学術・語学 - 谷沢永一作品一覧
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-江戸の儒学者・伊藤仁斎はただテキストを暗唱するのではなく、その真髄を理解し、本来の学問としての究極の信念を理解しやすく書いた。本物の学問とは、人生をいかに生きるべきかをめぐって心の修練を重ねる努力である、という日本人の特有の学風が生まれたのも仁斎の出現による。仁斎がその人生最後の日まで手を入れた『童子問』を、書誌学の谷沢永一がその風格を活かしつつ、訳したのが本書である。巻の上16章:盗賊にも彼らなりのモラルがある。だから教育は可能である。巻の中13章:天下国家の治政を願うなら、人々が実行できない規律は強制するな。巻の下11章:天命を知る者はその身を慎む…など、現代に生き返った仁斎ならどう表現したかと、広く想像をめぐらし補足し省略もしている。上・中・下巻を1冊にまとめ159章からなるが、どの章から読んでもそこには人生について深く考えさせる倫理がある。
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3.0
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3.0「インチキ宗教」や「エセ科学」がどんなにはびころうとも、これを知っていれば、決して騙されない。ますます混迷の度合を高める時代において、「宗教とオカルト」という人間の存在を大きく左右してきた問題の重要性と危険性は、ますます高まってきている。しかし日本人はこれまでの風土から、宗教を知らず、オカルトに弱い性質がある。そこでオカルトを長年研究対象にしてきた渡部昇一氏が、これまでの蓄積をもとに、(1)学問とオカルトの違い(2)良い宗教と悪い宗教との違い・判断方法(3)宗教とオカルトの類似性(4)オカルトと宗教を裏付ける奇跡について(5)宗教とオカルトがなぜ人をひきつけるのか(6)若者に対する、〈日教組〉教育の問題点(7)日本人は、宗教・オカルトとどうつきあっていくか等々について、親友・谷沢永一氏と縦横無尽に語り合う。白装束集団や、オウム真理教など身近にオカルトじみた、悪の集団があふれている昨今における、日本人必読の書。
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-「世の中には人を騙すことを本務としているような奴等がいっぱいいる。われわれはいつも気をつけて警戒しているのだが、時として引っかかることもある」(本書「人間性を見つめて考える」)。そのなかでも、手練手管の限りを尽くし、大仕掛けに網を打ち、二十世紀の世界をいちばんひどく騙したのが共産主義と社会主義である、と著者はいう。本書は、その「騙し屋」の手に二度と引っかからないように、日本社会党(現社民党)、日本共産党、マルクス、レーニン、スターリンを俎上に上げて、共産主義、社会主義の実態を見定め、その騙しの手口を解き明かした、痛快評論である。また、本書のなかで著者が、人間の権力欲がもっとも極端に達してできたのが共産主義権力であり、その実態を知れば知るほど、権力本能の怖ろしさに慄然とすると述べているように、本書は、共産主義、社会主義の研究書であると同時に、人間性の研究書、人間の権力欲の研究書でもある。
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4.0
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-戦国時代は人を率いる立場にある者をいやがうえにも賢くし、智的水準を向上させ、その成果は数え切れないほど多種類の戦記として結晶した。それらの古記録を引用して編まれたのが『名将言行録』だが、残念なことに現在は絶版となっている。本書は、『名将言行録』を所蔵している当代一流の両読書人が、現代の眼から見て感動を呼び起こす勘所を、話題を広げながら語り下ろした価値ある一冊である。取り上げている武将は、いずれも強者の27人。北条長氏(早雲)、上杉輝虎(謙信)、武田晴信(信玄)、毛利元就、北条氏康、武田信繁、太田資長(道灌)、織田信長、柴田勝家、前田利家、山内一豊、細川藤孝(幽斎)、竹中重治(半兵衛)、今川義元、豊臣秀吉、黒田孝高(官兵衛、如水)、加藤清正、小早川隆、津軽為信、伊達政宗、石田三成、黒田長政、立花宗茂、細川忠興、真田昌幸、真田幸村、松田信綱。戦国人が現代人に遺してくれた叡智を存分に味わえる名著。
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-上智大学名誉教授・渡部昇一氏絶賛!!「読むほどに日本人としての自信が湧き上がってくる名著である」古今東西の書物に精通した当代随一の“知の巨人”であり、“人間通”の著者が、人生をより豊かに生きるための「歴史との向き合い方」を語り尽くした一冊。装いも新たに、待望のリニューアル復刊!
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-近年静かなブームの老子。しかしこの老子という人物が確実に存在していたかはいまだ不明であり、『老子』五千言についても謎は多い。また有力な説である、弱者集団の発想、古代人の万物根源としての女性崇拝という視点で読むと納得できるところは多く、その魅力はつきることがない。ただ確実にいえることは、この五千言には「自由人がぱっと閃いた瞬間に走る稲妻」のような、いわば「きらめくような鋭さ」が随所に秘められていることである。そしてこの古典的名著に現代の碩学二人が挑んだのが本書である。まずは「老子」を読むうえで最上のテキストとは何かから始まり、訓詁注釈の姿勢で読まず、秘められた「きらめき」を拾い上げるように、絶妙の対話を重ねながら読み解いていく。日本人のなかで、長い時間をかけて血肉化されたこの一大思想には他の古典のように教師として高い場所から教え諭すような気配はない。老子を読むための最良のテキストが本書である。