田辺貞之助の検索結果
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カザノヴァ回想録
破天荒な才気と知力、山師的な感覚、抜群の記憶力・行動力によって、18世紀ヨーロッパの各地の宮廷で勇名をはせた男の、一世一代の「回想録」。なによりも女を愛し、自由を愛し、人生を享楽しつくしたカザノヴァの生きざまは抜群のおもしろさに満ち、ロココ時代を生き生きとよみがえらせる。この第一巻には、生い立ちから始まって、司祭になる勉強、14歳のときの童貞喪失、16歳のときの神学校追放、軍人としての活躍、コンスタンチノープルでの冒険、劇場楽師への転落、そして幸運と持ち前の機転による20歳のときの思いがけぬ金づるの獲得までを収める。 -
彼方
中世のあらゆる雑学が妖艶で怪奇な渦をまいている本作の主要人物は、ジャンヌ・ダルクを助けて数々の武勲を立てた西フランスの王侯ジル・ド・レーである。彼は愛国の処女の火刑ののち、爛熟した豪奢な生活をおくる。そのうちに金に欠乏してきて錬金術に興味をおぼえ、その帰結として悪魔礼拝に走った。そして、残忍卑劣な罪悪の限りをつくし、ついに宗教裁判にかけられて焚刑に処される。『彼方』はこの物語を骨子として、中世のあらゆる学問、すなわち錬金術、悪魔宗、呪詛、占星術、黒ミサなど、いわゆる神秘学の伝統を次々と暴露する。その凄惨、その淫靡は、一読肌に粟を生ぜしめる。しかし、「狂人か兇賊か聖者でなければ興味がない。その他はすべて俗衆だ」と喝破した世紀末フランス耽美派の雄ユイスマンスとしては、これは当然の帰結であった。