【感想・ネタバレ】コウノドリ(23)のレビュー

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Posted by ブクログ

テレビドラマ化もされた人気シリーズの第23巻。
四宮先生無き後のペルソナが始まってしまいました。この巻以降、四宮ロスを埋めるため(かどうかはわかりませんが)ちょこちょこと新キャラが登場します。この巻では臨床検査技師兼認定遺伝カウンセラーの真田ケンジさんが、かなり作り込んだ設定を背負ってペルソナにやってくるのですが、でも出番はこの巻で最後。結局、この巻以後の新キャラはいずれも四宮先生の強烈な存在感を補えず、消化不良のまま消えていきます。非医師でも周産期医療を支える様々な専門家がいて、それぞれが重要な役割を果たしているんだ、ってことを伝えたいのでしょうけれど、結果としてちょっと地味で小粒なキャラクターばかりになっちゃったようです。

この巻は「出生前診断」が収録されています。
以下このエピソードに一言。

「出生前診断」
伝えたいことは冒頭に出ています。
出生前診断が「命の選別」では、という声に対し、出生前診断を受けて中絶を決めた人でも、「お腹の赤ちゃんが21トリソミーと診断されてからもずっと迷ってたと思うんだ……」「本当は今だってまだ悩んで苦しんでいるのかもしれない」「それでも自分たちを責めながら短い時間の中で中絶することを決めたんたよ」「だから産科医がそれを「命の選別」なんて言ってしまうことはとても雑だし乱暴なコトなんだ」、ともうこれで全部でしょう。

あとは出生前診断を受けて悩んだ2組の夫婦、山根タケヒコ、ヒカルご夫妻(36歳)と神崎マリコ(ご主人は名無しです。コウノドリでは珍しいことです)ご夫妻が、悩み苦しみながらそれぞれの結論にたどり着くまでが描かれます。

いずれも高齢で妊娠した2人。山根さんは戸惑いながらも真田さんのカウンセリングを受け、夫婦で話し合い、結局「どうしたらいいかわからないから出生前診断は受けない」という結論にたどり着きました。

もう一人、神崎さん。
諦めたはずだったのに突然の妊娠、リスクの自覚、認定外のクリニックでの出生前診断、短い時間でたくさん調べ、考えた結果の決断、決めたはずなのに初めて感じた胎動と自然にそこに行く右手…。

これねえ、本当に他人事じゃありません。
自分のところもあまり深く考えずに受けたんです、新型出生前診断。
自分たちにとっても妊娠は想定外で、最初に産婦人科に行こうと決心する前からずっとジェットコースターに乗りっぱなしみたいな日々が続いていたので、ちょうど「日本でも正式にNIPTが受けられるようになった」というニュースを頻繁に目にしていたタイミングであったこともあり、何となく流れでNIPTを受けていました。
幸い、本当に幸いなことに陰性だったため、NIPTを受けたこと自体、そろそろ記憶の片隅に追いやられかけてはいましたが、子供の寝顔を見ながら、もしあの時陽性って言われていたら自分たちはどうしていたのだろうって、この巻を読んでしみじみ考え込んでしまいました。

東尾理子さんのように敢然と『羊水検査の結果がどう出ても、絶対に産むわけですし、産まない(中絶の)選択肢はありませんでした』と言い切るだけの気高さも、神崎さんのように決然として中絶を選んで後悔しようとしない強靭さも持ち合わせていなかった自分たちがしなくて済んだ思いを、作中で神崎さんが引き受けてくれています。

そして、ラスト「…よかったね」「ママが用意してくれたよ…」。用意してくれたのがお母さんじゃなくてママなのが泣かせます。生まれたばかりの子どもに語りかけるときには、ママ以上にピッタリの言葉はありませんよね。

ここに至って、冒頭のサクラ先生が言う「それを「命の選別」なんて言ってしまうことはとても雑だし乱暴なコトなんだ」が身に染みてわかります。




余談ですが、いなくなったばかりの四宮先生は、回想の中で(もしくは、サクラ先生の脳内議論の中で)きっちり登場します。サクラ先生に、カウンセリングは「産科医のやるべきことなのか?」と現実に即して反論する重たい言葉はレギュラーを張っていた頃と全く変わっていません。

1
2020年05月26日

mac

ネタバレ 購入済み

出生前診断

・新生児出生前診断を受けている人:高齢出産に不安、染色体疾患の子供を産んだことのある人、
ハイリスクを指摘された人など。
・出生前診断を受けてもらう前に、カウンセリング→染色体異常があった時には、どうするか十分な話し合い
→その結果、妊娠継続をすると決めた夫婦のほとんどが検査をすること自体を辞める
・出生前診断を受ける人のほとんどが、お腹の子に何かあったら、中絶すると決めている。
とはいえ、その決断に到るまでの悩み、苦しみはある。決めた後も苦しんでいるのかもしれない。
それでも、自分たちを責めながら、短い時間の中で中絶することを決める。
それを『命の選別』と決めつけてしまうのは雑で乱暴な話なのである。
・出生前診断には、『男の子か女の子か』、超音波検査、羊水検査、絨毛検査、母体血清マーカーなどがある。
・新型出生前診断:妊婦から20mlの採血を行う→赤ちゃんの染色体異常の確率を出す
(あくまで確率であって、絶対的なものではない)
・13トリソミーや18トリソミーの場合、さまざまな発育障害と重度の知的障害が生じる。
1歳の誕生日を迎えられる赤ちゃんは10%くらい。
・21トリソミー(ダウン症)だと、運動や知的能力の発達がゆっくり。
合併症はあるものの、(合併症に対する)治療法もあり、平均寿命は60歳近くまで伸びている。
・染色体異常:本来2本でペアになっているものが、1本になったり、3本になったり、
染色体の一部がちぎれて欠損したり、他の染色体にくっついたりするもの。
・夫婦の関心や心の迷いは、医学的な説明だけでは解消されない。
その不安や迷いにはゆっくりと耳を傾ける必要がある。
・新型出生前診断で(+)→羊水検査で染色体全般をみて確定診断する

0
2022年09月30日

Posted by ブクログ

出産はそこで終わらず、先の長い子育ても含めて、その責任を果たすことになる。出生前診断の選択の厳しさを感じた。

0
2019年01月15日

購入済み

出生前診断については産科に行ってもきちんと案内されないことも多いので色々知れて良かった。
産んで終わりじゃないから色々考えるのは当たり前。

0
2022年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

しのりん、カムバック・・・。ゴローくんの発言力が増したのと、真田先生登場でこの後どう展開するのかな、という感じ。出生前診断は他人がとやかく言える問題じゃないと思ってます。ましてや医師としてのゴローくんの発言はちょっとアウトに近い。個人の意見ならばいいけれど。そういう診断方法が「ある」のが今なんだから、「ある」ことを前提に話をするのは当然じゃないだろうか。無かった頃の話と比較されても、現在進行形で進む夫婦にはあまり意味がないと思うんだけど。真田先生の「安易に・・・」の一言は心に響きました。そうだよね。

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2018年07月01日

ネタバレ 購入済み

命の選択

医療技術の進歩で、
妊娠中から、
赤ちゃんの障害が分かるようになった。

いいような・・
悪いような・・

いろいろな選択肢があり
悩めるお話です。

0
2023年04月29日

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