PHP研究所 - 「戦国大名」失敗の研究 瀧澤中作品一覧
-
3.3従来、“組織の敗因”を説明するのによく使われてきたのが、「リーダーに問題あり」とするリーダー原因説であった。戦国時代で言えば、戦国大名個人の問題と断じてきたのである。それは一面の真実なのだが、では世に名将と謳われた者、圧倒的な権威者、有能な二世、将来を嘱望された重臣など、本来「敗れるはずのなかった者」が敗れたのは一体、なぜなのだろうか? 本書は、強大な戦国大名の“政治力”が失われていく過程を考察し、現代にも通じるリーダーが犯しがちな失敗の教訓を導き出す。「武田勝頼の致命傷」「足利義昭のしぶとい首」「織田家臣団の有能ゆえの危険な未来」「柴田勝家が秀吉に勝ったかもしれない可能性」「自前の勢力をつくれなかった石田三成」「『重心』に参加できなかった小国の悲しい運命」「なぜ秀頼は豊臣家を守れなかったのか?」など、彼らが激動の時代に滅亡の道を歩み、天下を取れなかった理由がここにある!
-
-伊達政宗、長宗我部元親、今川義元、そして信長を裏切って滅亡した多くの有力大名……。日本各地で覇を唱えた“戦国の英雄”たちは、なぜ己の野望を打ち砕かれたのか? 領国の「経営者」としては優れた手腕を発揮しつつも、一国の「指導者」としては成功できなかった“決定的差”は一体どこにあったのか? 本書は、気鋭の政治学者が「フランコ将軍」「大日本帝国」「第三次中東戦争」など、近現代史の類例と比較しつつ、天下に届かず一地方権力に終わった彼らの失敗の本質に迫る。「伊達政宗は本当に生まれてくるのが遅すぎたのか?」「戦略というよりも単なる『攻撃目標』」「空間と時間の政治力」「三番手以下が二番手と組む危険」「山本五十六と長宗我部元親の誤算」といった鋭い考察からは、現代を生きる我々にも共通する“局地政治力の限界”が浮かび上がってくる。時代の制約を動かす“偉大な指導者”の条件とは?