≪2022年3月号≫月刊 書店員すず木

≪2022年3月号≫月刊 書店員すず木
この道10年のプロ書店員・すず木です!
前月に配信された新作マンガで実際に読んで面白かったものの中から<少年・青年マンガ><少女・女性マンガ>それぞれ1作品を勝手に「今月の書店員すず木賞」としてご紹介!

※セーフサーチを中またはOFFにすると、すべての作品が表示されます。

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今月の書店員すず木賞

少年・青年マンガ

      • ココロのプログラム 1

        ココロのプログラム 1

        完結

        少年・九が出会ったのはロボットの少女・いちこ。噛み合うことのない歯車が、今 回り出す。 夏休み、母とふたりで暮らす宇佐美九のもとへ、人間にそっくりなロボットの少女のいちこがやってきた。「心」を学ぶ彼女に惹かれゆく九。そして九に想いを寄せる幼馴染の愛。少しずつ育ち、絡み合ってゆく気持ち…。ボーイ...

        思春期の気持ちを丁寧に描き、心の奥の柔らかい部分をふわっと撫でられる感覚になるボーイ・ミーツ・ロボットガールの物語。

        ある日、主人公・宇佐美 九(うさみ きゅう)の家にロボットの少女・いちこがやってきます。
        いちこは見た目は人間そっくりですが、心はまだ未完成。そのためホストファミリーと一緒に暮らしながら勉強をするというのです。
        同い年くらいな少女な見た目のいちこに戸惑う九。
        いちこの“心のプログラム”の完成は彼が高校卒業する頃。それまでいちこと一緒に過ごすことになるのですが…。
        物語は九が小学生時点からスタートします。
        いちこが現れたことで、九と九に思いを寄せる幼なじみ・愛の関係に変化が起きます。
        愛はそれまで九の一番近くにいる存在であったのに、いちこにその場を奪われてしまったことで心が揺れるようになるのです。
        中学生編では、それぞれが思春期に向かい自分の気持ちの変化に戸惑う姿が描かれるのですが…。

        いちこはロボット。そのため心もプログラムでしかない…と周りは思っています。
        もちろん九も最初はそう思っているのですが、いちこの天真爛漫さや優しさに次第に思いが変化していきます。
        それを間近で見ている愛は気が気ではありません。
        九といちこと愛の三角関係がどうなっていくのか…。
        自分に素直になれない感じや、あえて気持ちと反対の行動をとってしまう…など、思春期特有の行動にエモさが溢れています。

        描くのは中村ひなた先生。
        繊細な線にふんわりとした絵柄で画面から優しさが溢れ出ています。
        そして…いちこと愛がとにかく可愛いのです!!
        いちこのはにかむ笑顔や愛の複雑な気持ちが表れた表情など…あまりの可愛さにジタバタしてしまいます。

        1コマ1コマじっくりと味わいながら読みたくなる今作。
        少しずつ育っていく各キャラクターの心を感じてください。

少女・女性マンガ

      • 暗殺後宮~暗殺女官・花鈴はゆったり生きたい~ 1

        暗殺後宮~暗殺女官・花鈴はゆったり生きたい~ 1

        ジト目ギザ歯のぼっち、後宮で成り上がる! 数千人の美女達の花園、“後宮”の裏側は、 皇位継承権をめぐるドロドロの底なし沼……!  ジト目でギザ歯、地味で孤独な少女、花鈴(かりん)は そんな後宮に見習い宮女としてやってきた。 実は家伝のスゴ腕暗殺技術をもつ花鈴の願いは“友達が欲しい!”  ...

        皇位継承権をめぐるドロドロの底なし沼である後宮で、極悪文官の娘 花鈴がのし上がる!!

        舞台ははるか昔、古の北祇の国の後宮。
        主人公はジト目ギザ歯でぼっちの王花鈴(おう かりん)。
        彼女の父親は超絶美形で拷問・暗殺は当たり前な残虐非道の極悪文官・王皓(おうこう)だったのです。
        後宮の宮女見習いとして入った花鈴ですが、父の悪名が高すぎて、誰もが恐れ近寄ってきません。
        そんな状況にもめげず後宮で友達を作ろうと頑張りますが、事態は思わぬ方向に進み…!?
        友達が欲しいだけの花鈴。それなのに謀略家の父の印象が強すぎて花鈴も諜報・謀略をしていると誤解をされ、誰も花鈴の話を聞こうとしません。
        花鈴が良かれと思ってやることが、逆に怯えられる結果になるのが不憫に感じます。
        それでもめげない花鈴の姿は、ちょっと滑稽でありながらも応援したくなります。

        この物語はそんな花鈴の頑張りを面白おかしく描くのかと思いきや、それだけでは終わりません。
        舞台は陰謀渦巻く後宮…。とある事件が起きるのです。
        後宮の人員の顔を一通り記憶していた花鈴は、ふとした違和感に気付き皇帝暗殺の間者に気付きます。
        父から暗殺の英才教育を受けてきた彼女は見事間者を退治してしまうのです。

        また病弱の少年皇帝・暁星との運命的な出会いによって、花鈴の気持ちが変化します。
        「めげない、あきらめない」の強い心で友達はできるのか!?
        そして、陰謀渦巻く後宮で皇帝を守り切ることができるのか!?

        後宮を舞台にした作品は人気が高く作品も多くありますが、その中でもドキドキハラハラできる注目の作品です!
        ミステリー要素を含んだ作品となっていますので、『薬屋のひとりごと』がお好きな方に是非読んでいただきたい作品です。

こちらもオススメ!!

惜しくも今月の書店員すず木賞からは漏れたものの、オススメの作品をご紹介!!

書店員すず木

2005年より電子書籍サイトの仕事に携わる、この道10年以上のプロ書店員。
年間に読むマンガの冊数は2000冊以上。
「面白いマンガを多くの人に読んで欲しい」をモットーに、オススメのマンガをご紹介します。

最近の書店員すず木:冬季オリンピックに刺激を受け、スノーボードに行ってきました。
調子に乗ったらものの見事にコケ、大回転しました…。

NHK「むちゃマン」見ていただけましたでしょうか?
サイトに私の作品解説動画も上がっておりますので、見てみてください!

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