40代のオタクである著者の奥さんは、20代の中国人。
奥さんがある日、「日本語学校に通う」と言い出した。高い授業料を払うことに悩む著者だったが、授業料を「取材費」ということにして、奥さんの日本語学校での日々をネタに一冊描いてしまおう、という結論に落ち着き、奥さんは日本語学校に通うことに――。
...続きを読む 日本語学校の個性的な生徒と教師の日常と、日本人もきっと知らない、日本語の面白さと難しさを描いた、書き下ろしエッセーコミック。
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『日本人の知らない日本語』を読んだときも思ったけど、日本人って日本語の大部分を理解していないまま、日本語を使っているんだなあ。知らなくても困らないけど、訊かれると答えられないことばっかり。
で、本編でも詳細に解説されているのですが、日本語の最も端的な特徴が、「正解」があってないようなもの、だということ。良く言えば「変化」や「曖昧さ」に寛容的、悪く言えば「いいかげん」とでもいいますか、時代ごとに使い方が全く異なっている言葉が多い。これ、程度の差こそあれ、日本国民の平均的な気質も関係あるのかな。
東日本大震災後のエピソードも収録されています。とても哀しい展開になっています。
今、国家間の軋轢と、旅行者と観光地との軋轢が大きくクローズアップされていますが、こういう人たちがいることも、もっとクローズアップされてほしいですね。同じアジア系でも文化は異なるんだから、互いが互いの文化や価値観を理解して認め合えば、少なくとも個々人間での軋轢は減っていくんじゃないか――、と考えるのは、私が常に【和】を意識する「日本人」だからでしょうか。