「朝ドラ」(NHK朝の連続テレビ小説)は誕生から51年。
半年~1年をかけて、毎日15分のドラマを観続けるという習慣は、他にはありません。
「朝ドラ」には、これまで数々の魅力的なヒロインが登場してきました。
明るく前向きな「おはなはん」、過酷な運命に耐え忍ぶ強さをもつ「おしん」、『はね駒』のおてんば
...続きを読む娘、『ふたりっ子』の正反対な姉妹(優等生で美人の姉と落ちこぼれで将棋の才能をもつ妹)、『ちりとてちん』の後ろ向きヒロイン、情熱的に夢に突き進む『カーネーション』の糸子……。
王道ヒロインもいれば、非・王道ヒロインもいる。
そんな「朝ドラヒロイン」の魅力と変遷を紐解くこと、
「朝ドラ」が描いてきた女性と家族、仕事と恋愛、戦争と平和を見つめること、
「朝ドラ」をどのように日本人が受け入れてきたのかを知ることは、
日本人の精神史や、「朝ドラ」を報じてきたメディアの歴史を知ることでもあるのです。
本書は、そんな「朝ドラっぽい」とは何かをまるまる考察した1冊です。
著者は、6歳のころから、30年以上にわたって「朝ドラ」を観続けてきたという、生粋の朝ドラウォッチャー。「朝ドラ」に対する情熱はなみなみならぬものがあり、関係者のインタビュー取材に加え、膨大な新聞・雑誌記事を調べて執筆しました。
名作朝ドラができあがるまでの舞台裏を取材したドキュメント(プロジェクトX)としても面白いので、「創作」に興味がある方にもきっと楽しんでいただけると思います!
ちなみに私は、現在再放送中の『おしん』(毎週日曜、BSプレミアムにて)にすっかり夢中です。本書の中で、『おはなはん』の演出を手掛けた齊藤暁さんは、「橋田壽賀子さんは、朝ドラの4番バッター」と評していますが、心から納得の面白さ。すっかり、おしんの応援団になっています。大根めしも食べてみたい。