医学 - 幻冬舎メディアコンサルティング作品一覧
-
-強迫性障害、統合失調症、解離性障害。 精神疾患を抱える患者が、 生きがいをもった生活を送るために。 精神科訪問看護師たちの患者へのアプローチとケア。 ---------------------------------- 看護師と聞くと、血圧を測ったり注射や点滴をしたりといった医療を行う姿を思い浮かべるかもしれませんが、 精神科訪問看護師の仕事は大きく異なります。 例えば、不安や心配ごとをもつ患者の心に寄り添い、穏やかな生活を送ってもらうために精神面を支えます。 ただそばにいて話を聞くだけのこともありますし、家族との調整役になることもあります。 また、時には通院の付き添い、服薬のフォロー、入浴のサポート、 整理整頓や身だしなみの介助といった生活の支援を行うこともあります。 著者は、精神科病院の看護師時代に「患者を看護するには患者一人ひとりの気持ちや その背後にある人生に思いを巡らせることが必要だ」と気づき、 それを実現するために精神科訪問看護ステーションを開設しました。 以来、地域の関係機関からも少しずつ信頼を得ながら拠点を増やし、これまでに400人以上の患者を訪問してきました。 本書には、ステーション立ち上げからの10年間で、看護師たちが出会った印象深い患者との15のエピソードを収録しています。 それぞれのエピソードを通して、精神科訪問看護のあり方や患者との向き合い方を学ぶことができる一冊です。
-
-進行の度合いによって根本治療も可能。 保存療法との併用で症状が劇的に改善する リンパ管細静脈吻合術とは―― 数多くのリンパ浮腫患者を救ってきた専門医が 手術法から最新医療機器、術後のケアまでを徹底解説! ---------------------------------------------------------- がん治療の後遺症として患者を悩ませる病気、リンパ浮腫。 進行するとむくみがひどくなり、歩行が困難になったり 箸やペンを持つことができなくなったりと、日常生活に大きな影響を及ぼします。 ところが、医師の間ではリンパ浮腫は命に直接関わる病気ではないため 軽視される傾向があります。 そのため、圧迫療法やリンパドレナージなどの 保存療法しか治療として行われていません。 もちろん治療として間違ってはいないのですが、 これらはあくまでこれ以上むくみが進行しないようにするためのものであり、 根本的な解決策にはならないのです。 それではリンパ浮腫によってむくんでしまった手足は 一生元には戻らないのかというと、そんなことはありません。 本書で紹介する「リンパ管細静脈吻合術」を行うことで根本から治療することも可能です。 この手術は、リンパ管と静脈をつないでバイパスを作り、 溜まったリンパ液を静脈へ流すものです。 手術によって新たなリンパ液の流れを作るため、 皮下組織にリンパ液が溜まるのを減少させることができます。 この手術を治療に取り入れることで、症状の劇的な改善が期待できます。 本書では、リンパ浮腫についての基礎知識から手術法、 術後のケアまでを詳しく解説しています。 一人でも多くの症状に悩む人に、保存療法以外の新しい治療の選択肢を与える一冊です。
-
-ロコモティブ症候群(略称ロコモ)とは、加齢をベースにした病態で、身体運動を司る筋肉や骨・関節からなる運動器自体の疾患と、加齢に伴う運動器の機能低下を主体としているものです。日本の整形外科学会が提唱してまだ年数が浅いため、医学的な解明を含め、予防や治療法、対策などについてもこれから研究が進んでいく分野でもあります。ロコモを有する高齢者は、下肢の筋力が低下するとともに体の平衡感覚が鈍るため、ちょっとしたつまずきでもよろけて転倒してしまったり、何もないところでバランスを崩して転びやすくなってしまいます。介護サービスを受ける高齢者の6人に1人は転倒や骨折、関節疾患を原因として要介護状態にいたっているとされる今、ロコモについて知っておくことは健康寿命を伸ばす第一歩ともいえるでしょう。本書は、現役の医師である著者(医療法人翠清会会長 梶川博、高知大学名誉教授 森惟明)によって「ロコモとはどのような病気か」、「ロコモの原因は何か」、「ロコモの診断しかた」、「ロコモの予防法」、「高齢者の転倒を防ぐにはどうするか」、「ロコモの治療法」などがそれぞれ分かりやすく解説された実用書です。まだまだ研究途中のロコモですが、研究が進む中でロコモに関して分かったことが数多くあることも、本書を通して知ることができます。例えば、ロコモの多くは早期発見できれば進行を遅らせるだけでなく、症状を改善することも可能であることが分かっています。また、ロコモを早期発見するための「ロコチェック」や、予防・治療に役立ち、運動器を長期間使用し続けることにも繋がる「ロコトレ」などは、誰でも気軽に実行できるものです。本書は最新のロコモ研究についてまとめ、予防や治療法など明らかになっている情報を伝えることで、きちんと予防・早期発見を心掛けることの大切さを読者に呼びかけています。読者がロコモへの正しい理解を深め、予防・治療・介護に前向きに取り組めるようになってもらうことを目的として書かれているため、高齢者やその家族など、多くの人の心の支えとなる実用書です。
-
-求めていた快適な視界を手に入れる ワンランク上の白内障治療 近視・遠視・乱視や老眼まで同時に矯正 屈折矯正・角膜手術のスペシャリストが 「リフラクティブ白内障手術」を徹底解説 ------------------------------------------------------ 白内障は高齢者の視力低下の原因となる眼の病気として最も多く、早い人では50歳頃から出現し、80代ではほぼ100%の人に起こるといわれています。 一度白濁してしまった水晶体は薬などでは元に戻すことができないため、視力回復のためには外科的に水晶体を取り除き人工の水晶体(眼内レンズ)を挿入する手術が必要です。眼の手術というとどうしても身構えてしまいますが、近年は技術の発達もあって「受けやすい」「簡単な」手術だというイメージが定着しつつあります。手術自体の時間は15分程度、日帰りで行うのが主流になりつつあるほどです。 しかし、実際には手術によって視力が上がったにもかかわらず、術後の見え方に問題を感じてトラブルに発展するケースがあとを絶たないと著者は言います。 ハーバード大学スケペンス眼研究所をはじめとした国内外の研究機関や病院で眼科研究を行い、現在は眼科クリニックの院長を務めている著者は、白内障手術の技術的な水準は飛躍的に高くなったものの、術後の見え方への配慮に欠けることからこうした問題が起きていると指摘しています。技術的な意味での手術の成功が、必ずしも患者にとっての理想的な見え方につながるとは限りません。 例えば、白内障手術を受ければ視力が1・5に上がると聞けば、術後は快適な生活ができるだろうと多くの患者は考えます。しかし、1・5まで視力を上げるということは、遠くが良く見える度数に合わせるということです。車の運転などはメガネなしで快適にできますが、読書やパソコン操作、簡単な家事など、日常生活で多くの時間を費やす近距離~中距離の作業をするには老眼鏡が必要になってしまいます。結果的に視力の数値は上がっても「こんなはずじゃなかった」という不満や後悔が残ってしまいます。 著者は、白内障手術において、手術前に患者の仕事や生活の様子を細かく聞き取り、患者がどのような見え方を望んでいるかを正しく理解したうえで、それに最も近づけることが重要だといいます。 そのために著者は最新の検査・治療機器を用いて、近視・遠視・乱視や老眼といった患者の屈折異常を同時に矯正するための技術を駆使した白内障手術を行ってきました。英語ではRefractive Surgery(リフラクティブ・サージェリー)と呼ばれる屈折矯正手術と白内障手術を高いレベルで融合しているという意味で、本書ではそれを「リフラクティブ白内障手術」と称し、その実際や、術前・術後において必要となる知識についてまとめています。 人生100年時代の今、加齢が原因である白内障は誰にとっても避けて通れない問題といえます。白内障手術で視力を取り戻したあとも続く長い時間を、後悔なく快適に過ごすためにもっておきたいワンランク上の知識が得られる一冊です。