小説・文芸 - 角川書店単行本作品一覧

  • 来世の記憶
    3.3
    「あたしの前世は、はっきり言って最悪だった。あたしは、おっさんだった」地球爆発後の近未来。おっさんだったという記憶を持つ「あたし」の親友は、私が前世で殴り殺した妻だった。前世の記憶があるのは私だけ。自分の容姿も、自分が生きてきて得たものすべてが気に入らなかった私は、親友が前世の記憶を思い出すことを恐れている。(「前世の記憶」)「ああもうだめ」私は笑って首を振っている。「うそ、もっとがんばれるでしょ?」「だめ、限界、眠くて」寝ている間に終わった戦争。愛も命も希望も努力も、眠っている間に何もかもが終わっていた。(「眠りの館」)ほか、本書のための書き下ろしを加えた全20篇。その只事でない世界観、圧倒的な美しい文章と表現力により読者を異界へいざない、現実の恐怖へ突き落とす。これぞ世界文学レベルの日本文学。
  • 眠りの神
    3.3
    スイスで黙認されている安楽死=自殺幇助を行う団体のスタッフである若き医師・絵里香は東京で起こった自殺幇助事件の真相を確かめるために日本に渡る。尊厳を守るため死を選ぶことは正しいのか、それとも――。
  • 実像 広島の「ばっちゃん」中本忠子の真実
    4.0
    聖人(マザーテレサ)にされた母は、「人間」でいたかった。  圧倒的な善行を施す一人の女性。だが、その原点は一切謎に包まれていた。  秘してきた情と業に迫り、偶像を求め、作り、弄ぶ時代を撃つ。 ●「ただいま」「おかえり」を知らずに育った子 ●小学生で覚せい剤を親からうたれた子 ●モヤシを盗んで飢えをしのいだ子 etc. 彼らを救ったマザーテレサと呼ばれる人がいる。 本名よりも「ばっちゃん」の通称で知られる女性、中本忠子。 彼女は広島市にあるアパートを拠点に約四〇年にわたり、非行少年をはじめ、 生きづらさを抱える人たちに無償で手料理を提供し、生活の立て直しを支援し続けてきた。 その圧倒的な善行はメディアに取り上げられ、意に反して急速に聖人化される。 ところが、肝心の活動の動機は一切謎のままだった。 本人、親族、そして「家」に集う人々へ取材を重ね、秘してきた情と業に初めて迫る。 それは、偶像を求め、作り、持ち上げては貶める時代の闇を払うことでもあった! 称賛か嘲笑か。二極化する時代、偶像化された者は、その虚像に囚われ続けなければならないのか!? 渾身のルポルタージュ! 【目次】 序 章 「ばっちゃん」と「中本忠子」――二十五秒のスピーチを聞いて 第一章 基町の家――卵焼きを囲んで 第二章 孤独と空腹――立ち直りのために「立て直す」 第三章 「木に登ったが下りられず」――ドーナツの穴を埋め続けて 第四章 平和都市ヒロシマの足下――人々は見捨てられてきた 第五章 母の背中――息子も里親になった 第六章 ルーツ――お嬢様から母に 第七章 遠いところで――祈りは皿に込められた 終 章 家族――よその子であれ、わが子であれ  あとがき  主要参考文献
  • 帝王の誤算 小説 世界最大の広告代理店を創った男
    4.4
    日本最大の広告代理店「連広」の常務に就任した城田毅は、その存在感を示すべく、さまざまな事業の指揮をとる。各業界のトップ企業の広告独占、広告第二位「弘朋社」への圧力など、手段を選ばず強行した。一方、過労死した連広社員の妻だった真美は、「思いやり雇用」制度によって連広に入社し、城田の秘書となった。真美は「この会社に夫は殺されたのだ」と憎悪の心を持って、夫の死の真相解明に乗り出す。しかし城田の間近で働くうち、やがて彼の魅力にも惹かれていく。城田は「帝王」として君臨し、やがて社長に就任するが、後継者として育てた腹心の裏切りに直面する……。
  • 東遊記
    3.0
    唐の時代、大陸にはすべての妖怪を支配する最強の妖怪・蚩尤(しゅう)が封印されていた。その力を完全に葬るため、封印されている蚩尤の眼を富士山に捨てに行く壮大な旅が始まる。その運命は一人の少女に託された!
  • ニードルス
    -
    「その瞬間だった。僕は針生とずっと一緒に生きていくだろう――という直感を得たのは」 1973年夏。都内随一の偏差値の低さを誇る私立高校で、宮本伊織は平凡な日々を送っていた。元プロ演奏者の兄に誘われ、同級生の針生とともにロックバンド〈ニードルス〉を組むことに。ボーカルの針生の持つ天性の「声質」が注目され、人気を獲得していくニードルスだったが、針生との絶望的な才能の差にも気づかされていく伊織は――。
  • 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか
    4.3
    「“その事件”を、口にしてはいけない」 1989年6月4日、中国の“姿”は決められた。 中国、香港、台湾、そして日本。 60名以上を取材し、世界史に刻まれた事件を抉る大型ルポ!! この取材は、今後もう出来ない――。 一九八九年六月四日。変革の夢は戦車の前に砕け散った。 台湾の民主化、東西ドイツの統一、ソ連崩壊の一つの要因ともされた天安門事件。 毎年、六月四日前後の中国では治安警備が従来以上に強化される。スマホ決済の送金ですら「六四」「八九六四」元の金額指定が不可能になるほどだ。 あの時、中国全土で数百万人の若者が民主化の声をあげていた。 世界史に刻まれた運動に携わっていた者、傍観していた者、そして生まれてもいなかった現代の若者は、いま「八九六四」をどう見るのか? 各国を巡り、地べたの労働者に社会の成功者、民主化運動の亡命者に当時のリーダーなど、60人以上を取材した大型ルポ 語り継ぐことを許されない歴史は忘れさられる。これは、天安門の最後の記録といえるだろう。 ●“現代中国”で民主化に目覚めた者たち ●タイに亡命し、逼塞する民主化活動家 ●香港の本土(独立)派、民主派、親中派リーダー ●未だ諦めぬ、当時の有名リーダー ●社会の成功者として“現実”を選んだ者、未だ地べたから“希望”を描く者 etc. 語ってはならない事件を、彼らは語った!!
  • 人生の味わい方、打ち明けよう
    -
    「せっかくの人生じゃないか、自分に冷たくするなよ」――。 香港映画界の伝説的プロデューサーにして、旅の達人。 世界的美食家にして、人生を楽しむ哲人。 「料理の鉄人」辛口審査員としても知られる、アジアが誇る知の巨人の極上エッセイが遂に邦訳!! ジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポー、シー・キエン。香港を代表する俳優たちと数々の大ヒット作品を世界に送り出し、中国語版「座頭市」シリーズは東南アジアで大好評を博す。「料理の鉄人」(フジテレビ)で辛口審査員として鳴らし、中国版ツイッター微博のフォロワー数は980万(2018年4月時点)。島耕二監督はじめ、多くの映画人や文化人と国境を越えて交流を結び、日本へ多くの外国人旅行者を連れてくるインバウンドの先駆者――。人を魅了してやまない著者が語る、食、映画、旅、日本、友、そして人生。 【もくじ】 序 第一章 美食の世界 第二章 故郷の味 第三章 香港映画の世界 第四章 シンガポールの少年 第五章 蔡瀾的日本 第六章 汝の名は 第七章 人生の味 訳者あとがき
  • 鵺

    4.0
    「鵺王」。陸軍少将でありながら「ホトトギス」の俳人であった亡父の俳号だ。 自らも年老い、父に思いを馳せる演出家・充彦のもとに、四十歳年下の女から一本の電話が入る。いい加減、子どもを認知してほしい――。作家としても一線で活躍を続ける充彦だが、私生活は修羅の連続だった。最初の結婚が破談になった折、女優・弥勒黒美とのありもしない醜聞で放送局を退職に追い込まれた。愛人を同い年の演出家に奪われ、その娘しぐれを奪い返し、彼女との間に子を為した。心休まる時のない人生だったが、因縁の女優・黒美と句会で再会したことで、充彦の晩年に思わぬ変化が訪れる。女や父、芝居に小説を語り合い、和解したかに思ったのも束の間、黒美から充彦に宛て軍用トランクが送られてくる。中にあったのは父の字で〈尼港事件〉と書かれた封筒だった――。戦時下の外地で、父は高浜虚子の師事を仰いでいたのだろうか。時空を超え、忌まわしき過去の扉が開いてゆく。久世光彦を髣髴とさせる官能と怪奇、幻想。醜聞の果てに男が見た真実とは。
  • 108年の幸せな孤独 キューバ最後の日本人移民、島津三一郎
    4.0
    キューバ革命、冷戦、国交回復……カリブの小島に住む108歳の日本人移民。新潟県生まれの島津三一郎氏はスイカを育てて暮らしたが、一度も日本に帰国しなかった。なぜか。静かな感動に包まれるノンフィクション。
  • 昭和残影 父のこと
    4.0
    「本の雑誌」の創刊者であり、北上次郎名義で書評家として活躍する目黒考二。ある一冊の本がきっかけで、寡黙な父・亀治郎の意外な過去を知る……。活字や俳句を愛し、自分の信念を貫き、運動家として活動した亀治郎。その足跡を辿りながら、激動の時代と家族の姿を圧倒的な熱量で描きあげる。逝きし世と亡き父に捧げる傑作評伝。
  • 外道たちの餞別
    3.7
    門脇と南部は法学部の学生。門脇の行きつけの居酒屋で起きた客同士のトラブルで、バイトの女性がいたぶられ殺され、その様子が映像に収められてばらまくと門脇たちは脅される。いつか復讐をと願った彼らだが――。
  • マンハッタンラブストーリー
    4.3
    恋に疲れた女がひとり、その店のドアを開けた。その店の名はマンハッタン。こだわりの店長とマンハッタンにやって来る客たちが繰り広げる片思いの連鎖。大人の恋がもうすぐ始まる。クドカンドラマのブルーマウンテン。
  • うぬぼれ刑事
    5.0
    超恋愛体質の刑事・うぬぼれは、捜査に支障をきたすほどほれっぽいが、その恋心が事件解決へと導く。父も元刑事で現在は警察小説執筆中。バーの常連「うぬぼれ5」などクドカンワールド満載の完全シナリオ集。
  • 浪速のロッキーを<捨てた>男 稀代のプロモーター・津田博明の人生
    3.0
    大阪・西成の下町から裸一貫で出発して、ボクシング界に一時代を築き上げた男、津田博明。その成功の礎にいたのは、あの赤井英和だった。世界王者という夢を抱いた男達の熱意と思惑、そして「孤独」。
  • 天翔る旋風 三国志断章
    4.5
    呉の国主・孫策とその腹心の部下・周瑜は幼なじみの親友だった。志半ばにして孫策は斃れ、その遺志をついだ周瑜は赤壁の戦いを経て、やがて自らも病を得てしまう。英雄たちの愛と死を描く感動の歴史群像劇!
  • 月の魔法
    3.8
    小学五年生の昇治は一人で小笠原行きの船に乗った。父親が自殺し、母親に恋人ができたのだ。孤独を抱えた少年を待っていたのは、エーブという恰好いい老人だった。やがて暗い目をした少女・加絵と出会い……。
  • 利権鉱脈 小説ODA
    4.3
    社会主義崩壊から間もないモンゴルのウランバートルで、日本人商社マン・加藤が命を落とした。その12年後、コンサル会社に勤める万里子は、モンゴル担当を命じられ、旧友の死の真相に近づいてゆく…。地下資源をめぐる利権の駆け引きとは。国際派経済小説!
  • 呪術講座 入門編
    3.7
    身近にある咒(まじない)から始まり、式神や結界など、日本の文化と深くかかわり常に表裏一体の関係にある呪術をわかりやすく解説。初心者でもわかりやすい、呪術の基礎知識の決定版!
  • 対怪異アンドロイド開発研究室
    4.3
    「おばけは怖くありません。機械ですから」 彼女にはいくつかの優れた機能がある。話題が無限分岐し堆積していく雑談でも自然言語による受け答えができる。ZMPを見極めながら階段や斜面の昇り降りができる。補給なしに六時間以上の連続稼働ができる。ドアノブを掴んで回すことができる。――おばけが見える。 白川研究室は「出る」と言われる場所や噂を調査する対怪異アンドロイド・アリサを開発した。機械の彼女は、呪いも祟りも受け付けない。ゆえに、恐怖心もない――。深夜に山奥の廃村を調査したアリサは、搭載された機能を駆使して、さまざまな異常を検知する。白川教授の研究テーマに興味を惹かれ、初めて研究室を訪問した新島ゆかりが、アリサが持ち帰ったデータを見ると……。 恐怖を感知しない美麗アンドロイドVS.予測不能な「怪異」。第8回カクヨムWeb小説コンテスト〈ホラー部門〉特別賞を受賞した新感覚ホラー・エンターテインメント!
  • 令和ブルガリアヨーグルト
    3.4
    商品誕生に秘められたドラマ、新入社員の由寿の奮闘が始まる! 吾輩は乳酸菌である。名前はブルガリア菌20388株。 学生時代に読んだネット投稿小説がきっかけでブルガリア菌が「推し」となった朋太子由寿(ほうだいし・ゆず)の日々を温かく見守っている。 「株式会社 明和」に就職した由寿は、配属となった大阪支店量販部で、阪神・淡路大震災のときに活躍した「おでん先輩」のエピソードを聞き感銘を受ける。 入社して一年後、広報部で由寿は社内報の制作を担当することになり、「明和ブルガリアヨーグルト五十周年」特集のために関係社員にインタビュー取材を行ってゆくのだが……。 協力=株式会社 明治
  • 【電子特典付き】冥婚弁護士 クロスオーバー
    4.5
    新米弁護士の祐一はイケメンだが卑屈で毒舌。話の通じない依頼人に日々忙殺されている。そんな彼には人に言えない秘密があった。若くして亡くなった幼馴染・琴子と「冥婚」(生者と死者の結婚)し、幽霊の彼女と暮らしているのだ。琴子は遺書の中で、当時の婚約者ではなく祐一を冥婚相手に指名したのだが、理由は隠されたままだった。 仕事にも口を出すまっすぐな琴子とぶつかりながら成長していく祐一だったが、冥婚にはある真実が隠されていて――。 「Cocoon」シリーズで注目の新鋭による、笑って泣ける〈ゴースト×リーガル〉小説! ※電子書籍版特典として、書き下ろしショートストーリーを収録しています。
  • 空想の海
    3.3
    「緑の子どもたち」 植物で覆われたその家には、使う言葉の異なる4人の子どもたちがいる。言葉が通じず、わかりあえず、でも同じ家で生きざるを得ない彼らに、ある事件が起きて――。 「空へ昇る」 大地に突如として直径二爪ほどの穴が開き、そこから無数の土塊が天へ昇ってゆく“土塊昇天現象”。その現象をめぐる哲学者・物理学者・天文学者たちの戦いの記録と到達。 SF、児童文学、ミステリ、幻想ホラー、ショートショート etc. 書き下ろし『この本を盗む者は』スピンオフ短編を含む、珠玉の全11編。
  • きみはサイコロを振らない
    4.2
    ――人生なんて、しょせんはゲームだ。 中学時代の友人の死が忘れられず、そんな信条で日々を淡々と過ごす高校生の志崎晴(しざきはる)。 「遊ぶと死ぬ」ゲームを探しているという同級生・莉久(りく)に頼まれ、彼女と、呪いの研究をしている大学院生・葉月(はづき)と共に、不審な死を遂げたゲーマー男性の遺品を調べることに。 大量に残されたゲームをひとつずつ遊んで検証する三人。するといつのまにか晴の日常に突然〈黒い影〉が現れるように――。 〈晴くんって、実はもう呪われてない?〉 呪いのゲームはどこにあるのか? その正体と晴の呪いを解く方法は――。
  • 不能共【電子版特典付き】
    4.8
    「貴方のことが大嫌いなんですよ」 目の前で彼女に死なれた男×その彼女の旦那だった男 ふたりの「不能」な男が、最悪の関係性から、かけがえのない存在になる。 愛憎入り乱れ修羅場系&感動BL!! 交際していた恋人・加奈子が既婚者と知った朝陽大輝。 関係を清算しようとしたが、加奈子は朝陽の目の前で自死してしまう。 葬儀後、加奈子の夫・清瀬隆が朝陽の家を訪れる。二人の関係を知っており、「貴方しか加奈子の話が出来る相手がいない」と言い張り、なぜか日々料理を提供する。 清瀬に嫌悪感を抱き彼の作る食事も拒否する朝陽だったが、自分に執着する彼と接するうち、新たに複雑な感情が生まれていく。 ある時、嗜虐心の赴くままに清瀬と接した朝陽は、彼が「不能」であること、その背景にある加奈子との凄絶な関係性を知り――。 ※Web小説サイト「カクヨム」投稿作に大きく加筆修正をし書籍化。 装画=鈴木次郎 *電子書籍版特典として、書き下ろし番外編ショートストーリー「冬と残暑見舞い」を収録。
  • 東大に名探偵はいない
    3.4
    収録作 「泣きたくなるほどみじめな推理」 市川憂人 1995年、憧れの従姉を失った私は、彼女の痕跡を探すため東大の文芸サークルに入った。 「アスアサ五ジ ジシンアル」 伊与原 新 地震研に突然届いた1枚のはがき。虹で地震を予知したという「ムクヒラの電報」との関連は。 「東大生のウンコを見たいか?」 新川帆立 東大卒のミステリ作家・帆立は、親友リリーとともに農学部で起きたウンコ盗難事件の犯人を探す。 「片面の恋」 辻堂ゆめ 五月祭の準備中、クラスメートの熱烈な恋を一瞬にして冷めさせた「片面」の意味とは。 「いちおう東大です」 結城真一郎 美しく完璧な妻がまっさきに提示した新居の条件は、「東大が見えるところ」だった。 「テミスの逡巡」 浅野皓生 (東大生ミステリ小説コンテスト大賞受賞作) 卒業生の医師を取材した学生メディア「UTディスカバー」のもとに、彼は人殺しだという告発状が届く。
  • わたしのアグアをさがして
    3.2
    婚約破棄。勤務先の倒産。そして母からの「あんたみたいに、取り柄がないのにわがままな娘は、男の人で人生が決まるの」という言葉に、趣味で続けてきたフラメンコを取り柄にしようと渡西することを思い立った莉子。 両親に逆らい始めたマドリードでの生活は、自由そのもののように思えたが、日本人コミュニティの狭さや言語と文化の壁、そして日本に置いてきたはずのしがらみが莉子を悩ませる。 そんなスペインの暮らしの中で、フラメンコの開祖と言われる日本人女性と出会い、彼女のフラメンコへの思い、そして踊り手にかける掛け声「アグア」(水=必要不可欠な物)の意味を知った莉子は、自分にとっての「アグア」は何なのかを考え始める。
  • 女を書けない文豪たち イタリア人が偏愛する日本近現代文学
    3.8
    『舞姫』『こころ』『真珠夫人』etc. ああも女心をわからないのは、なぜ?? 古典文学ではあんなに巧みだったのに(嘆) 日本文学を偏愛し、恋愛下手も自認する翻訳者が文学史の誇る「最もくどくてどうしようもない男」たちから謎に迫る。 近現代文学はロマンチックラブとの格闘史だ! <愛>の在り方が変わった近代。 名作を誰もが持つロマンスの黒歴史から読み直すと、偉い「文豪」でなく、恋愛下手で頭にもくるけど可愛らしい「男」たちの素顔が見えてくる。 古典文学の超訳で知られる著者だが、最も読み込んできたのは近現代文学。 文学史の誇る「最もくどくてどうしようもない男」たちを、誰もが持つロマンスの黒歴史から読み直し、日本人の恋愛史まで浮かび上がらせる。 未読でも既読でも楽しめる、ロマンスで読み解く日本近現代文学。 【目次】 はじめに 第一部 恋に恋してるだけ 泣き止めばケロッとするオトコたち  元カノって、忘れなきゃダメですか――『舞姫』  ママの呪縛――『不如帰』  妄想こそはオジサンの生きる道――『蒲団』 第二部 結局のところ、俺様が主人公 意識高い系の憂鬱に悩むオトコたち  大人のこころの謎解き――夏目漱石『こころ』  妖婦は男性によって創られた――谷崎潤一郎『痴人の愛』  男性重視はどうにも隠せない――太宰治『ヴィヨンの妻』  女を・棄てた・遠藤周作――遠藤周作『わたしが・棄てた・女』 第三部 とことんウザい いつまでも諦めないオトコたち  ロマンチック・ラブという「病」――尾崎紅葉『金色夜叉』  「新しい女」まで後一歩は本当か?――菊池寛『真珠夫人』  ほんとうに怖い恋愛の話――江戸川乱歩『人でなしの恋』 おわりに 参考文献一覧
  • レジデンス
    3.4
    学校では成績優秀な反面、夜な夜なひったくりを行っている中学生・望。望の小学生の時の同級生で夜は自転車泥棒に暴行を働いている弓矢とその異母兄・充也。就職活動前に事故にあったことで就職できなくなってしまったフリーターの根岸。 ある晩根岸が充也の元彼女を刺殺、時同じくして弓矢は暴行した自転車泥棒から反撃にあう。 弓矢の暴行シーンに居合わせた充也と望はどんな行動に出るのか……。 湾岸に立つマンション「湊レジデンス」を舞台に錯綜する”衝動”と”本性”を辛辣な視線で描いた群像劇。
  • 学園の魔王様と村人Aの事件簿
    4.0
    ライトノベルが好きな普通の男子高校生・山岸巧(やまぎし・たくみ)は別のクラスの眉目秀麗な生徒・御崎秀一(みさき・しゅういち)に本を拾って貰い、彼のスマートさに憧れを抱く。しかし御崎には、ヤクザの孫だとか、先輩をたたきのめしたなどの不穏な噂があった。ひょんなことから御崎のたぐいまれなる推理力を知った山岸は、彼の助手として学校や町で起こる事件の解決に挑むことに。些細な違和感を見逃さず、魔王・御崎は予想外の真相を導く!
  • 棘の家
    3.4
    穂刈は、クラスで起こるいじめに目を反らすような、事なかれ主義の中学教師だった。 しかし小6の娘がいじめで飛び降り自殺をはかり、被害者の親になってしまう。 加害児童への復讐を誓う妻。穂刈を責める息子。家庭は崩壊寸前だった。 そんな中、犯人と疑われていた少女の名前が何者かにインターネットに書き込まれてしまう。 追い込まれた穂刈は、教育者としての矜持と、父親としての責任のあいだで揺れ動く……。
  • スパイコードW
    3.7
    コロナ禍で欧米の影響力が低下した近未来。強力な新指導者を得た中国が、遂に長年計画していた台湾への武力侵攻に乗り出そうとする。アジア発の世界大戦を防ぐため、旧日本軍最後の特務機関“Ω(オメガ)”が作戦を開始。各地に潜入していた“Ω”のエージェントたちがミッションに挑む。彼らは台湾、そして世界の危機を救うことができるのか? 仕掛けられた切り札「W」とは? スパイたちの一度限りの宴が始まった!
  • 彼女の背中を押したのは
    4.0
    書店に勤めていた妹が、ビルから飛び降りた。相談したいことがあるとメールをしてきたその日に。結婚と同時に上京し平穏に暮らしていた姉・梢子は、妹に何があったのかを探るため、地元に戻り同僚たちに会いに行く。妹を追い詰めたものは何なのか? 母の過剰な期待と父の無関心、同僚からぶつけられた心ない言葉、思うようにいかない恋愛……。妹の過去を辿ることは、梢子自身の傷に向き合うことでもあって――。
  • おんなの女房
    3.6
    ときは文政、ところは江戸。武家の娘・志乃は、歌舞伎を知らないままに役者のもとへ嫁ぐ。夫となった喜多村燕弥は、江戸三座のひとつ、森田座で評判の女形。家でも女としてふるまう、女よりも美しい燕弥を前に、志乃は尻を落ち着ける場所がわからない。 私はなぜこの人に求められたのか――。 芝居にすべてを注ぐ燕弥の隣で、志乃はわが身の、そして燕弥との生き方に思いをめぐらす。 女房とは、女とは、己とはいったい何なのか。 いびつな夫婦の、唯一無二の恋物語が幕を開ける。
  • 虚魚
    3.8
    “体験した人が死ぬ怪談”を探す怪談師の三咲は、“呪いか祟りで死にたい”カナちゃんと暮らしている。幽霊や怪談、呪いや祟り、オカルトや超常現象。両親を事故で亡くした日から、三咲はそんなあやふやなものに頼って生きてきた。カナちゃんとふたりで本物の怪談を見つけ出し、その怪談で両親を事故死させた男を殺すことが、いまの三咲の目標だ。 ある日、「釣り上げた人が死んでしまう魚がいる」という噂を耳にした三咲は、その真偽を調べることにする。ある川の河口で似たような怪談がいくつも発生していることがわかり、ふたりはその発生源を求めて、怪異の川をたどっていく。“本物”の怪談に近づくうち、事情を抱えるふたりの関係にも変化がおとずれて――。 選考委員の絶賛を浴びた第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞<大賞>受賞作。
  • ミラーワールド
    3.5
    「だからいつまで経っても、しょうもない女社会がなくならないのよ」 「男がお茶を汲むという古い考えはもうやめたほうがいい」 女が外で稼いで、男は家を守る。それが当たり前となった男女反転世界。池ヶ谷良夫は学童保育で働きながら主夫をこなし、中林進は勤務医の妻と中学生の娘と息子のために尽くし、澄田隆司は妻の実家に婿入りし義父とともに理容室を営んでいた。それぞれが息苦しく理不尽を抱きながら、妻と子を支えようと毎日奮闘してきた。そんななか、ある生徒が塾帰りの夜道で何者かに襲われてしまう……。 「日々男女格差を見聞きしながら、ずっと考えていた物語です。そんなふうに思わない世の中になることを切望して書きました」――椰月美智子
  • エスカルゴ兄弟【電子特別版】
    4.1
    編集者の尚登は突如クビを言い渡され、何故か料理人として次の職場を斡旋されることに。そこで待っていたのは若手写真家の秋彦。うずまきを偏愛する彼と前代未聞のエスカルゴ料理店を立ち上げることになるが……!?【電子限定、著者サイン入り!】
  • 一番の恋人
    NEW
    -
    道沢一番という名前は、「何事にも一番になれるように」という父の願いで付けられた。 重荷に感じたこともあったが、父には感謝している。「男らしく生きろ」という父の期待に応えることで一番の人生はうまくいってきたからだ。 しかし二年の交際を経て恋人の千凪にプロポーズしたところ、彼女の返事は「好きだけど、愛したことは一度もない」だった――。 千凪はアロマンティック・アセクシャル(他人に恋愛感情も性的欲求も抱くことがない性質)で、長年、恋愛ができないが故に「普通」の人生を送れないことに悩み、もがいていたのだった。 千凪への思いを捨てられない一番と、普通になりたい千凪。恋愛感情では結ばれない二人にとっての愛の形とは。
  • 大谷翔平とホームラン
    -
    年間150試合を解説するMLBジャーナリスト・AKI猪瀬が圧倒的知識と情報量で 「メジャーリーグ×本塁打王」の価値を解き明かす! 日本人、アジア人で初めてMLBでホームラン王を獲得した大谷翔平。偉大なる快挙に世界中が沸いた。 ロサンゼルス・ドジャースに移籍し、打者専任が決まっている2024年シーズンに2年連続戴冠の期待が高まる。 野球の花形であり、ファンをもっとも魅了するホームラン。日本屈指のMLBジャーナリストがその魅力を紐解く。 大谷翔平が2023年に放った全44本はもちろん、歴代名選手も本塁打も徹底解説。 永久保存版の「ホームラン大全」 【目次】 はじめに 日本人初のMLBホームラン王 第1章 2023年シーズン 大谷翔平ホームラン解説 1~22号 第2章 2023年シーズン 大谷翔平ホームラン解説 23~44号 第3章 ホームランの歴史と価値 第4章 ホームランで魅了した男たち 第5章 ホームランに憑りつかれた男たち 第6章 ホームランと年俸の関係性 おわりに 大谷翔平「MLB第2章」の幕開け
  • おいしい話なんてこの世にはない どん底を見たベテラン芸人がいまさら気づいた56のこと
    5.0
    「愛情」と「責任感」をこじらせた男、TKO木本武宏が招いた約7億円の投資トラブル。 絶望の淵に救いの糸を垂らしてくれたのは、心が離れていた相方・木下隆行だった――。 お金、仕事、人間関係……悩みを抱えるすべての人へ。一緒に這い上がれる希望の書。 【目次】 はじめに 第1章 身の程を知る、自分を知る 第2章 不安とどう向き合うか 第3章 成功体験の落とし穴 第4章 世の中とどうやってつき合うか 第5章 生き地獄からどうやって生還するか おわりに
  • 美しく枯れる。
    3.5
    「50代を生きるって、とても大変で、難しい。 それでもオレは、美しく枯れていきたい」 前作『粋な男たち』から約5年半余りのときを経て、 著者・玉袋筋太郎を取り巻く環境は激変した。 2020年、オフィス北野から独立しフリーに。 兄弟弟子である「たけし軍団」から離れ、 「浅草キッド」の相棒である水道橋博士、 師匠であるビートたけしとの距離も遠のいた。 初孫という新しい命に喜びを感じながらも、 母親は認知症を患い施設に入った。 長年連れ添った妻は、ある朝、家から出て行った……。 仕事の人間関係、夫婦仲、家族構成にも変化が訪れる、 波乱万丈な50代――。 「時代遅れ」な昭和の粋芸人が語り尽くした、 悩めるすべての大人たちに捧ぐ、人生後半戦の歩き方。 ●目次 はじめに――50代を迎えて、オレの人生は激変した 第1章 人間関係って大変だよな 第2章 「発酵」した50代の仕事観 第3章 夫婦ってなんだか難しい 第4章 新しい命と消えゆく命とともに 第5章 「人生」のこと、考えてみよっか おわりに――美しく枯れるために
  • 井口ビジョン
    -
    プロ野球では日本一、メジャーリーグでは世界一を経験し、ロッテ監督就任後は佐々木朗希らを育てた。 各場面で井口は何を想い、考え、見据えてきたのか。そしてこの先は――。ユニフォームを脱いで初の著書で赤裸々に綴る。 「幻の2試合連続完全試合」で佐々木朗希はなぜ降板したのか?/王貞治、ギーエン両監督から学んだ勝利哲学 電撃トレードの後に掴んだ2度目の世界一/42歳まで戦力でいられた理由/監督辞任を決めたのは最終戦の試合直前…… 【目次】 はじめに 第1章 王道よりも自主性――プロになるまでのビジョン 第2章 挫折と成長で広がった世界――プロ選手としてのビジョン 第3章 環境整備と意識改革――監督としてのビジョン1 第4章 リーグ最下位から目指す常勝軍団――監督としてのビジョン2 第5章 世界王者・日本が果たすべき役割――未来へのビジョン1 第6章 100年先も野球が愛されるように――未来へのビジョン2 おわりに
  • 夫恋殺 つまごいごろし
    -
    かけつぎ職人の澪子には、結婚十年になる夫の真志がいる。多忙な刑事である真志とはすれ違いの生活が続いていた。募る孤独に耐えかねて二年前に離婚を切り出したが、埋め合わせの約束さえも果たされない惨憺たる状況が続いている。ある日、かけつぎの師匠でもある叔母の店に、初恋の相手で幼馴染の泰生が現れる。時を同じくして、澪子の住む町では倦怠期の夫婦が相次いで亡くなるという事件が起きる……。事件に異常な執着を見せる真志、過剰に干渉してくる泰生。一方で澪子の周りでは、奇怪な出来事が頻発するようになり――。第8回カクヨムWeb小説コンテスト〈特別賞〉受賞作、極上極怖の「家族」ホラー。
  • 殺める女神の島
    3.5
    リゾートアイランドに集められた、外見と内面の美を競い合うコンテストの最終候補者。メンバーは女子高生モデル、経営者、小説家、医師、シェフ、インフルエンサー、大学院生の七人。これから二週間、互いを知りながら、高め合いながら、助け合いながら、最終選考の準備を行う。その日々を見守ってグランプリを決めるはずだった主催者が、二日目の朝、瀕死で見つかった。次々と殺人が起きるなか、巧妙に隠された参加者たちの「嘘」も明らかになっていく――。この中で、一番嘘つきの殺人鬼は誰? 最高に後味の悪いイヤミス長編!
  • 劇場舎人 ずっと売れたい漫才師
    -
    20年前、渋々入った漫才協会で人生が変わった――。 ナイツ塙さんによる、漫才の「舞台」に立つ芸人について綴ったノンフィクション。 2023年6月に漫才協会の7代目会長に就任された塙さんは、 数々のバラエティ番組にて漫才協会で出会った師匠方を紹介してきました。 東洋館の寄席に出演している師匠たちはテレビに出演することがほとんどなく、 さらに舞台だけで生活をしている芸人はごく一部です。 また、テレビに引っ張りだこでどんなに忙しくても、 新ネタを作って定期的に舞台に上がる芸人もいます。 なぜ彼らは舞台に立つのか――。 塙さんにしかできない、独自の視点で紐解きます。 これまで出会った師匠とのエピソードをはじめ、浅草のお笑いについて、 塙さんが漫才協会で行っている改革、 若手やテレビで活躍している人気芸人にも触れ、「舞台の魔力」に迫る1冊です。
  • カラフルな魔女 角野栄子の物語が生まれる暮らし
    4.6
    角野栄子。世界的児童文学作家。88歳。 栄子さんの毎日はなんだか楽しい。 朝はだいたい8時起き。 ちょっぴり手抜きもあるけれど、自分が食べたい朝ごはんを作って食べ夕方まで執筆。 仕事が終わるとお散歩に出かける。鎌倉の海で、とんびに話しかけたり、絵を手帳に描いたり。 まるで遊ぶように、でも大切に暮らす日々。 Eテレの人気番組が映画になりました。そのすべてがこの1冊に詰まった写真満載の公式ブック。
  • みんなこわい話が大すき
    4.4
    ひかりの家の押入れにいる、形も声もなんにもない影みたいなやつ、ナイナイ。 唯一の友達であるナイナイをいじめっ子のありさちゃんに会わせた日から、ひかりの生活は一変した。 ありさちゃんはひかりの親友のように振る舞い、クラスメイトは次々と接近してきて、いつもはつらく当たる母親さえも、甘々な態度をとるように。 絶対に何かがおかしい。疑心暗鬼になったひかりはありさちゃんと距離を置こうとするが、状況は悪化するばかり。 数年後、〈よみご〉と呼ばれる霊能者・志朗貞明のもとに、幼い子供と心中した姉の死の真相を探ってほしいという依頼が舞い込んでいた。 無関係に思える二つの異変は、強大な呪いと複雑に絡み合い……。 第8回カクヨムWeb小説コンテスト〈ホラー部門〉大賞受賞作。
  • 君に選ばれたい人生だった
    -
    多くの共感を呼ぶバンドの楽曲を素に、SNSで人気のメンヘラ大学生が、独自の解釈で物語を紡ぎました。 ◆収録短篇 「あぁ、もう。」 「煙」 「シンデレラボーイ」 「ナイトクロージング」 「ノンフィクション」
  • 百鬼園事件帖
    3.7
    舞台は昭和初頭の神楽坂。影の薄さに悩む大学生・甘木は、行きつけのカフェーで偏屈教授の内田榮造先生と親しくなる。何事にも妙なこだわりを持ち、屁理屈と借金の大名人である先生は、内田百間という作家でもあり、夏目漱石や芥川龍之介とも交流があったらしい。 先生と行動をともにするうち、甘木は徐々に常識では説明のつかない怪現象に巻き込まれるようになる。持ち前の観察眼で颯爽と事件を解決していく先生だが、それには何か切実な目的があるようで……。 偏屈作家と平凡学生のコンビが、怪異と謎を解き明かす。
  • おかえり、めだか荘【電子特典付き】
    3.5
    「めだか荘」でルームシェアをするアラサー女性4人。 恋愛願望が強すぎて上手くいかない遥香、あと少し売れたくて「脱ぐ」か悩む女優の那智、 プロポーズされるも仕事を頑張りたいからと結婚に踏み切れない楓、父親や弟との関係にもどかしさを抱える柚子。 性格や職業がバラバラな4人でも楽しく過ごしていたが、 リニア開通に伴う都市再開発のため、8ヶ月後に退去するよう連絡が来て……。 ――私の人生、これでいいのかな? ●著者コメント 子どもの頃から、物語を想像したり妄想したりすることが好きでした。 文章を書くことも好きだったので、作家になりたいな、なんて思っていた時期もありました。 ですがいざ書き始めても、物語を完結させることができない。読書感想文で褒められることもない。 いつのまにかそんな夢を持っていたことも忘れて、わたしはアイドルになり、いまは結婚もいたしました。 そんなわたしの元に突然現れた小説家デビューのお話。 KADOKAWAさんに助けていただきながら、人生で初めて物語を完結させることができました。 特別に教養があったり、詩的センスがピカイチではないわたしに何が書けるだろう、と不安でしたが、 これまで経験してきたことを武器に、そして今のわたしにしか書けないものになったかなと思います。 人生何があるかわかりません。何年越しに忘れられていた小学生の時の夢が叶ってとても嬉しいです。 たくさんの方に手に取っていただけますように。
  • 野球ヲタ、投手コーチになる。 元プロ監督と元生物部学生コーチの京大野球部革命
    4.6
    最下位が定位置の京大野球部に2人の革命児が現れた。 1人は元ソフトバンクホークス投手の鉄道マン・近田怜王。 もう1人は灘高校生物研究部出身の野球ヲタ・三原大知。 さらには、医学部からプロ入りする規格外の男、 公認会計士の資格を持つクセスゴバットマン、 捕手とアンダースロー投手の二刀流など…… 超個性的メンバーが「京大旋風」を巻き起こす! 甲子園スターも野球推薦もゼロの難関大野球部が贈る青春奮闘記。 『下剋上球児』『野球部あるある』シリーズ著者の痛快ノンフィクション。
  • 不器用で【電子版特典付き】
    3.9
    年間100冊を読破、無類の読書好きで知られるニシダがついに小説を執筆。 繊細な観察眼と表現力が光る珠玉の5篇。 【収録作品】 「遺影」 じゃあユウシはアミの遺影を作る担当な――。中1の夏休み、ユウシはいじめられている女子の遺影を作らなくてはいけなくなった。 貧しい親のもとに生まれたアミと僕とは同じタイプの人間なのに……。そう思いながらも、ユウシは遺影を手作りし始める。 「アクアリウム」 僕の所属する生物部の活動は、市販のシラス干しの中からシラス以外の干涸びた生物を探すだけ。 退屈で無駄な作業だが、他にやりたいこともない。同級生の波多野を見下すことで、僕はかろうじてプライドを保っている。 だがその夏、海釣りに行った僕と波多野は衝撃的な経験をする。 「焼け石」 バイト先のスーパー銭湯で、男性用のサウナの清掃をすることになった。 大学の課題や就活で忙しいわたしを社員が気遣って、休憩の多いサウナ室担当にしてくれたらしいのだが、新入りバイトの滝くんは、女性にやらせるのはおかしいと直訴したらしい。 ありがた迷惑だと思っていたわたしだったが――。 「テトロドトキシン」 生きる意義も目的も見出せないまま27歳になり、マッチングアプリで経験人数を増やすだけの日々を送る僕は、虫歯を治さないという「消極的自死」を選んでいる。 ふと気が向いて参加した高校の同窓会に、趣味で辞書をつくっているという咲子がやってきた。 「濡れ鼠」 12歳年下の恋人・実里に、余裕を持って接していたはずの史学科准教授のわたし。 同じ大学の事務員だった彼女がバーで働き始めてから、なにかがおかしくなってしまった。 ある朝、実里が帰宅していないことに気が付いたわたしは動転してしまう。 【電子版特典】 あとがき
  • プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生
    5.0
    巨人、西武の投手として19年の現役生活を終え、2022年に引退した内海哲也。 「自称・普通の投手」を支え続けたのは「球は遅いけど本格派」だという矜持だった。 2003年の入団後、圧倒的努力で巨人のエースに上り詰め、 金田正一、鈴木啓示、山本昌……レジェンド左腕に並ぶ連続最多勝の偉業を達成。 6度のリーグ優勝、2度の日本一、09年のWBCでは世界一も経験するなど順調すぎるキャリアを重ねたが、 まさかの人的補償で西武へ移籍。失意の中、ある先輩から掛けられた言葉が内海を奮い立たせていた。 内海は何を想い、マウンドに挑み続けたのか。今初めて明かされる。
  • メメンとモリ
    4.2
    身も蓋もない言葉の中にだけ、 希望を見出せるときもある。 ヨシタケシンスケが描く 「人は何のために生きてるの?」の話。
  • 隠居おてだま
    3.5
    老舗糸問屋・嶋屋元当主の徳兵衛は、還暦を機に隠居暮らしを始めた。 風雅な余生を送るはずが、巣鴨の隠居家は孫の千代太が連れてきた子供たちで大にぎわい。 子供たちとその親の面倒にまで首を突っ込むうち、新たに組紐商いも始めることとなった。 商いに夢中の徳兵衛は、自分の家族に芽吹いた悶着の種に気が付かない。 やがて訪れた親子と夫婦の危機に、嶋屋一家はどう向き合う? 笑いあり涙ありの人情時代小説『隠居すごろく』、待望の続編!
  • 28歳フリーターが総理大臣と総選挙で戦ってみた
    3.7
    30代を目前にフラフラしていた大河冬也は、政治系ユーチューバーとして人気を獲得し、与党の幹事長代理・真坂尊に対談を申し込む。尊の秘書であり息子の喬太郎は、冬也のカリスマ性に注目し、尊を党首とする新党の候補者として冬也を衆議院解散総選挙に出馬させようとする。喬太郎の申し入れを受け総選挙に立候補した冬也は、ユーチューバーならではの斬新なアイディアを掲げて当選。ユーチューブを利用した生配信などで若者を中心に国民的な人気を博すが、やがて政権内の権力争いに巻き込まれていくのだった。
  • ふれあいサンドイッチ
    3.7
    仲の良い姉妹・笹子と蕗子が営む小さなサンドイッチ専門店『ピクニック・バスケット』。 ここには悩みを抱えた人々が、心を癒す絶品サンドイッチを求めてやってくる。 ある日、蕗子はパンダのアップリケが付いた手作りのパスケースが店内に落ちているのを発見した。 密かに想いを寄せるパン職人・川端さんが持っていたものと似ている。 持ち主は誰だろうとやきもきして……。 「思い出のとき修理します」の著者が贈る優しい感動の物語。
  • コロナの夜明け
    5.0
    始まりは、感染症研究者の生月碧にかかってきた1本の電話だった。「中国・武漢で未知のウイルス感染症が発生」。その新型コロナウイルスは、世界全体を巻き込む未曾有のパンデミックを引き起こした。碧は連日メディアに出演し、正しい感染症対策を訴え続ける。しかし、政府の対応は後手後手に終始、やがて緊急事態宣言が発出されるも感染者数は爆発的に増えていく――。それでも諦めない碧は、志を同じくする医師の石橋や保健所の鈴木たちとともに、懸命に闘い続ける。この暗闇の先に、きっと「夜明け」があるはずだと信じて。
  • 名探偵の生まれる夜 大正謎百景
    3.9
    大正七年の秋、与謝野晶子は大阪で宙に浮かんでいた。夫である鉄幹と共に通天閣の足元に広がる遊園地「ルナパーク」を訪れたものの、夫の言葉に血がのぼり彼を置き去りにひとりでロープウェーに乗ったのだ。電飾まぶしい遊園地を見下ろし、夫婦というものの不確かさを嘆く晶子。そのとき突然ロープウェーが止まり、空中で動かなくなって……。(「夫婦たちの新世界」) 遠野には河童や山男など不思議なものがたくさん潜んでいるという。隣村を目指して朝もやの中を歩いていた花子は、「くらすとでるま…」という不思議な声を聞く。辺りを見回すと、そこには真っ赤な顔の老人がいた。かつて聞いたむかしばなしに出て来る天狗そっくりの老人から逃げ出そうとする花子だったが、今度は黒い頭巾に黒い蓑をまとった怪しい男から「面白い話を聞かせてくれないか」と尋ねられ……。(「遠野はまだ朝もやの中」) ほか全8篇。
  • 小説の小説【電子特典付き】
    4.0
    本格ミステリ界にその名を轟かせる似鳥鶏の新境地は、“メタ・フィクション”! 私たちの知る「小説」は、様々な「決まりごと」の上に成り立っている。 無意識下の常識を逆手に取った、ルール無用の超次元小説! ▼各話紹介▼ 「立体的な藪」……いつものように殺人に出くわしてしまった名探偵。華麗な活躍で事件が解決したはずだったそのとき、思わぬ“伏兵”が推理を始め――!? 「文化が違う」……異世界転生し、チート能力で無双する。誰もが夢見るシチュエーションで、最大の敵は、言葉の“イメージ”だった!! 「無小説」……「小説」とは何か、「書く」とは何か。創作の限界に挑む、禁断の×××小説! 「曰本最後の小説」……新法が成立し、検閲が合法化された「曰本」。表現の自由が脅かされる中、小説家の渦良は、あらゆる手を尽くして作品を書き続ける。 ※紙書籍版カバー裏には、特別書き下ろし短篇「噛みつき小説」を収録。 ※電子書籍版巻末には、特別書き下ろし短篇「夫の日記帳」を収録。
  • 三世代探偵団 春風にめざめて
    2.0
    女子校、興津山学園に通う天本有里は、祖母と母の三人暮らし。天才画家の祖母・幸代と、生活力皆無な母・文乃と暮らすうち、いつしかしっかりものになってしまった。 有里が映画のプレミア上映の会場で出会った矢ノ内香は、不思議な火災で父母を亡くし恩師・宮里を頼りに上京したところ、宮里に裏切られたという。 しかも、香のカバンの中から切断された指が発見された。 この指は一体誰の者なのか。香を襲った不思議な火災の真相とは──。
  • 煉獄蝶々
    -
    明治三十八年、岡山。名家・大鹿家に拾われた一人の赤子。保和と名付けられた彼は、大鹿の養子として乳母の春に育てられることに。春の語る残酷な怪異譚を聞きながら、愛憎渦巻く名家で青年となった彼は、この世ならざるものを感じることができた。昭和四年、失踪していた文学の師で放蕩者の作家・金光から保和に帳面が届く。そこには、自ら殺し、そして蘇らせた妻とのおぞましくも妖しい旅行記がつづられていた。金光の記録に魅せられ、読みこんでいくうちに精神を浸食される保和。日常さえも次第に歪められていく中、彼はことの真相を確かめるべく、金光夫妻が逗留しているという新嘉坡へ向かう。
  • 結婚するとは思いませんでした。
    完結
    4.5
    ずっと一人で生きると思ってた \BTSのRMも読んだ!/ 韓国で大人気! 結婚+猫のコミック・文章エッセイ 「『男はこうすべきで、女はこうすべき』という恋愛セオリーがある。それに従わないと妻がいなくなる気がして不安だった。でもそれを捨てて初めて、僕らの本当の恋愛は始まった。」 韓国で大人気の漫画家「ジェス」のイラストエッセイ。恋とは無縁で寂しがりやだった「僕」が「隊長」と出会い結婚し、3匹の元野良猫とくらす日常を描く。 「ここに書いてくれた嫌いなこと10個は、これからも絶対にしないから、僕とつきあいませんか?」 恋と無縁だった漫画家「ジェス」が「隊長」と出会い結婚し、3匹の元野良猫とくらすことに。韓国で大人気のイラストエッセイ。 装画・漫画 ジェス 装丁 名和田耕平デザイン事務所 目次 1章 僕らの出会い 2章 結婚したとたん4人家族 3章 隊長! 僕の隊長 4章 これからは5人家族 5章 ジェスの話 6章 一緒に歩く
  • あさとほ
    3.5
    幼い頃、夏日(なつひ)の目の前で双子の妹・青葉(あおば)は「消失した」。両親を含めた誰もが青葉のことを忘れてしまい、彼女を覚えているのは、夏日と、消失の瞬間を一緒に目撃した幼馴染の明人(あきと)だけだった。青葉の消失が忘れられないまま大学生となった夏日は、所属する国文学研究室の教授が失踪したという報せを受ける。それには「あさとほ」という、平安時代に書かれた物語が関わっているらしい。教授の行方と未詳の物語「あさとほ」を追う夏日は、十数年ぶりに明人と再会し、共に調査をすることになる。二人が「行方不明の物語」の正体に辿り着くとき、物語は大きくその姿を変える。
  • セレナーデ【電子特典付き】
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    シンガーUruが自身の楽曲を元に書いた短編集、デビュー記念日に発売! ライブ会場での朗読やファンクラブ会員限定で発表している自身の曲を素に書かれた短篇物語「しあわせの詩」「鈍色の日」、そこに書き下ろし「セレナーデ」を加えて刊行いたします。 また、物語の元になる「セレナーデ」はドラマ日曜劇場『マイファミリー』の主題歌としても話題を呼ぶニューシングル「それを愛と呼ぶなら」のカップリングとして収録されます。 ■収録作品■ 「しあわせの詩」 私は病院で不思議な光を浴びてから、体に異変を感じるようになる。夫と息子の3人の幸せな日々に、予測できない奇妙な運命が待っていた。 「鈍色の日」 僕が自死を決意した日、実家で暮らす母から荷物が届いて――。 「セレナーデ」  摂食障害で悩んでいる、高校三年生の葵。ある出来事を境に、恋人の隼人、幼馴染の陽との関係が崩れていく。瑞々しい青春群像劇。 ※電子特典として、巻末にUruからのメッセージを収録しています。
  • さよならに反する現象
    3.7
    心霊写真の合成が趣味の僕が撮影をしていると、一人の女性がカメラに映りこんできた。しかし撮影されたデータには無人の交差点が映っているだけだった。映りたがりの幽霊、悠川さんがこの世に残した未練とは……?(『悠川さんは写りたい』より) ほか、乙一が贈る恐ろしくて切ない出会と別れの短編集。
  • 彼女が知らない隣人たち
    3.8
    地方都市で暮らす三上咏子は、縫製工場でパートとして働きながら、高校生の翔琉と小学生の紗希、夫の丈史と平凡な毎日を送っていた。ある日の夕方、駅近くの商業施設から白い煙が上がるのを目撃。近くの塾に通う息子が気になり電話を掛けるが、「誰かが爆弾を仕掛けたテロだ」と興奮して語る様子に違和感を覚える。翌日、今度は市立図書館でも同様の事件が発生。いったいなぜこの町で、こんなことが? 咏子は今まで気にも留めなかった、周囲の異変に気がついていく……。
  • もし、プロのスコアラーがあなたの野球チームにいたら何をやるか?
    3.0
    <アマチュア野球にはデータ分析への「誤解」がある> プロ野球ならいざしらず、アマチュア野球に関していえばデータ分析を取り入れるのが難しいというのも理解できます。まず、そもそも人手が足りません。もちろん、時間もお金もないでしょう。状況的に、データ分析すること自体が難しいのです。「データがあれば有利になるけれど、とてもじゃないが手がつけられない」というのが実情だと推測します。 確かにそのとおりです。後述しますが、わたしはこのなかでも、特にデータ分析を担う人手を確保することについては、もっともハードルが高いと考えています。 その一方、「最初からあきらめるのは、もったいないことではないか?」とも思っています。なかなか一歩目を踏み出すことができない背景には、「そこまでする重要性や必然性はないのでは?」と思ってしまう「誤解」があるからだと見ています。これまでに、わたしがよく耳にしてきたものをいくつか挙げてみましょう。 1、アマチュア野球の多くはリーグ戦ではなくトーナメント方式による一発勝負なので、データを取る意味がそこまでない。 2、データ分析をするには、ひとつの相手に対して複数の試合データを取らなくてはならないので、とてもやりきれない。 3、映像がないとデータは取れない。映像を撮るための道具や設備がない。あるいは、ルール上、映像を撮ることが禁止されている。 4、そもそも、正確なデータを取れない。そういった能力を持った人材がチームにいない。 5、データ分析をして攻略のプランを立てたとしても、そのとおりに選手が動けない。 ざっと、このようなところでしょうか。これらの誤解に対して、本書で一つひとつクリアにしていきます――(第1章より)
  • オオルリ流星群
    4.0
    「あのときのメンツ、今みんなこっちにいるみたいだぜ」「まさか、スイ子か? なんでまた?」スイ子こと、山際彗子が秦野市に帰ってきた。手作りで太陽系の果てを観測する天文台を建てるというのだ。28年ぶりの再会を果たした高校時代の同級生・種村久志は、かつての仲間たちと共に、彗子の計画に力を貸すことに。高校最後の夏、協力して巨大なタペストリーを制作した日々に思いを馳せるが、天文台作りをきっかけに、あの夏に起きたことの真実が明らかになっていく。それは決して、美しいだけの時間ではなかった。そして久志たちは、屈託多き「いま」を自らの手で変えることができるのか。行き詰まった人生の中で隠された幸せに気付かせてくれる、静かな感動の物語。
  • 庭は私の秘密基地
    3.5
    子育てが一段落し、何にも左右されない「個人的幸福」の追求を続ける銀色さん。 あるとき美しいハーブ園に出会ったことをきっかけに、新たなテーマで理想の庭づくりを始めることにしました。 タイル貼りのテラス、小石の通路、大好きな桂の葉の匂い……細かいところまで自分ごのみに作った、自分だけの庭。 計画通りにいかないこともあるけれど、生き生きと茂る植物との暮らしは、素敵な発見の連続です。 日々工夫を重ねながら考えていたことや、四季折々の草花を見つめて感じたことを、写真とともに辿ります。 〈目次より〉 ・庭という結界 ・雑草の花の素敵さ ・バナナの木との長い戦い ・上から下を見る ・テイカカズラのいい匂い ・田の神さあ ・庭の植物でいろいろ ・窓は額縁 ほか多数
  • 五つの季節に探偵は
    3.7
    人の心の奥底を覗き見たい。暴かずにはいられない。わたしは、そんな厄介な性質を抱えている。 高校二年生の榊原みどりは、同級生から「担任の弱みを握ってほしい」と依頼される。担任を尾行したみどりはやがて、隠された“人の本性”を見ることに喜びを覚え――。(「イミテーション・ガールズ」) 探偵事務所に就職したみどりは、旅先である女性から〈指揮者〉と〈ピアノ売り〉の逸話を聞かされる。そこに贖罪の意識を感じ取ったみどりは、彼女の話に含まれた秘密に気づいてしまい――。(「スケーターズ・ワルツ」) 精緻なミステリ×重厚な人間ドラマ。じんわりほろ苦い連作短編集。
  • 求めよ、さらば
    3.7
    志織にとって夫の誠太は、何よりの理解者であり味方だった。しかしある日突然、誠太は失踪。残された手紙には「志織にひどいことをした、裏切り者だ」と書かれていた。信頼していた彼の愛は偽物だったのか――?
  • あいちゃんとおかあさんのやくそく
    -
    ぜったいに とちゅうで なげださないこと。 ちいさなあいちゃんが、お母さんとしたたった一つの約束。 卓球はもちろん、何かスポーツをはじめようと思っているきみへ。 お絵かきでも、音楽でも、熱中したいことのあるきみへ。 この物語は、すべてのがんばるきみたちへのエールです。
  • 博多さっぱそうらん記
    3.4
    生粋の博多っ子のかなめは、高校時代に片思いをしていた博と再会。しかし博はアンチ博多人間になっていた! ふたりは突然、「福岡」の文字がすべて「博多」に入れ替わった「羽片世界」に迷い込んでしまい!?
  • 世界を超えて私はあなたに会いに行く
    完結
    3.8
    号泣度100%!! 【韓国で10万部突破】【ドラマ&映画化決定!】 母のいない少女ウニュのもとに、1982年を生きる別の少女ウニュから手紙が届く。その手紙には母を探しだしてくれるとあるが…。失った家族を取り戻すタイムリープ物語。 ●あらすじ 【第8回文学トンネ青少年文学賞大賞作品】 15歳のウニュは、自分に無関心な父と会話のない2人暮らし。生まれたときから母はおらず、どうしていないのかも父は教えてくれない。ある日、同じ名前の少女ウニュから手紙が届く。そのウニュは1982年に生きていると言う。最初はいたずらかと怒るウニュだったが、「幸運のコイン」をきっかけに、この不思議な手紙を信じるようになる。過去のウニュは、未来のウニュのために母を探しだし、なぜいなくなったのか調べてくれると言うが…。韓国で10万人が泣いた、失った家族を取り戻すタイムリープ物語。 この本に関わった人みんなが泣いた感動作!(翻訳者、編集者、画家、デザイナー) ●過去のウニュから未来のウニュへの手紙より  あのね。あなたのお母さんは生きてるんじゃないかな? とにかく、私たちに想像もつかない何かが、どうしても知られたくない秘密があるのは間違いないと思う。  こうして違う世界に暮らしてる私たちが手紙をやり取りするってことは、私たちに特別な何かがあるってことかもしれないでしょ。だから、私がちょっとあなたの手助けをしてあげるっていうのはどう?  過去の中のあなたの両親を探して、あなたのお母さんの秘密を明らかにするの。あなたは私の未来に力を貸して。
  • 7年
    3.3
    これぞ新しいタイムリープノベル。 電撃小説大賞受賞の著者が贈る感動作! 2020年10月、新型コロナウイルスが蔓延し世界が混迷を深める中、上司や部下にも見放され、家庭も崩壊――。何もかもうまくいかず、ついに急性肝炎で入院してしまった五百旗頭(いおきべ)照夫は急激な立ちくらみに襲われ、目覚めるとなぜか7年前の世界に戻っていた。やがて、1日を経るごとに7年前にタイムリープすることに気づいた照夫は、自身が起こしてきた過去と向き合っていく……。自分はどこで間違ってしまったか? そして未来を変えることができるのか?
  • 君の顔では泣けない
    4.0
    高校1年の坂平陸は、プールに一緒に落ちたことがきっかけで同級生の水村まなみと体が入れ替わってしまう。いつか元に戻ると信じ、入れ替わったことは二人だけの秘密にすると決めた陸だったが、“坂平陸”としてそつなく生きるまなみとは異なり、うまく“水村まなみ”になりきれず戸惑ううちに時が流れていく。もう元には戻れないのだろうか。男として生きることを諦め、新たな人生を歩み出すべきか――。迷いを抱えながら、陸は高校卒業と上京、結婚、出産と、水村まなみとして人生の転機を経験していくことになる。
  • 翡翠色の海へうたう
    4.2
    派遣社員、彼氏なし、家族とは不仲。冴えない日々を送る葉奈は作家になる夢を叶えるべく、戦時中の沖縄を舞台に勝負作を書くことを決める。しかし取材先で問題の当事者ではない自分が書くことへの覚悟を問われ……。
  • 天使に賭けた命 天使と悪魔 10
    -
    落ちこぼれ天使のマリと、地獄から追い出された悪魔のポチ。なぜか映画のオーディションを受けることになったマリだが、そこで事件に巻き込まれ!?
  • おおかみこどもの雨と雪 角川アニメ絵本
    4.7
    1~6巻1,760~1,870円 (税込)
    おおかみこどもとして生まれてきた「雨」と「雪」。人間でもあり、狼でもある姉弟は、いろいろな事件に遭遇し、それぞれの想いを胸に成長していく。人間として生きるのか? それとも…。そして、そのとき母は…。
  • 黒牢城
    完結
    4.1
    本能寺の変より四年前、天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の軍師・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか。戦と推理の果てに村重は、官兵衛は何を企む。デビュー20周年の到達点。『満願』『王とサーカス』の著者が挑む戦国×ミステリの新王道。
  • 声の在りか
    4.0
    日常に息苦しさを感じるあなたへ贈る物語。 「こんなところにいたくない」パート帰りの希和が見つけたのは、小学四年生の息子・晴基とそっくりの筆跡で書かれた切実なメッセージだった。本人に真意を問いただすことも夫に相談することもできない希和は、晴基が勝手に出入りする民間学童『アフタースクール鐘』で働きはじめる。マイペースな経営者・要や子どもたちに振り回されながらも、希和はいつの間にか自分の考えを持たない人間になってしまっていたことに気付く。周囲から求められるものでも、誰かからの受け売りでもない、自分自身の言葉を取り戻すためにひとりの女性が奮闘する、大人の成長小説!
  • 終活の準備はお済みですか?
    3.6
    『県庁の星』の著者が贈る、超高齢化時代に必読の¨エンディング¨小説! ◆終わりに直面した人々の、それぞれの「終活」 1.鷹野亮子 五十五歳……独身・子無し・仕事一筋で生きてきたキャリアウーマンの「終活」 2.森本喜三夫 六十八歳……憧れの長兄が認知症になった後期高齢者三兄弟の三男の「終活」 3.神田 美紀 三十二歳……仕事と育児に母親の介護が重なり絶望するシングルマザーの「終活」 4.原優吾 三十三歳……突然のガン宣告で人生が一変した若き天才シェフの「終活」 5.三崎清 五十三歳……七十歳で貯金ゼロの未来予想図を突き付けられた終活相談員の「終活」
  • ひきなみ
    3.9
    小学校最後の年を過ごした島で、葉は真以に出会った。からかいから救ってくれたことを機に真以に心を寄せる葉だったが、ある日真以は島に逃げ込んだ受刑者の男と一緒に島から逃げ出し、姿を消してしまう。裏切られたと感じた葉は母に連れられ東京へ戻るが、大人になって会社で日々受けるハラスメントに身も心も限界を迎える中、ある陶芸工房のHPで再び真以を見つける。たまらず会いに行った葉は、真以があの事件で深く傷ついていることを知り――。女であることに縛られ傷つきながら、女になりゆく体を抱えた2人の少女。大人になった彼女たちが選んだ道とは。
  • 見えない星に耳を澄ませて
    3.6
    音大のピアノ科に通う曽我真尋は、たまたま参加した大学の授業で人の心を薬のように癒す音楽もあることを知り、三上先生の診療所で音楽療法士の実習を受けることにした。大人の声に耳を閉ざす少女、キラキラと飾った虚構の自分しか愛せないパーソナルスタイリスト、探し求めた愛情を見付けられず無気力に生きる中年男性……様々なクライエントと音を通じて向き合ううちに、真尋自身も自分が抱えた秘密と向き合うことになり――。 私たちはこんなにも弱くて、脆い。それでも生きることから、逃げられない。美しい旋律と共に、生き抜く強さを与えてくれる感動の一冊。
  • ジブリの鈴木さんに聞いた仕事の名言。
    4.0
    こんなリーダーがほしかった! スタジオジブリの名プロデューサー鈴木敏夫によるジブリ流、仕事のヒント。仕事に行き詰っている人、未来に不安がある人など必携の1冊。仕事で大切なことってなんだろう。
  • 夢幻の街 歌舞伎町ホストクラブの50年
    3.6
    「どうせ社会の側の人たちが僕らに理解を示してくれることなんてないでしょう」 これは、生きる場所を求めて歌舞伎町に集まった若者たちの、泡のように淡い夢と重い現実の物語である。 新型コロナの震源地と呼ばれた「夜の街」とは? 新宿歌舞伎町という虚構と真実の入り混じる街で、ホストたちはどんな半世紀をたどってきたのか。ホストブーム、浄化作戦、東日本大震災、愛田武の死、そして新型コロナ……激動の街を描くノンフィクション。
  • 小説 滑走路
    4.3
    いじめや非正規雇用など、自らの経験をテーマに短歌を発表し続けた萩原慎一郎。その初の作品集にして遺作となった歌集『滑走路』は、異例のヒットとなった。 同書を原作とする2020年秋公開の映画「滑走路」の小説版を、藤石波矢が執筆。 厚生労働省で働く若手官僚の鷹野は、激務の中で仕事への理想も失い無力な自分に思い悩んでいた。ある日、陳情に来たNPO団体から、非正規雇用が原因で自死したとされる人々のリストを持ち込まれ、自分と同じ25歳で自死した青年に関心を抱き、その死の理由を調べ始める――。 一方、30代後半に差し掛かり、夫との関係性や将来への不安を抱える切り絵作家の女性、幼なじみをかばったことでいじめの標的にされてしまった中学2年生の学級委員長の男子は、それぞれのフィールドで精いっぱい日々の生活を送っていた。 複数の人生が交差し、葛藤しながらも前に進む姿を描いた人生賛歌の物語。 映画の主演を務めるのは水川あさみ。切り絵作家・翠役を演じる。非正規雇用者の自殺問題に向き合う25歳の官僚・鷹野役に浅香航大、いじめの標的にされる中学2年生の学級委員長役に寄川歌太。脚本は『やめるときも、すこやかなるときも』の桑村さや香、監督は『マチネの終わりに』の監督助手を務めた大庭功睦。
  • 空想クラブ
    3.8
    吉見駿は空想好きな中学生。祖父から受け継いだ「能力」によって、見たい風景を「見る」ことができる。小学生のときの親友・真夜の葬儀の帰り道、駿は河川敷で幽霊となった彼女に再会する。川で溺死した真夜は、死の瞬間の謎のために河川敷の、半径二十メートルの範囲に捕らわれてしまったという。塾からの帰宅途中、河川敷を自転車で走っていた真夜は川の方から「助けて!」という叫び声を耳にした。少女が溺れていることに気付いた彼女が川に入ったそのとき、木の枝を踏んだような音と共に意識を失ったという。「能力」のためか、自分だけが真夜の姿を見ることができると知った駿は、仲間と共に彼女の死の真相を探っていく。溺れていた少女を捜していくなかで、町の不良・郷原の関わりが見えてくるが……。
  • 京大はんと甘いもん
    3.6
    サラリーマンの櫻馬彰は、会社でのストレス発散のため、発作的に京都へ。そこで祖父が好きだった和菓子を買いに行く。けれどなんと精神だけタイムスリップし、祖父本人として昭和初期の京大生として暮らすことに…
  • 力をぬいて
    4.0
    銀色流生き方エッセイ。 ―外的要因に左右されない個人的幸福の試み― 「すべての恋愛は片思いである」「人との関係」「私と仕事」「未完成さを受け入れる」など99のテーマについて、真摯に書き綴った随筆集。30年にわたる執筆活動を通して自問自答してきた2019年時点での結論を一冊に凝縮。
  • 誰も知らない高橋大輔
    -
    2018年、突然の4年ぶり現役復帰を表明し、世間を賑わせたフィギュアスケーター・高橋大輔選手。同年の全日本選手権では、2位に輝きました。長いブランクを経た後の演技は、これまでと同じく多くの人びとを魅了し、勇気や感動を与えてくれました。 本書は、そんな高橋大輔選手に19歳の頃から密着取材を続けてきた、関西テレビ放送株式会社で担当ディレクター(当時)居川大輔氏による初の著書です。 関西テレビで放送された同名のドキュメンタリー番組「誰も知らない高橋大輔」および「新・誰も知らない高橋大輔」を元に、約13年間の記録を再構成し書籍化しています。 ※高橋選手の高は、はしごだかです。
  • ドラフト最下位
    4.0
    ある年に、最後に名前を呼ばれた男たちを追って――。 球界の片隅にあった驚き、苦悩、思いがけない栄光を描く。 公式戦登板なしでプロ入りした男 高橋顕法/再生された男 田畑一也/最下位から千葉の誇りになった男 福浦和也/最下位を拒否した男 高瀬逸夫/球団幹部に出世した男 大木勝年/日米野球でやってきた男 鈴木弘/隠しダマの男 清水清人/9並びの男 吉川勝成/ゼロ契約の男 橋本泰由/勘違いしない男 松下圭太/2年連続最下位指名を受けた男 由田慎太郎/ありえなかった男 三輪正義/ポテンシャルが眠る男 鈴木駿也/怪物だった男 伊藤拓郎/1と99の男 今野龍太/育成の星になった男 長谷川潤
  • 時喰監獄
    3.3
    第六十二番監獄。明治の初めに北海道の奥地に建てられたその監獄は、収監されれば二度と出られないという噂から、〈黒氷室〉の異名で恐れられていた。〈黒氷室〉行きとなった青年・北浦は、奇妙な囚人たちに出会う。三度目の脱獄を目論む不死身の男・赤柿、帝都の私立探偵だという浮世離れした美青年・御鷹、そして閉ざされたはずの監獄に、ある日突然現れた記憶喪失の男。こいつは誰で、どこからやってきたのか? 謎を探るうち、北浦は監獄の〈本当の目的〉を知る!
  • よこがお
    4.0
    ある女のささやかな復讐。「無実の加害者」になった看護士の市子。絶望の淵で、なおも生きる彼女の決意。『淵に立つ』でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞した深田晃司が自ら描いた原作小説!
  • 日本の天井 時代を変えた「第一号」の女たち
    4.8
    女たちは、偏見と迷信を破り続けた。 超えたもの、そして未だ超えられぬものとは!? 「女」を追いかけ続ける著者が描く、闘いの時代史。 無数の声なき女性たちの嘆き、悲しみ、憤怒の声が、彼女たちの歩を進めた。 ・女性初の一部上場企業役員となった、高島屋取締役の石原一子。 ・囲碁界で女性初の高段者となった棋士、杉内壽子。 ・男女雇用機会均等法を推し進めた、労働省初代婦人局長の赤松良子。 ・登山家でエベレスト登頂を成し遂げた、田部井淳子。 ・『ベルサイユのばら』で歴史漫画を女性で初めて成功させた、池田理代子。 ・NHKアナウンサーで女性初のアナウンス室長になり、定年まで勤め上げた山根基世。 ・女性初の真打となった、落語家の三遊亭歌る多。 日本にはガラスの、いや鉄か鉛で出来ていた天井があった。 出ること、伸びること、知ることを封じられた女性たちがいた。 その状況に我慢せず、各界の天井を打ち破り、道をつくってきた「第一号」がいる。 そして、彼女たちを後押しした無数の声なき女性たちがいる。 しかし、未だ天井は残る。 大正から昭和、平成、令和へと移ろう中、私たちは何を克服し、何を克服しえていないのか?  女たちの歴史から、この国の姿を浮き彫りにするノンフィクション! 目次 まえがき 第一章 砕き続けたのは、働く女性への偏見 第二章 破ったのは、女性への迷信 第三章 変えたのは、個人では破れない制度 第四章 手にしたかったのは、経験そのもの 第五章 描いたのは、読み捨てられない“文化“ 第六章 追い求めたのは、職業の本質 第七章 望んだのは、優遇ではなく、同等の扱い あとがき 主要参考文献
  • よたんぼう
    -
    孤独な青春時代、唯一の気晴らしは落語だった。中学卒業を機に、風月亭鏡生に師事することを決め、和歌山の漁港の町から単身、上京した瞬。 鏡介という芸名を得、鏡生の内弟子として住み込みで前座修業に励み、青春をただひたすら、落語に捧げる。 修業のきびしさに堪えられず去って行く兄弟子、師匠のお嬢さんへのほのかな恋心、きびしい規律をもとめられる保守的な芸の世界への反発や、自身の才能の壁との葛藤……。 やがてテレビ業界から声がかかって浮わついた鏡介に、師匠は非情にも破門を言い渡す。 すさんだ心のまま、海外を彷徨うものの最後に辿りつく心のよりどころは、やはりいつでも落語だった――。 芸事の厳しさと、いつの世も変わらぬ人間の情。さすらいの噺家の“業”を描ききった型破りな青春落語小説!
  • ダム・キーパー
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 世界中の国際映画祭で、20以上の賞を受賞――あの名作映画が、はじめての絵本に! ピクサーでアートディレクターをつとめていた堤大介とロバート・コンドウが、自ら脚本を書いて自主制作した短編アニメ「ダム・キーパー」。同作は、世界中の国際映画祭で20以上もの賞を受賞し、2015年米国アカデミー賞短編アニメ―ション部門にノミネートされるなど、一大センセーションを巻きおこした。 これは、映画の世界をそのままに、すべてのアートを新しく描き下ろした、珠玉の一冊。
  • 永遠の詩情
    -
    少年時代の淡い恋、デビューして間もない頃の苦悩、盟友ともいえる作家たちとの交流と別れ。「森村誠一の証明」ともいえる、集大成的作品。
  • 逆流
    3.0
    芸能事務所「ドラゴンプロモーション」の売り出し中の若手女優・弓月苺が誘拐された。事務所の社長・勅使河原竜太は、世間に悟られないように行動を開始するが、竜太は「覚えられない」障害を持っていた。竜太は、記憶を留めるために書き留めているメモ帳を見ながら、日付をさかのぼりで真相を追っていくが、誰にも相談できず事件を探っていく竜太がたどり着いた真相は、自らの過去に起因した信じられない事実と因果だった! 現在から過去をさかのぼる、今までに無い形式で綴られるスリリングな展開の先には衝撃の結末が!

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