河浪武史作品一覧

  • 円ドル戦争40年秘史 なぜ円は最弱通貨になったのか
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    ●通貨の盛衰は国力の盛衰  40年前の1985年、ニューヨークの地で結ばれたG5・プラザ合意。世界史に残るドル安誘導政策は、実質的には経済大国・日本による米国救済劇だった。そのとき、第2次世界大戦の敗北からちょうど40年。日本がついに世界経済の主導役に上り詰めた絶頂の瞬間でもあった。  ところが、それはつかの間の夢に終わる。ドル安誘導策は日本にバブル経済とその崩壊をもたらし、その後、日本は長期停滞を余儀なくされる。円相場は2024年には1ドル=161円まで下落。実質ベースでみれば変動相場制の半世紀で最安値まで落ちぶれた。    通貨の盛衰は、国力の盛衰そのものでもある。瓦礫の山から復活した日本経済は、この40年間でいったい何を間違えたのか。2011年、震災で苦しむ日本を未曽有の円高が襲い、日本は経済的な大実験である異次元緩和に賭けた。  その間、中国も韓国も台湾も通貨安誘導で日本を出し抜く。トランプ政権は「第二のプラザ合意」を探るが、いつ顕在化するのか。  通貨失政の戦犯は誰なのか。再復活策はあるのか。円を巡る世界の攻防を検証する。 【目次】 序章 通貨マフィア 第1章 トランプ2.0(2025年~) 第2章 プラザ合意(1985~89年) 第3章 円とバブル(1990~94年) 第4章 「ミスター円」(1995~99年) 第5章 ミセス・ワタナベ(2000~07年) 第6章 超円高の危機(2008~12年) 第7章 アベノミクス(2013~20年) 第8章 最弱通貨(2020~23年) 終章 大暴落(2024年)
  • 日本銀行 虚像と実像 検証25年緩和
    4.0
    停滞が続く日本経済。閉塞感とポピュリズムが同時に強まる間、日銀はスケープゴートにされ、ラストリゾートにされ、常に主役の一人で居続けた。速水氏、福井氏、白川氏、黒田氏、そして植田氏と、日銀トップが何を考え、裏で誰が動き、結果として日本経済に何をもたらしたのか。歴史的事実を掘り起こしながら、25年間の日銀緩和を検証する。 ●日銀の25年を検証。  98年の新日銀法は、日銀の独立性を高め、自由度も高めたはずだったが、それぞれの総裁が政争に巻き込まれ、手足を縛られる状態が続いた。リーマン・ショック、東日本大震災の前後には政権交代などもあり、方針は二転三転。「日銀の独立」を主張したことで、そっぽを向かれた総裁もいた。  本書は23年4月の新総裁誕生とともに日銀に注目が集まる中、これまでの25年を振り返る内容。人事抗争なども精緻に書かれ、金融読み物として読む人を飽きさせない。「誰も総裁をやりたくない」とまで言われる日銀の課題は何かを、過去から検証する。
  • みずほ、迷走の20年
    3.9
    ●経営陣がいっせいに交代する事態に  ATM障害が続いたみずほ銀行。2021年に発生した障害は8回を数えた。22年2月に木原社長が就任し、心機一転のスタートを切った。  みずほの障害は、東日本大震災直後にも大規模なものが発生しており、その後新しい基幹システムを投入したものの、防ぐことができなかった。システム部門のトップに、システムに不慣れな人が就き、また障害後も、店舗で迅速な案内ができず、人災と言われても仕方がない状況を招いた。金融庁の調査では銀行の行風として「言われたことしかやらない姿勢」も指摘された。  本書では、そこに「ガバナンス不全」を見る。銀行発足当初からシステム障害が発生し、その後、基幹システムの「旧3行」でのたらい回しも起きた。障害が起きるたびに専門社員が処分され、システムに強くない人があてがわれた。当然、社長・頭取候補と目された人も経営陣に戻ってくることはなかった。 ●みずほ20年の軌跡から未来を見据える  1989年には興銀、第一勧銀、富士がそろって時価総額で世界上位に入っていたが、これほどまでに米国に水をあけられてしまったのはなぜなのか。フィンテック、グローバル、グリーン分野が今後の反転のカギになるだろう。  現役・OBのみずほ関係者のインタビューからもストーリーを展開。実態を解き明かす。  本書では、企業風土や組織の問題を新聞記者の目線で取り上げる。

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