成東志樹作品一覧

  • 君が死にたかった日に、僕は君を買うことにした
    4.1
    「買わせてくれない? 君の時間を、月20万円で」  高校2年の冬。枕元には母の骨があった。長く闘病した母が死んで、一度も頼れたことなどなかった父は蒸発した。  全てを失った少年・坂田は、突然目の前に現れた西川と名乗る男に、奇妙な取引を持ちかけられる。  母の葬儀代を稼ぎたい一心で応じた坂田に、実は同い年だという西川が提示した条件は、更に不可解なものだった。  1.毎日、高校にくること  2.僕と同じ大学に合格して通うこと  3.今日から友人として振る舞うこと  金で結ばれた関係はやがて説明のつかない「本物」へと形を変える。愛に飢えた少年たちが紡ぐ、透明な青春譚。
  • 世界の終わりに君は花咲く
    完結
    5.0
     とある地にて突然降り始めた『黒曜雨』は、瞬く間に世界中を恐怖で覆い尽くした。  触れた人間を死に至らしめる黒い雨は、僕らの街も例外なく襲う。人々の怨嗟の声は、激しい雨音にかき消された。  『黒曜雨』の危機から五年が経った現在、僕・晴原想河はまだこの街で生きていた。透明な雨が降りしきるなか、隣の彼女・午堂夕妃と一緒に空を見上げる。そこには天を突き破らんばかりに大樹がそびえ立つ。 「お姉ちゃん……」  夕妃の姉・朝妃は自らの命を代償に、『黒曜雨』を浄化する大樹となった。この街は救われ、人々は笑顔を取り戻しつつある。  けれど、僕らの犯した罪は――まだ決して許されてなどいなかった。

最近チェックした作品からのおすすめ