ラルーナ文庫オリジナル - ラルーナ作品一覧

  • 生き神を攫う
    完結
    -
    大戦の影響で好景気が続く大正時代半ば。不動産業を営む榎本は工場建設用地である山奥の森を訪れた折、ひっそりと佇む祠を見つけた。ほんの好奇心からその中を覗いた榎本が目にしたものは、ひとり絵を描く美しい青年の姿。抜けるように白い肌、肩まで届く銀色の髪、そして鮮やかな赤い瞳。弓弦と名乗る、この世ならざる美貌の青年に誘われるまま、榎本は彼と体を繋げてしまう。あどけない笑顔や言動とは裏腹に、弓弦の体は熟れた果実のように甘く蕩け、榎本を底なしの快楽へと導く。弓弦を東京に連れ帰り、自分だけのものにしたい――制御できない灼けつくような想い。共同経営者の塩崎の困惑をよそに、弓弦を己の邸に住まわせることにした榎本。弓弦への執着は次第に常軌を逸したものになっていき……。妖しく艶めく大正エキセントリック浪漫。
  • 警視庁十三階にて
    完結
    -
    公務員上級試験をトップで通り、鳴り物入りで警視庁に入った後、超エリートとして順調に昇進。二十九歳にして警視の肩書を得た綾瀬尚登。沈着冷静、時に冷酷非道。ついたあだ名が「アンドロイド」――そんな綾瀬が失態を犯し二階級降格となって異動した先は、警視庁公安部外事課。いわゆるスパイ狩りの部署である。さっそくロシア人スパイの追尾に駆り出されることになった綾瀬は、日本人離れした美貌と体躯を持つ上司、瑞木警視正の度肝を抜く捜査に振り回されるはめに…。端整な顔立ちに似合わぬ伝法な物言いや傲岸不遜な態度。瑞木によってプライドを粉々され、否応なしにコンプレックスを引きずり出され…。とまどい反発しつつも、次第に瑞木という「危険な迷宮」に嵌まっていく綾瀬。そんな折、ロシア人スパイが内閣調査室の職員と接触を始め、追尾は新たな展開を迎えるが…。
  • 灼熱の束縛者
    完結
    -
    個性的な服飾ブランドG.Fのグラフィック担当の笠原波瑠は、一緒にブランドを立ち上げた親友のデザイナー、伊沢朋生とともに、アラブの大富豪サイーフから依頼されたウエディングドレス製作のため砂漠の国を訪れていた。ところが、結婚式の当日に花嫁のイムスが朋生と駆け落ちするというとんでもない事態に…。協力を買って出た波瑠は宴のどさくさに紛れ花嫁姿のイムスに化けたのだが…早々にサイーフに正体を見抜かれ、イムスが帰ってくるまで代わりを務めろと強引に身体を奪われた挙句、人質交換よろしく軟禁されるはめになった。淫乱な身体に仕込んでやる…と言うサイーフの愛技に翻弄される波瑠。ここは自分の居場所じゃないのに…。サイーフの執着の理由も、自分の本当の気持ちもわからない。そんなある日、サイーフから朋生の裏切りを知らされ、居てもたってもいられず波瑠は砂漠のなか逃亡を図ったが…。熱情のアラビアンラブ♪
  • 生徒会長はヤクザな王様
    完結
    -
    春を司る女神、佐保姫と同じ名をもつ佐保。その可憐な容姿のせいで周りからお姫様扱いされるのが嫌で、毒舌を振るっては皆を遠ざけ、唯一心を許せる相手は幼馴染の筒馬と生弓のみ。そんな佐保が筒馬とともに兄貴分の生弓の通う名門竜三館学園に入学した。たちまち学園中に広まる「甘い香りの桜の姫君なのに口を開くとラフレシア」の噂。一方、学園を牛耳る第一四二期生徒会会長、諒祐は佐保と筒馬を次期生徒会長と副会長にするべく、右腕である現副会長・生弓を通じて画策。まんまと佐保を自分の配下に収めた。初めは眼光鋭い諒祐のコワモテぶりにビビったものの、その不器用なあたたかさに触れ、ほどけていく佐保の心。だが生徒会にはひと月以上欠席を続けている学園一の美人・天堂という謎の副会長がいて、天堂と諒祐は付き合っているという説も。佐保のなかにもやもやした思いが芽生える。そんな折、生徒会では春の一大イベント、部活の予算折衝会を迎えることに…。
  • 探偵はバーで恋に堕ちる
    完結
    4.3
    西新宿で細々と探偵事務所を営む俺――黒崎浩一。そんな俺の行きつけの店は歌舞伎町の外れにある小さなパブ『RON』だ。 ゲイバーでもないのに、超美形のマスター、仁目当ての常連客は男ばかり。均整のとれた長身、綺麗で優雅な印象の仁だが、その本性は若い男を見境なく食い散らかす性悪ゲイで、かく言う俺もそんな仁のセフレの一人だった。 ある日、俺の事務所に突然、冴えない刑事がやってきて、仁が暴力団・天能会の幹部、真山の愛人であるらしい…と言う。そして俺に、その確証をとってくれば百万円払うと…。 なんだか胡散臭すぎるが、実は仁に結構本気で惚れている俺は、そのヤバい話に乗った。仁は誰も愛さない男のはずだったのに。本当の彼は何者なんだ…? 真実を知りたくて、俺はヤクザの幹部・真山の身辺を探ることにしたが…。 クールな美形マスターと男娼上がりの探偵が織りなすデンジャラス&ビタースイートラブ。
  • ぜんぶシテあげる
    完結
    3.5
    大学生の森脇翔太は几帳面で綺麗好きの性格を買われ、海外出張中の知人の高級マンションに留守番兼メンテナンス係として住んでいた。ある日、ベランダに上からポタポタと雫が…。上の階の住人がびしょ濡れの毛布を手摺りに干したらしい。それがきっかけで知り合った上の住人は、高宮秋英という気鋭のファンタジー作家。だが、ぬいぐるみのクマのような体型の高宮は対人恐怖症でほぼ引きこもり状態、編集者の石塚に頼りっぱなしのダメ人間だ。見かねた翔太は、高宮の部屋の片づけや食事の世話を手伝うことに。目標は、半年後の高宮のサイン会までに体重を半分に落とすこと――そうして翔太と高宮の二人三脚ダイエット生活が始まった。次第に頼りなげな印象が薄れ、イケメン作家へと変貌を遂げていく高宮に、いつしか恋心を抱いていた翔太の想いは複雑で…。そんな折、部屋の持ち主の帰国が決まり、翔太は引っ越さねばならなくなり…。
  • オニキスの瞳に魅せられて
    完結
    -
    少年時代に心を奪われ、ずっと追いかけ続けてきたミュージカル俳優、そして世界的演出家、フランツ・エールスベルク。高須慎はそんなフランツの演出するブロードウェイミュージカル『ハムレット』の主役の座を射止め大成功を収めたばかりか、フランツの恋人の座も手に入れた、まさにシンデレラ・ボーイだった。そんな折、『ハムレット』の公演を終えた慎に次回公演の話が……。演目は『ルードヴィッヒ』――日本での凱旋公演。さらに今回は、ミュージカル版とストレート版の同時上演という斬新な企画だ。そのため、慎は初めてフランツ以外の演出家とも組むことになり、しかもダブルキャストでもある。不安に苛まれるあまりフランツとの関係に隙間風が……。追い打ちをかけるように、もう一人の主役である笹崎とフランツとの仲にまで嫉妬し、焦燥に駆られる慎だったが……。 『アメジストの瞳に囚われて』の続編。
  • 刑事に冷めない熱情
    完結
    4.8
    『組対』の刑事・三宅大輔が嫁と離婚してから二年が経った。その間も、情報収集の名目で大滝組の構成員・田辺とは月に一、二度の逢瀬を重ね、それなりに二人の仲は継続中。デカと、捜査対象である詐欺師の組員。田辺との関係はドツボなのか泥沼なのか…。そんな折、先輩刑事から「有休をとれ」と某テーマパークのチケットを押しつけられた大輔は、田辺と初めて『デート』することに…。だが、なんとそこで大滝組の若頭補佐・岩下とその嫁・佐和紀、そして舎弟一行と偶然にも鉢合わせしてしまう。大輔は、佐和紀と田辺の何気ないやりとりから二人の過去を邪推。やるせない己の恋心に気づくとともに田辺を次第に遠ざけるようになり……。経済ヤクザ×刑事シリーズ三部作完結編!
  • 刑事に口説きの純愛
    完結
    4.7
    暴力団対策課、通称『組対』に所属する刑事・三宅大輔。大滝組の若頭補佐・岩下周平の情報をとるために、その舎弟である構成員・田辺と二ヶ月に一度の関係を続けていつの間にか三年が経った。刑事とヤクザ、利害関係が絡んだ男同士――甘い感情が生まれるはずがないと思っていても、会えば必ず約束事のように『嫁と別れろ』『自分だけのものになれ』と迫り、ねちっこく自分を抱く田辺に、大輔の胸の奥で疼くこの感情は……!?  そんな折、「岩下結婚」の噂が飛び込んできた。真相を探るべく田辺と会い、いつものように濃密にして空しい行為に耽った大輔は、事後、田辺の口から、自分の妻・倫子がクスリの売人と浮気しており、のっぴきならない状況に陥っていることを知らされ……。 経済ヤクザ×刑事シリーズ待望の第二弾!
  • 必然のコイビト
    完結
    3.0
    龍彦は元俳優。役者稼業は鳴かず飛ばずで、今は「便利屋」マミヤサービス・コンサルティングの専属スタッフとして怪しい仕事に精を出す日々。そんなある日のこと。やり手社長、間宮から『別れさせ屋』の仕事を指示された龍彦。クライアントに依頼された通り、美人OLと超エリート官僚の仲を裂き、工作は順調にいくかに見えたが…。なぜか、その別れさせる相手であるエリート官僚・染谷に正体がばれ、「彼女のかわりにおれと付き合うなら黙っていてやる」と逆に脅迫されてしまう。いったい染谷の目的はなんなのか…? わけもわからぬまま、龍彦はプライド馬鹿高で傲慢なエリート官僚・染谷の言うがままに振り回され、肉体関係込みのデートを続けることになるのだが……。
  • 刑事に甘やかしの邪恋
    完結
    4.3
    県警の暴力団対策課の刑事になって三年。三宅大輔は先輩刑事の西島から、大滝組の若頭補佐・岩下周平と繋ぎを取り、動向をさぐってきてくれと頼まれた。大輔には田辺という情報源がいる。田辺は岩下の下についているインテリヤクザで、主婦層相手の株式詐欺をシノギにしているイケメンだ。そして二人は少し前から、二ヶ月に一度ほどの関係を続けていた。大輔には、すでに冷え切っている仲とはいえ妻がいるにもかかわらず…。そんな大輔から岩下の情報を求められた田辺は、交換条件として西伊豆への一泊温泉旅行を提案する。男二人でしっぽり不倫露天風呂!?――とはいえ、大輔に断れるはずもなく…。存外に旅行を楽しんで、あげく田辺にいいように弄ばれてしまう自分に後悔と羞恥の念をいだく大輔だったが……。 経済ヤクザ×刑事シリーズ第一弾!
  • 近くの川に身投げした
    完結
    5.0
    中司家長男として何不自由なく暮らしてきた高校生の雪風の人生は、ある日一変した。父が会社経営の失敗を苦に自殺、立て続けに母も狂死。親戚にも見捨てられ、莫大な借金を背負った雪風はヤクザの下働きに身を落とし……そして絶望の中、道頓堀川に飛び込んだ――。そんな雪風を川から拾い上げた男がいた。関虹霓(クァンジァンニィ)、通称シア。中国マフィア、廣寒幇の次期党首。何がお気に召したのか雪風の借金を肩代わりしたシアは、彼を飼うことにした……。こうして性格最悪傲岸不遜なマフィア、シアと、きれいな顔に似合わず口が悪くて生意気でおまけにベッドの中ではとんでもなく恥知らずな雪風との奇妙な同居生活が始まった。そんな折、廣寒幇では後継者を巡ってきな臭い噂が……。
  • アメジストの瞳に囚われて
    完結
    -
    親に反対されながらも舞台俳優、それもブロードウェイの舞台に立つようなミュージカル俳優を目指している大学生の高須慎。彼の原点は十二歳の時に観た『ミュージカル版ハムレット』――すらりとした長身、朗々と歌い上げる声、そしてアメジスト色の瞳。主役を演じたフランツ・エールスベルク、その存在のすべてに圧倒され魅了されてしまった慎は以来、舞台俳優を目指し日々努力を続けていた。そんなある日、慎がバイトをしているバーにフランツが打合せのため訪れるという情報が……。なんとかして接触の機会を得ようと試みる慎だったが、その策略をフランツに見破られ、『退屈しのぎ』に弄ばれてしまう。憧れの帝王、フランツに己の熱い情熱をぶつけることは叶ったものの力不足を思い知らされた慎。再会を約して一年後、ニューヨークへと向かうが……。
  • 桜の下できみと出会った
    完結
    -
    大学生の笹森聡巳は、幼い頃より幽霊が視えてしまう体質。 ある日、満開の桜の木の下で聡巳は一人の青年の幽霊と遭遇した。 自分の名前すら記憶にないが、会いたい人がいるとその青年は言う。 もう一度だけ会って自分の想いを伝えたいのだと…。 相手の名前の他なんの手がかりもなかったが、聡巳は仕方なくサクラと名付けたその青年の想い人探しをすることに…。 そんな折、とあるコーヒー店で自分と同じようにサクラの姿が見える店員、西岡と出会った。 ずっと独りぼっちだった聡巳に初めてできた、秘密を共有できる相手。 おしゃべりな幽霊サクラを挟んで、理知的な西岡と過ごす日々は思いがけなく楽しく、閉ざされていた聡巳の心は次第にほどけていく。 やがて、三人の関係に少しずつ変化が訪れて……。 胸キュンゴーストラブストーリー。
  • たくらみの枷
    完結
    3.0
    検事になって五年。 横浜地検に籍をおく渋谷拓巳は、ある証券会社の家宅捜査に関する一件で東京地検特捜部から二か月限定の応援要請を受けた。 その着任の日、渋谷は庁舎の前で偶然にも修習時代の同期、団藤翔一郎から声をかけられた。 誰よりも優秀な検事を目指していたのに、研修終了直前に忽然と姿を消してしまった団藤。 彼は今、政府与党の国会議員・橋詰の政策秘書になっていた――。再会した団藤からの強引な食事の誘い。 そして、認知はされていないが団藤が橋詰の子であるという事実。 さらには、渋谷の手がけている事件が大物政治家の収賄問題に発展しそうだということ。 団藤の甘い囁きに隠された真実とは一体何なのか……。 秘めていた団藤への欲望が暴かれ、弾け、溺れていく渋谷。 それがたとえ巧みな罠であったとしても……。
  • 可愛くない
    完結
    4.1
    加藤連児は水泳部に所属する高校三年生。 水泳で鍛えた筋肉質な長身と鋭い目つきのおかげで、凶暴な『狂犬』と噂され、 後輩はもちろん他校の生徒からも怯えられる連児だったが、実は数学教師の夏目和久とこっそり「肉体関係あり」だ。 「宿題」の合言葉で連児が夏目の部屋を訪れる。もちろんヤるのは宿題なんかじゃなく…。 教師と生徒で男同士で…そんなアブない関係が始まってからもう一年が経っていた。 連児のもっかの気がかりは、その男前っぷりで男女問わずモテる夏目の本命。ことに夏目の高校時代の同級生で、 どうやら元カレらしい美形音楽教師、大森秋彦が赴任してからというもの、いつ乗り換えられるかと気が気じゃない。 そんな折、大森の周辺できな臭い事件が相次ぎ…。 「可愛くない」「嫌いじゃない」「綺麗じゃない」の3編を収録。
  • カレーの王子様はスーツがお似合い
    完結
    3.5
    離婚のごたごたで体調を崩し、勤めていた銀行も退職した南大佑。 一念発起して調理師の免許をとり、この春からオフィス街の一角でカレーの移動販売を始めた。 カレー専門店を営んでいた亡き父の秘伝のスパイスを目指していまだ試行錯誤中だが、おいしいと評判を呼び商売はまあまあ順調だ。 そんなある日、売り切れ必至の噂の温玉カレーを求めて毎日、店に通ってきてくれる年若いサラリーマン、新田泉と親しくなった。 偶然にも住まいが近所同士だったことも手伝って急速に仲を深めていく二人。 恋のときめきにも似た感覚に戸惑いながら、互いを意識し始めた頃、大佑が深夜、突然激しい痛みの発作に襲われて……。 ワンコなエリートリーマンと人付き合いにちょっぴり臆病になっているオトナのカレー屋さんのスパイシーラブ♪

最近チェックした本