by ブクログ
風の側の人間と比べて、島の側の人間はどこか卑怯だ。なんとなくそんな気がする。
実際そういうふうに性格が分かれているのかもしれないし、主人公の心根によって島の人間が汚く見えていただけかもしれない。
台風の次の日の朝、静かに体調を気遣ってくれた父親やアイスクリームをくれた売店のおばちゃんのような優しさは、実は主人公が意識していなかっただけで島の住人はそれなりに優しかったのかもしれない。
この物語を経て、主人公はどう変化しただろう。
とりあえずナルミへの想いは断ち切れた。
人間的な成長もした気がする。しかし、果たしてそれは健全な方向だろうか。
最後、サチ子からの告白を前向きに対処したのは優しさにもみえるし、想いを利用しようとしたようにもみえる。
後者の考えが出てくるのは、自分が卑怯な人間だからかもしれない。
しかし、サチ子の行動は寛大に受け止めるには度を超えているし、告白も言い訳めいている。主人公も苦い反応を隠せていない。
主人公とサチ子の青春はここから始まるのだろうか?
始まるのだとしても、単なる男女、単なる読書仲間ではない、どこかいびつなものが始まるような気がしてならない。
風に守られなくなった島同様に、つい波乱の未来を考えてしまう。
なんにせよ、面白い作品だった。
Posted by ブクログ
山本健太郎(1978年~)氏は、東大経済学部卒、東大大学院総合文化研究科博士課程修了、東大先端科学技術研究センター特任研究員、日本学術振興会特別研究員(PD)、北海学園大学法学部准教授等を経て、同教授。専門は政治学、現代日本政治。
本書は、1955年の保革合同以後、特に、1993年の自民党の分裂(自民党、新生党、新党さきがけ)以降の政界再編について、時系列に振り返ったものである。尚、2021年7月出版であり、同年10月の衆議院選挙はカバーされていない。
章立ては以下である。
序章:政界再編前史(1955~1988年)
第1章:政界再編の始まり(1988~1994年)
第2章:新進党の挑戦と挫折(1994~1997年)
第3章:三つの民主党(1998~2005年)
第4章:政権交代へ(2005~2009年)
第5章:政権交代の光と影(2009~2011年)
第6章:崩壊する民主党政権(2011~2012年)
第7章:一強自民と多弱野党(2012~2017年)
第8章:政界再々編への困難な道(2017~2021年)
終章:政界再編とは何か
私は還暦近い会社員だが、2021年の衆議院選挙は、幸か不幸かコロナ禍の自粛が続いていたために、これまでの国政選挙で、間違いなく最も多く報道番組を見る時間があったし、日本の政治に対して改めて関心を持つきっかけになったのだが、更に、日本の現代政治史を振り返るべく、『現代日本政治史』(大井赤亥/2021年9月)や本書を読む機会にもなった。
本書は、上記の通り、約30年の政界再編の歴史を振り返ったものだが、ニュートラルなスタンスで、淡々と事実を記述しているため、通読するのは少々退屈ではあるものの、逆に言えば、バイアスがかかっていないために、史実を知るのには適しているし、手元に置いておく意味のある一冊である。(正直なところ、数年前の事実であっても、ほとんど記憶に残っていないことも多く、少々驚いた)
尚、『現代日本政治史』の方は(著者の大井氏は政治学者で、昨年の衆議院選挙に立憲民主党から出馬し落選した)、1993年以降の政治を、政党間対立ではなく、改革派と守旧派の対立という構図で読み解いており、読み比べてみるのも面白いかもしれない。
(2022年1月了)
Posted by ブクログ
いよいよ本日衆議院解散。短期決戦、今月31日の投票日に向けて各党は公約を発表していますが、自民も分配、立民も分配、争点はいったい何なのか?都議選でもそうでしたが、何を持って候補者を選ぶのか、政党を選ぶのか、たぶん選挙当日になってもわからないような予感…です。この選択肢の無い感じは日本だけではなくて世界的な傾向であると「無理ゲー社会」の著者、橘玲が、最近どっかの新聞でインタビューに答えていたっけ。どんな政党が政権を担っても、取りうる政策は似てくるとのこと。でも政治改革から生まれた小選挙区制って、アメリカの民主党VS共和党、イギリスの労働党VS自由党みたいな二大政党による政策論争をするためのシステムだったのでは?この新書の政党変遷図にある「新自由クラブ」「社民連」「日本新党」「新党さきがけ」「新生党」「新党みらい」「連合の会」「民主改革連合」「自由連合」「新進党」「市民リーグ」「太陽党」「フロムファイブ」「国民の声」「新党友愛」「改革クラブ」「自由党」「新党平和」「黎明クラブ」「民政党」「保守党」「国民新党」「新党日本」「みんなの党」「新党改革」「たちあがれニッポン」「新党大地」「新党きずな」「減税日本」「太陽の党」「日本未来の党」「生活の党」「結いの党」「次世代の党」「日本を元気にする会」「日本のこころを大切にする党」「改革結集の会」「民進党」「希望の党」…二大政党になれなかった多弱の党たち。消えてしまった新党たち。投票用紙が向かう先になり得なかった泡沫の政治集団たち。さてさて31日はこの繰り返しになるのか?新しい始まりになるのか?とにかく問題山積だからこそ、意思表明としての投票はしなくっちゃ、と思うのですが…