• 善悪の屑 (1)

    やられたらやり返せ

    5巻まで読んだ。一部完で、続きは「外道の歌」で連載中とのことでとても気になる。
    被害者に代わって復讐を実行する主人公のカモとトラ。人が人を裁くなんて、という読む側の逡巡を吹き飛ばすくらいに、頭のネジが100本くらいはずれた犯人は徹底的に悪として描かれる。

    昔から、法に変わって悪を裁くテーマの作品はたくさんあるが、ともすれば独善的に描かれがち。それが、本作は裁く側も裁かれる側も「屑」と言い切る潔さ。だから道徳だの正義だの倫理だの、あれこれ棚に上げて単純にスカッとできる。
    一世を風靡した「倍返しだ!」の台詞があんなにも受け入れられるところを見ても、今の世の中全体が表に出せない鬱屈した感情

    6
    2016年05月06日