Alt-Blue Novels作品一覧
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-「俺は郁夫くんが好きだ。会わない間もずっと好きだった」。あらゆるシステムが機械化されたエリート男子校・花営学院に通う郁夫は、小学生時代の同級生・藤若へのコンプレックスを引きずっていた。中学で分かれ、再び同じ高校に通いながらも長らく定期試験の順位表でだけ存在を確認していた藤若は、ある日突然郁夫に接触を図り、愛を打ち明ける。郁夫は藤若への羨望と憎悪に揺れながらも彼に再び魅了されていく――そして時を同じくして現れた「鬼夜叉」と名乗る謎の少年の正体とは? 天才×秀才の劣等感拗らせ愛憎モノローグ。
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-戦乱の世がはじまろうとする頃、山あいの小さな領地・道明沢。 道明沢を治める道明家に小姓として出仕した秋津伊縁は、かつて自分を励ましてくれた若君・道明秀将の変わり果てた姿に打ちのめされていた。 かつては穏やかで優しい方だったのに、今の秀将は冷たく、粗暴な物言いで人を遠ざける。 けれど伊縁は、彼の中にまだあの日の温もりが残っていると信じ、ひたむきにつとめに励む。 やがて秀将の胸に隠された悲しみを知った伊縁は、ますます彼を想わずにいられなくなる。 そして、互いに傷つきながらも少しずつ通じ合う心。 その温かな日々の中で、伊縁は気づく──自分が求めていた居場所とは、秀将の傍らそのものだったのだと。 しかし、伊縁を昔から目を掛けていた蓮司正興が、ふたりの関係に暗い影を落とす。嫉妬と野心が交錯する中、とうとう道明沢でも戦の火蓋が切って落とされた。 避けては通れない争いを前に、二人の間には強い絆が結ばれる。道明沢のために、互いのために、命を懸けて二人は戦う。 戦国の世に咲いた、誠と恋の物語。互いを信じる心が、夜明けの光となって二人を照らす。
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-その男、最愛にして、最凶。サイコキラーと警部の血濡れたラプソディー。 昔、何処かで聞いたサイレンの音。聞いたけれども、忘れてしまっていた── 都内のベッドタウン、賃貸住宅の空き家に、変死体が発見される。 その死体発見現場には、警察を挑発するような文書が置かれていた。 奔走する警部、小高圭吾(おだかけいご)が聞き込みを行っていくと、被害者の披露宴でカクテルショウを行う予定だったバーテン「ヒロ」と出会う。その情報を元に探りを入れていくと、また死体が上がる。次々に殺されていく男たち。彼らにはとある共通点があった。 捜査網から広がっていく、シリアルキラーの謎。 小高が再び夢の中で聞くサイレンの音。何年ぶりかに聞いたその音は日増しに大きくなっていき、日常の中でも聞こえるようになっていく。それは一体、何を表しているのか…? 挑発と快楽殺人を繰り返すシリアルキラー(攻)と、実直絆され警部(受)の哀しみのラプソディー。*書き下ろし短篇「ヒロイズム」収録
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-強制絶頂マシンで覚醒するマゾヒズム、女装シャーマン少年、ピアス貫通式通過儀礼 滅びゆく街のSFジュブナイル群像劇 “花郎”のメンバー・メヤが死んだ。そのころ街に蔓延していた、人々が突如眠りについて目醒めなくなる“仏陀”と呼ばれる現象が、彼の元にも忍び寄っていた矢先のことだった。“仏陀”に抵抗するため、少年たちはゼンという男に集められ、“花郎”として街を救う救世主・ミシランの下生条件を研究するが、ある日メンバーに第二の死者が出て……。暗礁に乗り上げていくサークル内で渦巻く憧れ、嫉妬、畏怖、欲情。閉塞的な城砦都市で繰り広げられるSFジュブナイルBL。
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5.0龍人(アルファ)、耕人(ベータ)、そして龍人の番となるべく生まれた花人(オメガ)。三つの性が存在する世界で、美しい花人の両親のもとに生まれながら耕人の容姿を持つ市川喜一は、「外道」と蔑まれていた。 ある日、彼の両親は目の前で無慈悲な龍人に奪われ、その人生は一変する。 絶望の中、同じ境遇を持つ兄貴分・野崎聡美と出会った喜一は、花人たちの安住の地を取り戻すことを決意した。 失った仲間たちの姿を龍と花の刺青で全身に彫った二人が、滋賀の小河で夢を追い求める。 しかし、龍人による非情な「花人狩り」が、彼らの築き上げた絆とささやかな希望を打ち砕く。 抗えない運命に翻弄され、全てを失った喜一。中年になり愛人ヤクザと言われた彼が、最後にたどり着く場所とは。 関西弁で織りなす新感覚オリジナルオメガバース。おじ受け、青年受、リバ。