松本俊彦 - 金剛出版作品一覧

  • アディクションの地平線 越境し交錯するケア
    5.0
    人はなぜ,物質や行動にアディクティッド(addicted)してしまうのだろうか? その背景には往々にして,薬物療法では解決できない当事者の「心の痛み」がある。「否認の病」とも呼ばれるアディクションからの回復にとって重要なのは,当事者と彼ら・彼女らを支える家族,専門家,そして自助グループなどによる,ゆるやかな「共助」の姿勢である。 現代社会において多くの人が抱えるこの問題に対し,私たちはどのように向き合い,取り組んでいくべきか。「アディクション」概念成立の歴史からその展開,当事者・家族支援の現状まで,第一線で活躍する14人の豪華執筆陣によるさまざまな視点・立場からの「声」が,私たちにそのヒントを与えてくれる。 『臨床心理学』本誌で好評を博した連載・待望の書籍化。現場で働く専門家はもちろん,アディクションに悩む当事者やその家族の方々にも,是非ご一読いただきたい。

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  • お母さんのためのアルコール依存症回復ガイドブック
    -
    わたしはかつて,どうしようもないアルコール依存の母親でした。長いあいだ,自分の飲酒をコントロールすることができずに失敗を繰り返し,1999年,どん底に落ちて,いわゆる「底つき」体験をしました。その日わたしは,夜通し飲みつづけて,幼い3人の子どもの待つ家に帰らなかったのです。……したがって本書で取り上げるのは,断酒中の母親が自らと重ね合わせられるような実生活上の問題であり,わたし自身が生活を変えて断酒をつづけるのに活用した実際的なツールです。どんな困難にぶつかっても断酒しつづけようとする母親のみなさんの支えになることができれば幸いです。(本書「序文」より)  本書は,断酒を目指す母親が再発を避け,上手にセルフケアを達成するためのさまざまなルールについて,自らの「底つき体験」からの回復への旅を語ったものです。  シングルマザーである彼女の体験は,女性がしらふの状態を維持しながら生活を立て直すことの困難さと,しかしそれは決して不可能なものではないという希望を教えてくれます。女性のアルコール依存症者に多く見られる,恋愛依存症,家庭内暴力(DV),虐待,共依存,レイプ被害などの性的トラウマ等の問題にも言及され,これらの問題を解決するための際のヒントも見つかるはずです。依存症(女性)当事者と家族が自分自身(あなた自身)をケアし,生きている喜びを見つけるための「女性依存症者を想定した啓発的で貴重な本」といえるでしょう。

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  • CRAFT 物質依存がある人の家族への臨床モジュール
    -
    コミュニティ強化と家族トレーニング(CRAFT)は,アルコールや薬物などの物質使用障害の問題を抱える個人(IP)に対して,関係する重要な他者(CSO)を通じて支援することを目的とした,エビデンスに基づくアプローチである。 アメリカの行動療法プログラムであるCRA(コミュニティ強化アプローチ)から派生し,それを補完するものとして生まれたCRAFTは,B.F.スキナーのオペラント条件付けの原理に基づき,物質使用を上回る報酬を与える新しいライフスタイルを提案することに注力し,独自の手法で集中的に働きかける点を特徴としている。また,近年のCRAFTにおいて重要視されているCSO自身の生活の質の向上についても,一つの章を設けている。 本書は,CRAFTの実際の面接で活用されやすいように各章が独立したモジュール構成となっており,書き込み式のワークシート,具体的な会話例,モジュールが適切に実行されたかどうかを確認するチェックリストを付録する,極めて実践的なものである。

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  • CRA 薬物・アルコール依存へのコミュニティ強化アプローチ
    -
    コミュニティ強化アプローチ(CRA)は,B.F.スキナー(B.F.Skinner,1938)による,オペラント条件づけに基づく,行動療法によるアメリカ発祥の治療プログラムである。アルコールやドラッグといった物質使用は,その行動に対する強化があることの顕れであると考えられている。CRAは,物質使用よりも報酬の大きな,新しいライフスタイルを発見することを目指している。(本書,序文より)  近年,依存症者家族の支援プログラムとして急激に現場に浸透しているCRAFT(Community Reinforcement and Family Training)は,まさに家族を介した間接的CRAである。CRAFTの効果的実践のためには,CRAへの正しい理解が必要である。本書はその入門書として最適な実践的ワークブックである。  本書で提示される治療モデルは,明確な治療哲学に基づいた画期的なプログラムである。読者がすぐに活用可能な多くの書き込み式の[付録]も収録されている。依存症臨床の最前線で働く援助者にとって,きわめて実践的有用なテキストといえよう。

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  • ハームリダクション実践ガイド 薬物とアルコールのある暮らし
    -
    薬物・アルコールの使用や誤用による「ハーム(害)」を「リダクション(低減)」するための具体的なメソッドが解説された日本で最初の実践書。 「ダメ。ゼッタイ。」や「断酒・断薬」などの「やめるか/やめないか」だけにとらわれず,自分に合ったより安全でより健康的な使用方法や減薬・減酒/断薬・断酒へのステップを一歩ずつ進め,今より少しでも暮らしやすく・生きやすくしていくためのプロセスが学べる一冊。

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  • 物質使用障害の治療 多様なニーズに応える治療・回復支援
    4.0
    ここ10年間で物質使用障害の臨床は大きく変わってきた。海外のさまざまな治療法が国内に紹介され,そうした海外のプログラムを参考にして,わが国の状況にマッチしたプログラムが開発され,普及してきた。 雑誌『精神療法』に連載の「物質使用障害治療の最前線」をまとめた本書は,最近10年間に登場し,すでに依存症分野で一定のポジションを確立したと思われる心理療法プログラムや,依存症に関連した重要なトピックを集めたものである。いずれの章も,そのテーマ,プログラムの第一人者である第一線級の臨床家・研究者が執筆しており,通読すれば,現在,わが国の医療機関でスタンダードとなっている治療プログラムや治療理念を一望することができる。 これらのプログラムは,物質使用障害という領域が,多くの援助者から忌避され,結果的に多くの当事者と家族を治療・支援から疎外してきたといえる状況を緩和し,依存症臨床への入り口を広げる効果があるだろう。 しかし,さまざまな治療プログラムはツールにすぎないので,患者の多様なニーズに応えるべきテーラーメイドの治療として,本書で取り上げたプログラムを複数用いたり,構造化されていない個別的なかかわりを行うことは不可欠である。 すでに物質使用障害臨床に従事している人だけでなく,これから取り組もうとする人にも役立つ一冊。

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  • マインド・フィクサー 精神疾患の原因はどこにあるのか?
    -
    本書では、精神疾患の原因を脳に探りながら、現在の「精神医学」という概念にどのようにして至ったのか、を検討していく。 第1部ではアメリカにおいて生物学的精神医学の役割が明確化されていく過程についてまとめている。第2部では疾患ごとの視点に替え、薬剤の歴史から家族、世論までも含めて考察する。第3部では破綻と今後の危機を扱い、全体を通じて精神疾患を生物学的に理解するための多元的な見方を提示する。

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  • 薬物依存とアディクション精神医学
    4.0
    1巻3,410円 (税込)
    これまで薬物依存は,ともすれば司法的問題として捉えられ,治療や援助ではなく,取り締まりの対象とされてきた。しかし,治療なき取り締まりは,わが国における覚せい剤取締法事犯者の高い再犯率以外に,問題を抱える当事者に対して一体何をもたらしてきたであろうか?  意外に知られていない事実がある。近年わが国において急激に乱用が深刻化しつつある薬物とは,覚せい剤でもなければ大麻でもないのである。それは,精神科治療薬という「取り締まれない」薬物である。  いうまでもなく,薬物依存から回復に必要なのは,罰ではなく,治療である。薬物依存は,世界保健機関(World Health Organization; WHO)によって認められた医学的障害であり,わが国の精神保健福祉法においても精神障害の一つとして明記されている,れっきとしたメンタルヘルス問題なのである。そしてメンタルヘルス問題である以上,その治療は,単に「薬物」という「モノ」をやめさせることではなく,その「ヒト」が地域で普通に暮らせるようになることを目標にしなければならない。  本書には,医療機関や保健機関の援助者・治療スタッフのために,現場で役立つ情報や考え方が数多く紹介されている。当事者,家族,すべてのアディクション臨床にかかわる治療スタッフに必携の書といえよう。

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  • よくわかるSMARPP あなたにもできる薬物依存者支援
    -
    わが国では,覚せい剤取締法違反によって刑務所に服役する人の数は年々増加しており,その再犯率の高さも指摘されている。薬物依存症の治療は「貯金することができない」性質のものであり,出所後そして保護観察終了後にも,地域で継続されなければほとんど意味がない。 米国マトリックス・モデルを基に〈SMARPP〉を開発した著者が,新しい薬物依存症治療プログラムとしてのスマープの実際をわかりやすく説いたのが本書である。 後半では,薬物依存症治療の最前線として,現状の理解から法的問題,当事者と家族への援助まで,物質使用障害理解のためのさまざまな課題を明らかにしている。

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