• 普賢
    ネタバレ

    難しいけれど妙にスラスラ読める

    饒舌で尚且つ韜晦な文章だが、時折急に飛び出す詩的で堅い文章は視覚的にもはっとさせられ、リズムがいいから聴覚的にもはっとさせられる。また、落語を聞いてるような感覚にもさせられる。内容は、どうしようもない色々な男女が登場する風俗小説であるが、これがまた皆どうしようもない。語りは「わたし」という一人称だが、登場人物の動きが中心に語られる。「わたし」は仲間たちのだめっぷりを嘆くが、自分もまただめだめであることを自覚している。書こうとしているピザンの伝記もいっこうに進む気配がない。そして恋情を抱いていたユカリに絶望し、警察から逃げることにもなり、最後には普賢菩薩にすがりつく。そして急に訪れるオチ……

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    2018年01月04日