【感想・ネタバレ】コウノドリ(4)のレビュー

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Posted by ブクログ

産科を舞台に妊娠出産にまつわるドラマを圧倒的なリアリティを持って描く人気シリーズの第4巻。TVドラマ化もされ、こちらもなかなか見ごたえがある傑作でした。

この巻には、「救急救命<後編>」「夫のDV」「風疹」の3編が掲載されています。

前巻の妊娠中の海外旅行や喫煙についても同様ですが、「コウノドリ」には、妊娠・出産に関する啓発的な内容が、科学的な裏付けと圧倒的な現場感から生ずるリアリティを伴って説教臭くならないように織り込まれています。
この第4巻の「風疹」エピソードは、2015年のドラマ放映時に話題になり、さらに2018年秋に風疹が大流行したときはこのエピソードを講談社が無料でWeb公開したことがあったもので、正確であり、また「注射1本で防げる悔しい障害です」という取材元の先生の気持ちが反映されている、そんな貴重な一編です。
1979年4月1日以前に生まれた男性が、この漫画を読んだだけで、自費で、平日に休みを取って、風疹の予防接種に行くと期待するのは正直楽観的過ぎるでしょうけれど、何か仕組みができたときに、予防接種を決意する最後の一押しには十分なるのではないでしょうか。たくさんの人に読まれるといいなと思います。

そして、前巻から救急の加瀬先生が登場して、医療モノのエンターテインメントとしてのクオリティがいっそう上がりました。「4分…いや 3分以内に赤ん坊を取り上げろ」「四宮、滅菌手袋2枚重ねろ」「時間がない」「ここで帝王切開する」「ああ」なんてやりとり、見ただけでテンション激上がりです。内容の重たさはともかく、やっぱり救急・外科手術は医療モノの華だと思います。

以下、各エピソードに一言ずつ。

「救急救命<後編>」
前巻を受けたエピソード。救急救命の緊迫したやりとりからページをめくる手が止まりません。あの四宮先生が「こんなに頑張った妊婦 放って行けるか…」と返すところまで、ひたすら胸熱。

でも、それだけではありません。妻を取るのか、赤ちゃんを取るのかの決断を迫られるお父さんの心境、そんなお父さんを1ヶ月健診で見かけて、産科医は「頑張ってください」と声をかけることしかできない無力さを改めて感じるサクラ先生、そのサクラ先生に対するお父さんの「ありがとうございました」の一言と、その言葉に救われたサクラ先生の笑顔。

どこを読んでも、隅々にまで人間ドラマの面白さが詰まった珠玉のエピソードです。

そう言えば、TVドラマではお父さんのその後―父子家庭で、フルタイムで働きながら娘の育児をし、パタハラに悩まされている―が取り上げられていました。奇跡のあとに待っている日常をきちんと掬い上げるのはとてもフェアだと思います。

「夫のDV」
人間関係を捨て、安定した収入を捨て、家も捨ててシェルターに逃げ込む。読者としては一安心ですが、被害者が逃げなければならない…というか、社会から消えなければならない仕組みに釈然としないものを感じます。
それどころか、そこまでして逃げたのに、被害者の住所をお役所が加害者に漏らしたという報道を見かけることもまれではありません。

このエピソードのような夫婦間のDVだとか、児童虐待だとか、中高年引きこもりだとか、家族間のことだから、家庭内のことだからといって、そこに司直の手を入れることに躊躇している時間はもうないのかもしれません。

「風疹」
上に書いたように、啓発的な内容にもかかわらずあまり説教臭くないのは、取材元の先生の思いが強く、それをきちんとサクラ先生に語らせたこと、そしてハルカちゃんとベイビーの連弾というエピソードを盛り込んだことによるものだと思います。
Webでの無料公開は終わってしまったようですが、試し読みも兼ねて続けて欲しいなあ。どうですか、講談社さん。

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2019年07月14日

mac

ネタバレ 購入済み

夫婦間暴力

・夫婦間暴力の存在する家庭環境は、乳幼児や児童に対する虐待などが発生しやすい。
この意味で、夫婦間暴力は、子供も含めて、家族全体のメンタルヘルスに対して、重大な影響を及ぼす。
・夫婦間暴力の犠牲者となる女性の多くは、身体的にも精神的にも、夫から常に監視されている状態ともいえる。
妊娠や出産期では、特にそういった状況が発生しやすい。
この時期の女性は、妊娠中で、身体的な活動が制限されたり、
また、出産後は、なおいっそう育児も加わり、社会的な交流や行動の範囲は狭くなる場合が多い。
・妻に暴力を振るう男性は、「いつか自分が捨てられるかもしれない」という劣等感がある。
その劣等感が、やがて支配欲や独占欲へと転化し、
「オマエは俺のもの。その俺の思い通りにならない(情緒不安定やつわりなど)なら制裁」となる。
・暴力は回を重ねるごとにエスカレートし、酒の影響が加わると一層ひどくなる。
・それを放置すれば、いずれ子供たちにもネグレクトや虐待の被害が及ぶのは必定である。
・医療ソーシャルワーカー(MSW):社会福祉の視点で、患者や妊婦、その家族の相談に乗ることで、
経済的、心理的、社会的な悩みなどの問題解決の手伝いをする。
・DV:身体的な暴力。傷つくようなことを言われる心理的攻撃。性的暴力。
避妊してほしいのにしてくれない。経済的なことなど。
・「夫婦喧嘩は夫婦のことだから、色々あると思うけど、
私が言えることは、あなたが悪いなんてことは絶対にない。ご主人でも、あなたに暴力を振るう権利はないのよ」
・「あなたのしたことはDVであり立派な犯罪です。
いまのあなたには、夫としての資格も、父親としての資格もありません。
これは奥様が悩み苦しんだ結果、出された答えです。お引き取りください」
・DVは病気ではなく、言葉や暴力でパートナーを支配する行為。
そのため、誰にでも起こり得る可能性がある。
ただ、パートナーに手を上げて、それが常習になってしまった人間は、改善することは困難と言える。
・妊娠中はDVが起こりやすい時期である。
しかし、妊娠・出産が関わっている時期に、夫のDVから逃げられるケースは極めて珍しい。

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2022年09月30日

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ネタバレ

2014年3月20日発売。
TRACK12 救急救命«後編»
TRACK13 夫のDV
TRACK14 風疹

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2022年03月29日

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ネタバレ

■妊娠中に交通事故にあってしまった妊婦の話
妻か子どもか、どちらの生命を救うか数分で選ばなければいけなかった男性はなんと酷な選択なのか‥でもきっと本当にこういう場面が現実にあるんだろうなぁと。赤ちゃんはまた産まれるかもしれないが、その子はもう二度と産まれない。亡くなってしまえばもう二度と会えない妻。その中で新しい生命に希望をかけたのは本当にすごいと思う。

■夫のDV
妊娠中にDVが増えるケースが多いとは。
今までは自分だけを向いていた妻が子どもにすべてを注ぐことに不満を覚えるからだろうか‥?
だからといって暴力を振るうのは許されることではない。
母子シェルターに入った二人が幸せになりますように‥

■風疹による障害児の誕生
風疹の予防接種を受けている世代と受けていない世代がいるとは知らなかった!
そして自分はまさに風疹の予防接種を受けていない世代だったけど、そんなこと知らなかったしその重大さも認識していなかったので、これを機に接種しようと思います。

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2022年03月07日

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ネタバレ

【あらすじ】
首に痣を持つ妊婦がやってきた。本人は否定しているが、夫からDVを受けていることは明白。ソーシャルワーカーも入って、妊婦にDVを自覚してもらうよう働きかけるが――。一方、日本での風疹の流行に伴い、“先天性風疹症候群”を持って生まれる赤ちゃんが増えていて……。

【感想】
今回もまた、命の尊さを強く感じられた。出産は、人それぞれ全く違う。産まれる前に、赤ちゃんが、何らかの障害や病気を抱えていることがわかってしまうケース。お腹に子どもを宿した妊婦さんが、身体を壊してしまうケース。何事もなく無事に、赤ちゃんを産むことができたケース。ほんとうにいろいろな出産があることを知った。そういう苦難や痛みを乗り越えて、人間はこの世に生まれてくるんだなあと思うと、やっぱりお母さんって強いんだなあと実感させられた。

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2017年07月30日

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救命救急…切なすぎます。・゜・(ノД`)・゜・。
そして今回は産科の他に麻酔科、救急のドクターも登場します。この他科の先生方もとても魅力的で、産科との連携も見ものですね^_^
そして四宮先生…。言葉数は少ないですが、一言一言に先生の信念のようなものが感じられて、ますます好きになりました。本当に続きが楽しみでならない作品です。

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2015年03月21日

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今回は救急救命、夫のDV・モラハラ、風疹がテーマ。産科医療の重たい話を、重過ぎない程度に描いてる所が好き。涙無しには読めませんが…

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2014年05月15日

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救急救命、夫のDV、麻疹がテーマです。

妊娠中に麻疹にかかると、80%の確率で障碍児になってしまうので、関係ないやと思っている男性もウィルスをまき散らす媒介役にならないようにワクチン打って欲しいと強く思いました。

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2014年04月13日

ネタバレ 購入済み

母体か?胎児か?

ドラマで小栗旬が演じた時も泣いたけど、
やっぱり、決断を迫られるシーンは、
涙が出ますね🥲

先天性風疹症候群。
みんな予防接種が出来る世の中に
なればいいですね。

#泣ける

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2023年04月06日

購入済み

面白かった

風疹のことについて、私もきちんと知らなかったので勉強になりました。
医療ソーシャルワーカーについても知れてよかった。

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2022年02月05日

Posted by ブクログ

シリーズの中でもなかなか重たいテーマに挑戦。

妊娠中の女性が交通事故に遭った場合、患者と胎児、どちらを優先するのか

DVに晒される妊娠中の女性をいかに救うか

妊娠中の風疹罹患で視力を失う赤ちゃんが生まれるリスクをどう社会に伝えるか

その結末は手放しでハッピーエンドと言えるのかどうか。でもそれが現実だと突きつけられる。

深い。一度読んだだけじゃ自分の中で咀嚼できない、複雑なテーマを綴った物語が好きな人におすすめ。

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2021年02月15日

Posted by ブクログ

最悪の義母登場。息子に苦労させたくないのは分かるけど、嫁とお腹の赤ちゃんに「二人まとめて逝ってくれ…」とか、作者さんも良く言わせたもんだわ。本音はいざ知らず時と場所考えろよ、と本気で怒りが。DV夫を見て思う。この人の絵は犯罪者に向いている。進撃の巨人を彷彿とさせる気持ち悪さ。子供の絵をここまで可愛くなく描けるのもスゴいなとか…。でも、風疹はちゃんと調べなきゃね、と強く思います。DVは難しい…双方の問題だから。私は逃げたけど。しのりんは優しくて、加瀬先生はカッコいい♪船越先生のダジャレは…まぁ、和めます…笑

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2016年05月16日

Posted by ブクログ

先天性風疹症候群の怖さを知った。
非常に細かい事まできっちりとやり遂げる意識と力は日本が世界一だと思うが、意外なところで徹底できていないことがあるということか。
母子ともに守るために闘う産科医の思いに心を打たれる。

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2015年11月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

救急救命は妊婦さんだけでなく、元気に暮らしている人でも関わりがあると思います。救急の医師と産科の医師は、それぞれ違う立場で仕事をされているんですね…どちらかを選ばなければならない。旦那さんにとって重く辛い選択でした。
ハルカちゃん可愛くて良い子すぎました。注射で防げる風疹が後でこんな危険性があると初めて知りました。多くの人に知ってほしいです。

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2017年06月02日

Posted by ブクログ

風疹が本当に怖くなった。
防げるのなら、絶対やるべきだ、と。
でもこれは当人たちだけやれば、解決できるというものではない。
社会全体の意識が上がることを切に願う。

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2019年05月20日

Posted by ブクログ

全麻(全身麻酔)で開頭する 全麻(善は)急げですね 血腫除去と外減圧 分娩誘発 ギネ=産科医 ベジ=植物状態 おれら(救命)とお前ら(産科)とは目的が違うんだ 脳死や死に直結する状態 エヌ=新生児科 アレスト=心停止 やっぱあるんだね…自分の命より大切なものってやっぱりあるんだよ この愛おしさは愛だね愛‼︎ 減菌手袋2枚重ねろ カイザー=帝王切開 出生 永眠 臍の緒 中出し 外出し カウパー腺液(我慢汁)が分泌 妊娠週数は排卵した日=受精した日を妊娠2週と数えます 精子は長くて1週間生きることもありますが ハーフの赤ちゃんだったら絶対バレますもんね モーニングアフターピルは避妊に失敗してから72時間以内であれば有効 ストップ!DV マタニティースイミング 医療ソーシャルワーカーの向井さん つわり DVの暴力は原因もなくただ相手を支配する為のものだから… 凡田投げた三振‼︎… 山田くん全部持ってっちゃって〜 新潟三条のカレーラーメン ポリ=警察呼んだら傷害事件だよ 母子シェルター DVは病気ではなく言葉や暴力でパートナーを支配する行為です 家族って何ですか?わかりません僕は孤児でしたから 妊娠中はDVが起こりやすい時期でもある。しかし妊娠・出産がかかわっている時期に夫のDVから逃げられるケースは非常に珍しい 鴻鳥サクラ ご無沙汰してます 風疹の終息 ワクチン 抗体 そう先天性風疹症候群注射1本で防げる障害なのだ 目も見えないし胸もちょっと苦しくなるから ゆびきりしちゃったしな 気分爽快 A列車で行こう またね

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2017年04月23日

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