小説 - 森敦作品一覧

  • 意味の変容
    5.0
    1巻550円 (税込)
    光学工場、ダム工事現場、印刷所、およそ「哲学」とは程遠い場所で積み重ねられた人生経験。本書は、著者がその経験の中から紡ぎ出した論理を軸に展開した、特異な小説的作品である。幽冥の論理やリアリズム1.25倍論など独自の世界観・文学観から宗教論・数学論まで、著者の創作活動のエッセンスが凝縮された奇跡的な作品。
  • 月山・鳥海山
    4.3
    1巻896円 (税込)
    いまも読み継がれる、芥川賞史上最高作と名高い小説 出羽の霊山・月山の山ふところにある破れ寺に、ひとりの男がたどりつく。炉ばたでひたすら割り箸を作り続ける寺の男、女たちによる念仏のあつまり、庭を見せようと豪雪にもかかわらず雪かきにはげむ老人……。雪に閉ざされた山間のむらで、不思議な村人たちと暮しをともにするこの男が知った此の世ならぬ幽明の世界。芥川賞受賞作「月山」と、その姉妹篇ともいうべき「天沼」、著者の〈月山への道〉が浮き彫りにされる短篇集「鳥海山」を収録。 【目次】 月山  月山  天沼 鳥海山  初真桑  鴎  光陰  かての花  天上の眺め 解説 小島信夫
  • 対談・文学と人生
    -
    独自の創作理論を打ち立てた、二大巨人による実践的文学論。文学の<現在>はここから始まる――独自の文学世界を打ち立てた二大巨人=小島信夫&森敦による長篇対談。昭和20年代半ばからの知己である二人が、これまでの交遊を振り返りつつ、創作理論の<現在>を縦横に語り合う。悲劇と喜劇、内部と外部、小説におけるモデル問題、夢と幻想、演劇論など、多岐にわたるテーマを通して、二人の文学の根柢に迫る、スリリングでアットホームな試み。幻の未刊長篇対談、待望の文庫化。 ◎小島信夫「この対話は色々の問題をもってきて、互いに論じるというようなものとは大分ちがう。問題も材料も互い自身である。これは息苦しいものであるし、空を切ることもあるので、ときどき散歩をすることもある。ときには、自分自身をダマす必要もある。(略)今月、悲劇、喜劇という言葉が出現して、私は刺戟をうけた。まどろみかけた目がひらいた思いがした。(略)今回のような談話の中での文脈の中でおどり出たのだから、これは生きた言葉である。生きた言葉であるだけに、今後何度も俎上にのぼり、たのしまなければならない。」<「第四回・追記」より>
  • P+D BOOKS 私家版 聊齋志異
    -
    1巻550円 (税込)
    奇々怪々、不朽の怪奇説話の名翻案19話! 中国清代、巷で口承される怪異譚を蒲松齢(ほしょうれい)が書き綴った、怪奇短編集の白眉とされる『聊斎志異』。芥川龍之介、太宰治、澁澤龍彦、司馬遼太郎、F.カフカなど多くの作家も魅了され、影響を受けてきた。 森敦がこの500余話から選び抜き、私家版で19話を翻案した。生き生きと、且つ深みのある筆致が見事だ。妖術、呪い、幽霊など摩訶不思議な事象に加え、酒好き、大食らい、ひょうきん者、試験に落ち続ける男、母と暮らす嫁の来てのない男らが登場し、現代にも通ずる親しみ、可笑しみも溢れている。
  • 酩酊船 森敦初期作品集
    -
    昭和9年、横光利一の推輓で新聞連載された、森敦22歳の文壇デビュー作「酩酊船」。小説を書きはじめようとする青年の思考を日記やノートで辿ることそれ自体が、その小説の実現を意味するという冒険的試みで、のちに独自の創作理論を打ち立てることとなる著者の資質がいかんなく発揮される。そのほか19歳の作「酉の日」から36歳の作「夏の朝」まで、貴重な初期作品5篇を精選。

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